話の半分は恨みと辛みで出来ていた。やさしさは入って無い様だ
7日目 洞窟
我が家の防音設備は完璧だ、だって洞窟だもの。
それでも安全の為に寝るときは気配察知と索敵をオンにしている。どうやって、ってイメージだ。
その気配察知に森の中で騒がしい気配がずっとしていやがる、煩くて眠れん。
こっちくんなと言いに外に出る、まだ真夜中じゃん。暴走族なの? 森の中でぴ~ひゃららなの?
千里眼で安眠妨害の犯人達を見つける。オタとゴブ、どちらも見覚えのある生物だ。
あ~、真夜中に喧しいと思ったらオタ達かよ。まったく最近の高校生と来たら深夜にゴブと大騒ぎして、れっつ、ぱ~り~なのか? 説教だな。
「一度離れろー」「僕が抑える」「MPまだむりか?」「そっちも駄目か?」「「「「わいのわいの」」」」「グオオ」「グギャ」「ガウ?」
あー、喧しいやつらだ本当に。
オタ達4人組はクラスメイトで、悪い奴等ではない、寧ろ苛められっ子だった。喧しいと怒鳴り込んでもいいのだが、あいつ等もこの世界に来ていると言う事はスキルを得たという事だ。もちろん、俺のと違ってチートだろう。何せあいつ等は専門家だ。
苛められっ子が異世界チートで性格が変わり復讐を~、なんて本もあった。まあ俺苛めてないし? しかもよく考えたらその本布教してきたのはあいつ等だけど。うん、面白かったから助けてやるべきか?
鑑定を発動しながら近付いていく、ゴブさんの残りはLvは13~15の5匹、あれっ、助け要らなくねっ? オタ達のLv16、しかも、職業が守護者、忍、聖者に魔導師。かっけ~、何で俺だけ無職なんだよ。
成る程、守護者が大楯と槍でゴブ達を足止め、忍がヒットアンドウェイで攻撃、その後ろから魔導師、聖者でバックアタック。したいのだろうが、相手の数が多くて守護者が抑えきれず、遊撃役の忍は動きが悪い、たぶん怪我したな。そして後ろからの魔法攻撃や回復が無い、MP切らした様だ。槍とハンマーで直接攻撃してるし。
それでもLv16のステなら楽勝だろう。Lv3の俺で戦える相手だ、疲労してるのか? 一名肥満はしているようだ。
「よし、一発だけ撃てる」
「ゴブを集めろ!」
「了解」
「アースランス!!」
おー、やっと3匹倒した。人の戦い見てる方が緊張するなあ。
「よし後2匹だ、囲むぞ」
「「「おー」」」
どうするのか? 如何なものか? 大丈夫だろうと思ってたんだが、ヤバげ? マジで? またMP無くなり、守護者もぼろぼろだ。うん、後ろからも2匹来てますよ?
気付かないまま後ろからゴブ2匹に思いっきり襲撃されちゃってます。大慌てです。いつもより多く大慌てしているのだろうか? ギャラは一緒だろう、パーティ-だし。
まったく、Lv16が4人だぞ? 魔導師に聖者に守護者に忍だろ? なんでLv3の無職が助けなきゃいけないんだよ? Lv10以上とか有ったら1人でゴブリン位集団でも無双出来るんじゃないのかよ?
