門が閉まってるからこっそり入ってるのに門番が居て怒るとか職務怠慢だ。
まったくがっかりした。
この天才君の計算した確率論を掻い潜って、能力を使い切らせるまで足止めする。
確率的に不可能だがギリギリ可能だ。
向こうの取って置きを無効化したのだ。
後は、やつがスキルを一気に使い俺を100%殺しきるしかない。そしてチートスキルを全て使い切れば、それでもう委員長には勝てない。
俺は死ぬが、奴は詰みだ。
俺を殺しつくせるだけの充分なチートを奪い、持っているはずなのに、運を無視できるだけの100%の殺せる物量を持っているのに。
それを、全てを使わないと殺されない、全てを使い切らせるまで戦うだけだ。
と、思っていたのに。がっかりしたよ。
「え~と?山本君?もういいや、君にはがっかりしたし?」
「誰が山本だ!さっきまで名前呼んでたろう!」
あれっ?違ったらしい。まあ、もう、興味が無いからどうでも良い。
「まったく、脇役同士の潰しあいなのに欲を掻くから、脇役にすらなれない。俺達が主役な訳ないだろう?最初から読めることだ、これが山川君の最後の見せ場なのに出し惜しみするから、脇役にすらなれない、名も無い級友君だ、さようならだ」
死ぬ準備をし、使い切らせようと警戒してたのに、この莫迦、チートクラスの武術やスキルを無効にしてるよ、出し惜しみだよ。即死と異常状態だけで良いと思ったの?回数制限が勿体無いからねー、剣術MaXとか槍術 極みとか完全回避とか減ると勿体無いもんねー、、、、勘違いしすぎだよ、自分の事を主役だと勘違いしていたのだろう、馬鹿過ぎる。
「さよなら、川本君?」
半歩だけ前に出て斬殺する。あー、俺は人殺しかー、誰か知らないけど?。
あっ!?、、、、、、、、、、、、、、、うわああ~、「莫迦でごめん」とか、遺言しちゃったよ。どうしよー?
24日目 深夜 オムイの街
みんな疲れ果てて眠りに付いた。泣きながら、喚きながら、どうして良いか解らずに、何も出来ずに。
もう、明日の事も考えられずに、、。
もう無理だ、一人で行く。
もう、委員長なんかじゃなくて良い。
みんなは連れて行けない。
勝ち目なんか無い。
遥君の所に行きたいだけ。
只、側で死ぬだけで良い。
私のスキルが、強奪が狙いなんだ。
だから、殺される前に死ぬ。
自分で自分を殺す。
そうしたら、奪えない。
そうしてたら、遥君は死ななくて良い。
だから、教えてくれなかった。
だから、連れて行ってくれなかった。
もう、間に合わないかも知れない。
だけど、其処に行くね。
遥君の側で。
あの洞窟で。
それだけでも良い。
部屋をコッソリと出て、食堂を通る。
いつもみんなで大騒ぎしてた。
いつも遥君がお説教されてた。
宿の扉をくぐる。
名前を見た時は、遥君がギルドを燃やそうとしてみんなで止めた。
毎日が大騒動だった、、。
街の門をくぐる。
何時も遥君が怒られてた。
みんな笑いながら怒ってた。
今も、遥君が怒られてる。
まったく、こんな夜中に入ろうとするから、、、、、えぇええええええええーっ!?
「ただいま?みたいな?感じ?、、、的な?」
もう、、、どうして良いか判らない、何って言って良いか解らない、何が起こってるのかも分からない、でも、遥君がいる、帰って来てくれた、うん、、、取り合えず、お説教だ!
やっぱりみんなで大騒ぎになった。
やっぱり遥君がお説教された。
やっぱり大騒動だった
やっぱり遥君が怒られた。
やっぱりみんな笑いながら怒ってた。
おかえりなさい。