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元の世界の人間なんてみんなそんな感じなんだろう、多分?


29日目?  最果ての迷宮 95F  



 良かった。良かったよ、、。


 何とか第一部完は逃れたようだ。勝手に「白銀の騎士」も始まらない様だ、前を歩いてる。まあ、俺の出番は無いかも知れないが、、、無い気がするよ、、、そのうち、黒マントの男Aとかになってそうだ。


 94Fへ階段を上って行く。


 もちろん、先導はスケルトン委員長。マントを着せたので目のやり場にも困らない、と思って安心していたがマントは旗めく、するとチラッと見える、、、甲冑が。何故見てしまうのだろう?変な属性とか付いちゃった?甲冑フェチとか?新しいジャンルだ!開拓はしない!


 大体、鎧のシルエットがグラマラス過ぎるよ?そこまでフィット感とかストレッチ感を求めなくても良くない?中身は骸骨のはずなのに何で肉感的なのか?どうして鎧にストレッチ感があるのか?迷宮の謎がまた一つ増えてしまった様だ。


 焚火を始める、大量に生木も混ぜる、麻痺茸も混ぜておこう、煙もうもうだ。それを風魔法で94Fにたっぷりと流し込む。


 94Fの魔物は「アサシン・タランチュラ Lv94」、94階で正解だったようだ。


 蜘蛛さんだ。しかも暗殺者だ。


 何かとか言わないだろう。言ったら逃げる。


 蜘蛛は蜘蛛なのだろう?


 このアサシン・タランチュラさん達は全く気配察知に引っ掛からない、何処にいるのか見つけられない、その癖うじゃうじゃいて全員が「即死毒」持ちだ、危ないよ!


 なので燻してみた。


 アサシン・タランチュラさん達はみんな地面に落ちて引っ繰り返り、ピクピク痙攣している。ジト目甲冑委員長は黙々とジト目で止めを刺し、俺はモクモクと燻して行く。


 だって死角から延々と即死毒持ちの蜘蛛さん達に飛びかかられ群がられるとか死んじやうよ?絶対に?仕方なくない?


 蜘蛛の巣を燃やしながら進むと階段が見えた、次は93Fかー?今何時なんだろう?って言うか何日?そろそろ限界?休憩か仮眠が必要だろう、ジト目甲冑委員長は睡眠必要なのだろうか?


 「んっ?何かある?、、、」


 迷路の端に隠し部屋?しっかりと燻してから開けてみると、


 「おおぉっ!やっと宝箱!この中に好感度が?」


 横には、「ジェノサイド・タランチュラ Lv94」がピクピクしている?でかいなー?まあいいか。


 「宝箱だ、宝箱だ、やっと宝箱だよっ!」


 だが中身は好感度でもフェロモンの指輪でもなかったよ。


 俺がこの迷宮にやって来た意味はなくなってしまった。


 「マジックキー Lv Max Lv以下の鍵を開ける事が出来る」、Lv Max以下ならMaxを含むのだから何でも開けれるのではないだろうか?Lv Maxより上があるんだろうか?まあこれで鍵のある宝箱でも開けられるだろう。何でも開ける鍵を手に入れたというのに俺の大人への扉はいったいいつになったら開くんだろう?扉すら表れてないような気がするんだが?このままだと鍵があっても錆びついて開かなくなりそうだ。


 お次は93Fかー、なかなか進まないなー、ちょっと覗いてみようかと天井に覗き穴を開ける。


 んーと、「スケルトン・パラディン Lv93」スケルトンかー、ジト目甲冑委員長の同業者だ、


 「なんか?この上?スケルトンみたいだけど大丈夫?友達とかいない?親戚とか?」


 ジト目甲冑委員長はジト目で見つめてくる。友達とか親戚はいないらしい、ぼっちなの?まあ、ならば狩るだけだ、問題はスケルトン・パラディン。スケルトンは闇属性なのにパラディン、つまり聖騎士だ神聖属性が効かないんだろう。まあ、焼けば良いのかも知れないし?骨まで?


 取り敢えず、一体ご案内してみよう。


 「ガシャン!」


 残念な子だった様だ。スケルトンでパラディンなのだ「神聖耐性」も「刺突斬撃耐性」も持ってるんだが、衝撃耐性がない。落下の衝撃で首が取れて死んでしまう。

 

 落とすだけで良いみたいだ、面倒くさいからいっぺんに落とす。


「ドガガガガゴガガグシャゴガガベキガガガグガガドガガガッガガッドゴッ!」


 全滅みたいだ。首が取れて暫く経つと魔石になり消えていく。


 93Fは早かった。全部これでいいなら早くて良いのだが。ジト目魔石回収係さんは何か言いたそうだけれど、喋れないから問題ない。


 93Fに上がると92Fの偵察、と言うか覗き見。まあ、結局穴を開ける。


 泳いでる?、「スカイ・シャーク Lv92」、、、鮫らしい?スカイと言う位だから空中遊泳するんだろう?でも、鮫?


 天井に穴を開けて突き捲くる。

 

 「うらららららららららららっうらうらら?」


 銛じゃなくて、樹の杖?だけど伸ばして突き捲くる。結構大変だ。雷魔法で杖に雷撃をまとわせてひたすらに突く。


 鮫よ残念だったな、この世界で鮫が空中を泳ぎながら現れればパニック必至だろう、だが、俺達のいた世界ではジョーズは倒されるものなのだ、毎回毎回、時には電撃を喰らい、時には銛で突かれ、またある時はライフルで撃たれ、爆雷を投げ込まれ、水中銃で撃たれまくる、挙句に船に轢かれる、そんな鮫には恐ろしい世界からやって来たんだよ。もう、元の世界の人間なんてみんな鮫見たら「ひゃっは~」とか言いながら襲い掛かるレベルなんだよ、多分?


 「やったか?」


 返事はない。


 「勝ったな。」


 ああも無い。


 よしっ、全滅している、上がろう。


 ジト目甲冑委員長はため息をついている様だ、スケルトンなのに?肺もないだろうに?ため息どころか息もしていないはずなのに?


 それでも良い事なんだろう、あんな地の底で一人暗闇の中にいるよりもちょっとくらい人間臭い方がずっと良い。まあ、生き生きしてるスケルトンは珍しいかも知れないが。


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