ちッ、しょうがない。
「木の棒アターック!!、もちつけお前ら。」
走ってきた勢いのまま飛び出してしまった、じゃじゃじゃじゃ~んだ。とりあえず2匹は撲殺。
「「「なに!? って、えーー!なんで? あれ、遥君?」」」
「……えーと、ペッタンペッタン?」
1人を除いて、まだパニクッてんのか、てか1人だけ余裕だな、疑問系だけど。
まあ、仕方が無いだろう、こいつらは知らない仲でもない。目の前で死んだり大怪我とか後味が悪い。
まあ、知り合いと言っても教室で読書に勤しんでいると、行き成りお勧めのラノベを差し出して来てはお勧めトーク始めると言う布教活動されていただけなのだが。
なんか後ろでオタオタと騒いでいるが、2匹は木の棒アタックの連打で倒した。またの名を「後ろから後頭部目掛け、力の限りのフルスイングで撲殺」とも言う。残り2匹。
「グオォォウ」、とか言いながらゴブ達はこちらに向きを変えた。何と言ってるかは分からない。
この場でグオォォウと俺に言うんだから、朝の挨拶ではないだろう。ゴブ語は俺には難解過ぎるようだ。
オタ達の援軍は当てにしないとして、あまり手の内は見せたくない。
どうしたものかとか何とか考えている間にゴブリンは棍棒を振り上げ、突進してくる。
っていうかゴブさん……また、そのパターンですか? 何時もの様に木の棒スラッシュで難なく仕留める。ちなみに、またの名は「ゴブの頭蓋骨を振り下ろしてきた棍棒ごと木の棒で横殴りに撲殺」と言うのは良い子の皆の秘密だ。
「おーい、オタ軍団、活きてるか~?」
と、声をかける。が、
「「「…………」」」
「……えーと、ピチピチ?」
ん~、まだ1人を除いて再起動を果たしていないようだ。しかし、一名だけ凄いなー。どうやって聞き分けたのだろう? まっ、まさかの異世界スキル?
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「いろいろ聞きたいことが有るけど、とにかく助けてくれてありがとう。助かりました」
「「「あざ~っす」」」
無事再起動を果たしたようだ。何だか凄く久し振りに人と会話をするような気がするが、気のせいだろう。元の世界でも一日中喋らない日なんてよく有っ……た……しっ? うん。
さてどうしようか? 助けたものの、どーしたもんか? 拾った所に戻して来ればいいのだろうか。
「え、何か警戒してる?」
「え、警戒?」
「なに? 魔物?」
「……えーと、デスゲーム?」
おおぉ、一人凄い察しの良さだ。まあ、こいつがその本貸してくれたんだが。
「わるいな。まー、異世界だしねー?」
気を悪くしたかも知れないが、無警戒でいられる様なお花畑には為れない。なにせスキルには危険な物だらけだった、寧ろ健康や歩行なんて言う無害な物が有った事の方が不思議な位だ、俺には有害な物を押し付けられたけど。
既に誰かに取られた後のグレイアウトしたスキルの中には「傀儡」と言うのも有った。間違い無くヤバイ物だろう。木偶の坊と替えてくれないだろうか?
オタ達は顔を見合わせると、剣や刀、盾から荷物まで地面に置き始めた、あっ、武装解除? いいな~、俺には木の棒だったのに……じゃなくて、
「いやいそこまでしなくて良いから。森ん中で無用心過ぎんだろ」
そう言って、荷物や武器を拾わせる。
「……いいのかな?」
「……いいらしい?」
「……いいんだろうか?」
「よきに計らえ?」
おい、殿様が混じってんぞ。どんなジョブだよ殿様。暴れん坊なのか? サンバなのか? 装備を整えさせながら幾つか質問してみた。
「他の奴らはどうしたんだ? お前らだけで夜中に探索中?」
四人は顔を顰めながらこう言った。
「置いて来たというか……「別れたって言うか……「決別的な……「逃げてきました」、逃亡中です」」」
えっ、こいつらは学校でも苛められていたが、まさか異世界に来てまでまだやってんの?
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ボロボロでオタオタな4人を洞窟まで連れて帰る、余りにボロボロだったので茸と薬草を煮詰めたポーションもどきをぶっ掛けて置いた。臨床実験だ。茸臭い。
「うわっ、なに、このお洒落洞窟!?」
「これ独りで?」
「俺たち一週間テントだったのに」
「田舎暮らし?」
ほっとけ、独りでってぼっちには禁句だぞ! あと、田舎じゃなくて僻地か秘境暮らしだろう……洞窟に定住って。
実は洞窟は今ではずいぶん綺麗に成ってる。デコボコだったので梱包魔法で床や壁を包み、変形させて作ってみた、その時に「土魔法 Lv1」が取れたので調子に乗って改築し捲くったのだ、今では30畳はある。土魔法がLv2に成るかと思ったら「ひきこもり 」と「ぼっち」が Lv2になった……まじで。
「モダン倉庫?「独り暮らしでこの広さ「男4人で狭いテントに「ソーホー? ロフト……」」」ずるい」
喧しいので、取って置きの怪しい色の木の実のジュースを振舞って黙らせた。
「「「「美味いっ」」」」
「甘い木の実とかあったんだ~」
やたらと喜んでいる、お前ら森の中に一週間もいて、何してたんだ?
