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みんな、もっとお魚を食べるべきだよ。カルシュウムが足りないから怒りっぽいんだよ。



32日目   最果ての迷宮 54F



 3度目の戦闘、此処で足止めされている、ウェアウルフに、人狼に。でも数は削り続けてきたんだ、残りは20匹位、絶対に行ける、この向こうに、遥君が居る下層に。


 「今日はここでお泊りしよー。大丈夫だとは思うんだけど、拠点造っちゃおう。」


 「「「「「は~い。」」」」


 やっと、やっと倒せた、倒し切ったよ、ウェアウルフを、Lv54の群れを、倒せた。


 「ごはん係集合!お肉出すよー、野菜早く切っちゃってよー。」


 「こっちは終わったよー、野菜回してー」


 「肉だ。肉だ。焼いちゃうよー、お肉ー、肉だよー」


 みんな、怪我は大丈夫みたいだ、軽傷者は多数なんだけど体力茸も焼いている、大丈夫だ。


 「「「「腹減ったよー、疲れたよー」」」」



 男子たちもばてている、今回はウェアウルフ達の群れを突破し、分断して挟み撃ちにして、逃がさないように機動戦からの包囲殲滅戦に持ち込んだ、だから、走り回って疲れてる、だけど倒し切った、やっと倒した、これで進めるんだよ。


 テントも張り終わったみたい、もう疲れ切ってる男子たちから、ご飯を食べさせて休憩させよう。とにかくご飯だ。


 「やっと、55Fに行けるんだねー」


 「「「「長かったよー、狼さん」」」」


 実際、丸二日もかかっている、54Fで、これからもっと敵は強くなっていく、でも、行くしかない、どんなに時間が掛かるとしても、遥君は最下層の魔物たちと戦いながら、たった一人で上を目指しているはずなんだ、だからせめてお迎え位行きたいんだよ、みんな。


 島崎さん達は、遂にLvが90台になった、独走状態で上がっている、つまり、使役者の遥君は戦い続けて居るんだ、たった一人で、下層の魔物たちと、上を目指して。


 夜寝る前のミーティング。って言う名前の女子会、男子は空気。


 「牛さんは「スパイク・バッファロー Lv55」だったよね?」


 「群れだよ、また、暴走棘牛軍団だよ。」


 「55Fは階層主居ないんで、通常のレイドで各個撃破からで良いよね。」


 「う~ん、また孤立して大騒ぎとかならないかなー?」


 うん、ウエアウルフとの初戦はそれで、防戦一方に追い込まれ、立て直しが遅れたんだよ。


 「防御陣を先に引いちゃってから、分散したら?」


 「え~っ、囲まれちゃうよ?動かないと一気に?それこそ、また徹底防戦になるんじゃない?」


 「でも、足速そうだよ?あの牛?防御陣は突撃の的になるよ。」


 「「「「それは嫌だー。」」」」


 そう、次の55階層は牛の群れ、また群、集団戦よりは各個撃破で減らしたいんだけど、散るのも危ない。


 それにしても、もう一か月。でも戦い始めて半月ちょっとくらい? みんな、戦闘慣れしてきている、作戦の理解が早い。


 因みに、完全空気の男子も戦闘が始まると、作戦を理解し的確に動く。けど会議だと……空気。


 小田君達のオタ班は、後の先を取ることに特化しているから、逆撃からの行動速度は凄まじいけど……会議だと空気。


 柿崎君達の莫迦班は、臨機応変、変幻自在って感じで、好き勝手に動いてる様で連携し対応するけど……会議だと空気。


 「「「「男子の意見は~?」」」」


 「え~?来たら応戦?来なかったら、各個撃破?」


 「相手任せでいいじゃん?その時その時で?」


 作戦能力が……小田君達も、柿崎君達も柔軟で機転が効くが、出たとこ勝負なんだよ。


 逆に、女子は作戦や陣が崩れると弱い、防御型、一撃離脱型、そして後衛型が多いんだよ。


 それで作戦が決まらない。毎回だ。


 「今回は突撃牛さんを往なして削る斜行陣に持って行きたいんだけど?いけるかなー?」


 「前衛足りる?」「80匹以上って聞いたよ?」「うん、突破されない?」


 「うん、斜行で群れの後ろが来たら、半包囲して、追撃して、反転されたら、また斜行で逸らす。って感じ?」


 「「「「闘牛士なの?」」」」


 うん、マタドール作戦だ、突撃を正面から受けずに、削りきるんだ。


 「だとしたら、陣が長いから防御陣は組めないねー?」


 「後衛の場所取りがねー?移動も考えると後部集中?」


 なんだかもう女子会と言うには殺伐としてるけど、やっぱり女子はお喋りしながらじゃないと策案も理解もしにくいんだよ。


 男子たちはもう、まだ終わらないかと重たい空気になってるけど。


 ここにいるみんなの命は全部、遥君が命まで捨てて守ったんだ、だから、私も守りきる。


 絶対にみんなが無事でお迎えに行かないと意味がないから。


 じゃ無かったら、とっくに皆突撃戦を始めているだろう。


 まだ54階。遥君はもっともっと下に居る。


 もっともっと厳しく、激しく、それでも一人戦いながら、上を目指してるんだろう。


 実際に今、Lv80とか90の魔物の群れとか出て来たなら、私達は一瞬で全滅する。


 そこで、そこよりも下層で、一人で今も戦い続けている。


 本当はすぐに駆け付けたいけど、私達はまだ弱い。


 辿り着けない。



 だから一つでも下にお迎えに行くんだ。みんなで一緒に。

 


誤字ぺったんさせて頂きました、いつもありがとうございますm(_ _)m

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