それは異世界の治水管理の問題だよね?
28日目 朝 宿屋 白い変人 会議
もう、遥君はお出かけした。
会議を急がないと、緊急決議だ。
「って言う事で、遥君の狙いは フェロモンの指輪で間違いないよっ、異性の好感度を上げる、、、かも知れない指輪!って言う訳で、ダンジョン壊そう!」
「「「、、、異議なし!!」」」
決定した。ダンジョンは取り壊しだ、全員一致だ、満場一致だ、異論は赦さない!
「いや、壊しちゃ駄目だよっ。」
「怒られるから!ギルドからも、街からも怒られるから!」
「えっ?何で指輪でダンジョン破壊しちゃうの?」
ちっ!普段は会議になんて全然参加しない小田君達が反対してきた。
「あー。そういえば、前に遥君が悪い事して無いのに怒られるのは、異性の好感度が足りないからだって言ってたよ、確か。」
あれだけ怒られてもどうして、悪い事して無いと信じられるのだろう?何故其れが異性の好感度になるんだろう?
大体これ以上好感度を上げて何をしようとしているの?
ハーレムでも作る気なの?
いや、其れは無い。
だって、女子20人とハーレム状態の洞窟から逃出して、テントで一人暮らししてたのだから。
テントで私が接近すると、壁際に追い詰められていたし、、、。
なにより、すでに5人使役しちゃってるのだ、命令できるんだよ?何でも?美人の女子高生に?でも、何もしない、何にもして無い、何もする気が無い、未だ名前も覚える気も無い、覚えてない。
何がしたいんだろう?
何の為に?、、、必要?
もしかして、まさか本当に、真剣に、真面目に、異性の好感度が足りないから怒られていると思っている!?
思ってそうだ、思ってるに違いない!「俺、悪く無いのに?」とか思ってそうだ、きっと、「怒られるから?指輪取って来る?みたいな?」とか言いそうだ!どうしてあれだけみんなを心配させて、あれだけみんなを泣かせて、あれだけみんなを絶望させて、それでいつも普通な顔をして帰ってきて、またみんなを大泣きさせて、何で怒られないと思うのよっ!!
取り合えず、いかがわしい事はしないだろう。
間違いなく、疾しい事は無いだろう。
だけど、遥君に持たせると危険だ。危険が危うい。
もう、全員が使役される危険すらある。
あれは、使役されたんじゃなく、自ら使役されちゃうのだ。
実際、もうみんなが信者みたいなものだから、、、、みんな、遥君を信じて今まで生きてきたから。
この状態で好感度上げたりしたら大変な事になる。
駄目だ。持たせたら絶対危ない。
おそらく、その危険に本人が気付いて無いのが危ない。
遥君がいなくなってた間のみんなを、遥君は知らないから。
遥君が帰ってきた日の夜のみんなを、遥君は知らないから。
この宿屋さんも、この街も、みんなの涙で水没の危機だったって知らないから。
あのまま遥君がいなくなったなら、私達の涙でこの世界だって水没してたんだから。