聞いてみた。
うわあ~、重い。何ていうか、馬鹿なの? っていう話だった。こいつ等じゃなくて残り大勢がだ。
話は長かった、半分は恨みと辛みで出来ていた。やさしさは入って無い様だ。
俺以外の全員が森の中にほぼ同時に転移してきた、教室に来ていたクラス外の奴らもいて42人来ているらしい。多いな~クラスメイトですら名前覚えられねーのに。
一応、全員神様から説明を受けていたが大混乱だったそうだ。まあ、普通そうだろう。
特に、いじめっ子のなんちゃって不良グループと我侭ギャルのビッチ達が騒ぎ捲くっていたらしい。
なんちゃって不良グループは剣を振り回したり、攻撃魔法を飛ばし出したりと大騒ぎ。止めると、攻撃しようとする始末。
そして、我侭ビッチ達は自分達は知らない、何もしない。あんた達が何とかしなさいよ、とギャーギャー喚く。
普通グループの女子達はわーわー泣き出す。
部活系男子は集まって勝手に話し合っていて、周り無視。
一般男子は空気。
我がクラスの良心、委員長だけが纏めようとするが阿鼻叫喚の大騒ぎだったそうだ、森の中で。
ちなみに、オタたちは放置されていたその間にステータスの情報を共有しつつ、各自のスキルと装備、魔法を確認しながら試していたらしい。図太いな、こいつ等。
そして、森の中でそれだけ騒げば魔物も集まってきます。
森のあちこちからゴブリンが走ってくる。
頼みの委員長は固まる。頑張っていても限界だったんだろう。
女子達は更に泣き叫ぶ。いや、魔物来てんだから静かにしろよと。
ビッチ達は男でしょ、あんた達が何とかしなさいよ、とギャーギャー喚く。うざい。
なんちゃって不良グループは剣を振り回し、魔法を飛ばして騒いでたのに魔物を見た瞬間大人しくなったらしい。馬鹿過ぎて意味分からん。
一般男子は空気。
何? 委員長にだけ評価が優しい? あたりまえだ、俺なんかにも声を掛けてくれる程優しいわ、美少女だわ。他の奴なんかどうでも良いよね?
そんなこんなの混乱の中。何の因果か、異世界で何の問題も無く順応し戦闘準備もしてるオタ達が黙々とゴブリンを撃退し始める。やっと、部活系男子達も参戦し、何とか勝てたらしい。
それでも騒ぐ有象無象を、何とか復活を果たした委員長が「ここは危ないから!」と半分脅しながら、見晴らしの良い河原まで移動させた。
その間にオタ達は勝手に離れて食料や薪を集め、河原でキャンプを張る準備を進めた。
半数以上が何もしないどころか邪魔し捲くっているのに、良くも全員が無事だったものだ。
皆疲れたのか、騒ぐのに懲りたのか、夕方までは思い思いのグループで固まってウダウダして居たらしい。
オタ達は、あちこちに焚き火を焚き、装備にあったテントを張り、集めた食料と保存食でみんなの夕食の用意をしていたそうだ。
ちなみに、こいつ等は異世界に召喚された時の為にサバイバルの練習を普段からしていたらしい、馬鹿なのか? GJなのか?
そんなこんなしながら委員長が頑張って仕切り、普通の男子女子はオタ達に教わりながらテントを張ったりとようやく準備を始めたそうだ。
その後も当然の如く別行動を取るオタ達。伊達にずっとハブられてはいない。空気も読まない。
魔導師は土魔法とサバイバル技術で柵を作り、堀や落とし穴を作る。
忍は偵察しつつ、警報トラップを設置しゴブリンを見つけては暗殺。
聖者はその間に治療魔法で怪我人や具合の悪い人を治療、水場と簡易トイレの建設。
守護者は警備に周り見回りをしながら、焚き火の維持。近付いて来たゴブリンを黙々と殲滅。
オタっていったい何なんだろう?
