お迎えに行くって落とし穴からオタや莫迦達、宅配してくれればいいのに?
29日目 朝 宿屋 白い変人
帰ってこなかった。そんなにすぐ帰って来る訳が無いんだけど、、、、、帰って来ないと不安なんだよ、みんな。
いつも、いつも、いつも、一人で危ないことするから。
「「落ちたから、上がってきた?みたいな?」とか言って帰ってきそうだよねー?」
「「「「ありえる。」」」」
でも、夜になっても帰ってこなかった。
「また夜中に門を越えて、門番さんに捕まってそう?」
「「「「やってそう。」」」」
でも、夜中になっても帰ってこなかった。
「「オタ達のせいで寝る暇もなかったよ!」とか切れて帰って来そう?」
「「「「八つ当たりそう。」」」」
でも、朝になっても帰ってこなかった。
お迎えに行こうか?って、軽口を叩きながらダンジョンに潜る。
「今47Fだっけ?まだ居ないねー?」
「何階まで有るんだろうねー?」
ぼやきながら降りていく。
「最高踏破階が43Fだったよねー?もう、地図が無いから面倒だよね、探索が、、。」
「50Fならすぐなんだけど?100Fとかだったら、、、お泊り?」
愚痴りながら降りて行く。
遥君がいる所まで。
島崎さん達の使役は切れていない。
つまり遥君は無事だ。
降りていけば。
何処までも降りていけば。
其処に遥君はいる。
だから、みんな口では色々言いながら、
ひたすらに、迷宮を踏破する。
既に魔物はLv40以上、楽には行けない。
でも、何事も無いように戦い続ける。
きっと遥君は一人で上がってきてる。
Lv47の今でも魔物はとんでもなく強い、1パーティでは勝てなくなってる。
でも遥君は、階層が、Lvが、100を超えてるかもしれない所でたった一人で戦ってるんだ。
だからせめて私たちの行ける所まで、お迎えに行くんだ。
この先に、遥君がいるから。
魔物がどれほど強くて、沢山いても。
その先に、遥君がいるから。
遥君が生きててくれて、まだ戦ってる。きっと戦ってる。
遥君がいてくれるなら、何処までだって行く。
みんなそう思ってる、誰も休憩すらしようとしないんだから。
100Fでも、1000Fでも関係ない。
其処まで。辿り着けるまで何処までも行く。