初めての戦闘
続いていきます。ちょっとぐろいかも。
なるべく小声で。
声が震える。
落ち着け。
兵士の足元に蔓を這わせる。
注意をそらすために剣を抜き振り回す。
「おいおい、危ないぜぇ。坊ちゃん、剣はこうやって振るんだよっ!」
来たっ!一人の兵士が突っ込んできた。今だ!
「巻きつけ!」
蔓を足に絡ませ転ばせる。
「ぶっ!?」
顔から地面に激突する兵士。やった!
「っ!てめぇ!」
もう一人の兵士も突っ込んでくる。兵士は剣を振り下ろす。
とっさに頭を守ろうと左腕を構えてしまう。
「ひっ!!」
ズバン!!
左腕を斬り落とされる。
「ぐわあ!」
左手が地面にボトッと落ちる。切り口から血が吹き出る。いぃいってぇ!!手が、手が!
「へへっ。これで終わりだ!」
足を踏み込み、剣を振り上げようとする兵士。
死ぬ!
いやだ!
こんなとこで。
死んでたまるか!
左腕を振る。血が飛び散る。兵士の目にかかる。
「うわ!」
一瞬怯んだ!今!剣を喉元に突き刺す。
「ごふぅ!」
口から血を吐く兵士。
「こ、この」
まだ死んでない。
さらに奥に突き刺す。
ズブズブと肉を裂く感触が右手に伝わる。
倒れる兵士。
あと、一人…!
足に巻きついてる蔓を切ろうとしている。
やばいっ!呪文を唱える。
「巻きつけ!巻きつけ!」さらに蔓をつくりだし兵士の体を固定していく。慌てる兵士。
「うわぁ!うっわあ!頼む!殺さないでくれ!」
命乞いをする兵士。醜い。
「うるさい…!」
首に剣を突き刺す。
「だまれっ!」
何回も。
「だまれ、だまれっ!!」
何回も。
刺すたびに兵士はビクッと震えた。
やっと動かなくなった。やった…。一気に力が抜ける。
「っつ!」
左腕か痛い。
血が止まらない。
とりあえず止血しなくちゃ…。
左腕を呪文でだした蔓で縛る。ズキズキと痛む。
周りを見る。
倒れている二人の兵士。
首の傷跡。肉が見える。
血が地面ににじんでいる。
僕が、殺した。
「う゛っ!!おうぇええええ!!!」
吐いた。人を殺した。この手で。
「くそっ!」
地面をダンッと叩く。
まだだ。
あと一人。
あいつを殺さなくちゃ。
さっき女を犯していた奴。
殺さなくちゃ。
この二人の兵士を殺したのは僕だ。
あいつはいつか僕を殺しに来るかもしれない。
なら、殺さなくちゃ。
ふらりふらりと立ち上がり歩き出す。
「殺さなくちゃ。生きるためだ。殺さなくちゃ。」
ブツブツと自分に言い聞かせる。
ふらふらと幽鬼のように兵士の血が滴る剣を右手に町へと歩いていく。
次回はどうなるんでしょうねー