幸い周りのゴブリン達はLv1~5と雑魚だった事も有り、漸く皆落ち着きを取り戻し、やっと話し合いが始まったそうだ。
仕事の割り振りや、夜警のローテーション、これからの事の相談、食料の問題……委員長が意見を出し、オタ達に意見や助言を求め、躊躇する人を宥めすかしながら一つずつ決定していったんだそうだ。もし、今度会えたら委員長様と呼ぶことにしよう。
が、やっぱり問題が起こった。
当然、原因はなんちゃって不良とビッチ達。
まず騒ぎ出したのはビッチ達、自分達のテントを張れと文句を言い始めたらしい。
委員長が割って入り、手伝うから一緒にやろうと言っても聞く耳を持たず。「男のする事だ「自分達はこんな所に来たくなかった「ご飯がまずい、作り直せ!「兎に角どうにかしろ」etc、etc、etc、etc、etc、etc」」」。
そうなると当然、それなら自分達もしない。オタ達が全部やれと喚くなんちゃって不良達。委員長が何を言っても逆に凄み脅しつけ大声で周りを威圧する。
最悪の雰囲気の中で終に破綻してしまった。
突然、異世界に召喚されるという異常事態。
見た事も無い魔物の出現。
そして、殺されそうになる。
それを、殺す。
初めて見る、死。
教師は居ない、高2の喚くだけの馬鹿たち。
生まれ付いての委員長と呼ばれ、必死にクラスを纏め続け、皆に頼られる存在。
出来るわけが無いのだ。無理だと自分でも分かっていたはずだ。
16才の女の子が委員長だからと言ってどうにかなる話じゃない。
もう、クラスと言う集団は無くなってしまっているのだ。
「……もう……いいよ」
そう言って、俯き、委員長は黙り込み、話し合いは崩壊した。
何も決まらずに。
誰もが何も分からないままに。
何をしたら良いかも。
何をしてはいけないのかすらも。
生き延びる手段も方法も知識の共有もなにもかも無いまま。
纏まり掛けていた生徒達もあいつらが働かないのに何で俺達がと、非協力的になる。
何のルールも無い、もう、集団ですらない。
42人ものチートスキルを持った集団。集団を纏める事の出来る委員長、異世界やスキルの知識を持つオタ達、纏まれば魔物の居る世界であろうと戦い生き残れただろう。ちょっとした勢力だ。
それが自分の力も分からず、戦い方も、魔物や世界の知識も知らないままに、問題は人のせいにし喚くだけの群れになった。
結束すると言う、この世界で一番確実に、安全に生き延びる方法は破綻してしまった。
委員長が纏める事を諦めた瞬間に詰んだのだ。
もちろん、委員長のせいじゃない。
せめてオタ達が委員長に加勢すれば違ったかもしれない。しかし、それは無理な話。
コミニケーション能力なんてこいつらには無いのだ。オタだから。
それでも無言で守り、戦い、分け与え続けたんだろう。馬鹿達には意味は無かったけどな。
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「話、重過ぎなんですけど! 長いし! それで逃げてきたのか?」
延々と続きそうなオタ達の重い話と、愚痴と、文句と、悪口と、不満を遮り話の腰を折る。
ついでに、我が家の定番メニュー「異世界キノコの盛り合わせ、謎植物和え」を差し出す。
「今迄のは初日に起こった事の話で、逃げたのはその後の問題で……」
「大変なのはこの後ですよ、この後。マジ最悪ですよ。」
「いや、行き成り逃げたわけじゃないから、後、オタ達、オタ達って名前知ってるよね! クラスメイトだよね!」
「キノコ美味しい!!」
え~、まだ続くの重い話。どう考えてもそこから楽しい話への展開は無いだろ。
「名前ってオタだろう? オタA、B、C、Dだろ。ゴブだってゴブA、Bだったぞ」
まったく何を言っているのやら。
「いや、それ名前じゃ無いよね、なに? 種族名?」
「やめてー! ステータスがオタAとか本当に出たらどうするの?」
「って言うか魔物と同じ扱い!?」
「え!?、お前らオタA、B、Cじゃなかったの!?」
「「「お前もかっ!?」」」
まさかのオタDの裏切り。やはり話の続きにハッピーエンドは無いらしい。
「冗談は置いといて、遥君こっちに来てたんですか?」
冗談では無いのだが、そっとしておいてやろう。
「一緒に召喚されたんだが、こっち来るのに手間取ったんだ。来たら誰も居ないし」
おかげで「ぼっち」の称号が付きましたよ。
「遥君だけ逃げ延びたのかと思ったよ、凄い勢いで脱出してたし。」
「「「あれは凄かった」」」
えぇぇぇっ? 見てたの?
「お前ら、突然教室が真っ暗になって、床に魔方陣が現れて輝き出し、どんどん眩しくなってホワイトアウトしたと思ったら突然1人で白い部屋!! って言うあの状態で良く見てたなあ、お前達、落ち着き過ぎだろ」
マジでびっくりだだよ。
「いやあ、あー、これ異世界召喚だーっとか思ってたら、教室の真ん中から一瞬で後ろのドアを蹴飛ばして、窓に椅子投げつけたかと思ったら、ロッカー飛び越えて屋根裏に消えていけば普通びっくりするよっ」
うわぁ、マジ見られてる。
「そこは異世界召喚に驚こうぜ、普通」
THE・異世界召喚~って感じの演出だったじゃん、頑張ってたじゃん、見てやれよ、俺も見てないけど。
「いやいや、今まで漫画やアニメでも異世界召喚ものは相当見てきたけど、屋根裏から脱出する人始めて見たし」
「うん、あの手があったとは……」
「普通、ドアと窓であきらめるよねー」
「忍者みたいだった」
いや、お前が忍だから、職業的に。
そんなこんなを話しながら、順番に風呂に入らせ仮眠させる。
その後の話と、情報とこれからの計画。
その後の話は本気で最悪だった。
結局、オタ達だけで食料を集め、拠点を整備し、魔物と戦っていたらしい。
委員長や一部の生徒は協力してくれたらしいが、この四人の作業に付いていける筈も無く、馬鹿達は文句を言うだけで何も手伝わない。
挙句、もっと飯をもってこいの、テントが狭いの、暇だの言ってたらしい。暇なら働けよ、俺なんかこんなに働いてにーとなのに。
もっともオタ達は積極的にLv上げしていたらしい。戦闘の為も有るが、何より警戒したのは白い部屋で見たスキル「傀儡」と「魅了」。これを誰かが持っている、この為だ。
対処法はLvを上げてレジストする。耐性スキルを取る。そして見つけて封印する。
上位のスキルは発現させるのにスキルポイントが必要らしい、俺のは必要なかったから上位じゃ無いんだ、知ってたけど。
そうやって、鑑定のレベルを上げながら「傀儡」と「魅了」持ちを探したらしい。まあ、50Pしかない中の30Pを使ってそれを取るって言うことは確信犯だろう。
どうやらまだ発現してないスキルは鑑定できないのか、鑑定Lvが足りないのか全員のステータスには無かった。隠蔽されているの可能性も有るがLv差が有れば見えるはずなのにだ。
「俺が最後だったのは間違い無いんだが、そんな凄そうな物は残って無かったぞ。しょぼいのと罰ゲームみたいのしか」
しかも勝手に罰ゲームを全部強制で付けられましたとさ。
「僕達も直ぐにスキルを見せてもらったんだけど、既に取られた後だったよ」
「「あの罰ゲームは凄かった! あれ一つで詰むよ」」
うん、こいつ等の事だ。神様が説明を始めたのをスキップさせてスキルを確認したに違いない。
と、言うことは問題の誰かは白い部屋に行って直ぐに「傀儡」か「魅了」を要求したのだろう。
確実に狙ってるなー、支配者狙いか、強制ハーレムか、どっちもだろうな。
あと、詰むって言うな! 一つで詰むとか言うな! 全部持ってるぞ! その後更に一個増えたぞ! 泣くぞっ!
「あがりましたー。なにあのお風呂! 猫脚バスタブ?」
「美少女奴隷のいない風呂なんて只の風呂、、、」
「只のお風呂だ。さっさと入れ、寧ろ沈め」
その後もオタ達が交代しながら寝たり、起きたら続きを聞かせて貰ったり、眠い、話し長い。
7日目終了
誤字ぺったんさせて頂きました、いつもありがとうございますm(_ _)m