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宿の部屋から夜になんか聞こえるのは、出るんじゃないって言ったらおこられた。

24日目   朝  ダンジョン


 兎にも角にも戦い続ける、何はなくとも戦い続ける、何はともあれ戦い続ける、ともあれかくもあれLvを1つでも上げる、それが、それだけが、遥君の望んだ事だから。何もしてあげられないのに、何もしてあげていないのに、望まれた事までしてない何て言える訳が無い。


 「はあーっ、はあーっ、ふーーっ、」


 「、、、ラマーズ法?」


 誰の子よ!?小田君達がLvを上げた場所、最も効率的に美味しい場所、この世界にある謎、迷宮。


 この世界でも何故こんな物があるのか判っていない、が、小田君達はお約束だからと何故か納得している。


 解る必要なんて無い、どうせ私達は何も解らない、ただ強くならなきゃいけない事しか解らない、みんな解りたくないのに着いて来てくれた、ただそれが遥君の望みだから。


 「何でこの蛇急に出て来るのよ!なにニョロニョロしてるの!」


 「こんな風に、気配察知に掛からない魔物も居るから、常に警戒してね」


 小田君達の指導を受けながら、戦い、話し合い、また戦う。


 「先頭交代、えーと、トライアングル+ワンで、雷壁は禁止でっ」


 「「「「え~っ」」」」


 休憩中はスキルの講義を受け、ステータスを調整する、自分の戦い方に最適化するようにSPをアクチベーションし、新しいスキルを習得する、まるで見て来たかのように、至極当たり前のように、立て板に水の如く小田君達の指導が続く。この人達、本当に日本に居たの?何でそんなに詳しいの?遥君の言ってた、あいつ等は「異世界行ったら本気出す」は、本気だったらしい。


 1Fはゴブ、楽勝だ。


 2Fはコボ、敵じゃない。


 3Fはグリーンウルフ、面倒なだけ。


 4Fは、、、4Fは、なんか、虫、、、でっかいタガメが立ち上がって迫ってくる、、、。レトケルスだ、旧名だ。


 普段なら、大騒ぎだろう、悲鳴を上げて大混乱だろう、、、でも、淡々と倒す。気持ち悪い、、、グロイ、、、触りたくない、、、切ったら、なんか、汁噴出するし、、、でも、淡々と倒す。強くない。気持ち悪いだけだ。こんな相手で私達は死なない。死ぬような戦いじゃない。死の覚悟なんていらない。それなのにこんな戦いで怯んで言い訳が無い、怯めない、赦されない。


 5Fは、オーク、、、、に八つ当たりだ。本当にグロかったよ、、、。


 今は6F、グリーンスネーク、気配察知を掻い潜って奇襲して来る。でも、問題ない。もう、私達はそんなに弱くない。襲ってくれば倒すだけだ。


 7Fの階段まであと少し、今日の目標は20F、無理とか、無茶とか関係ない。ただ、目指す。私達にはこんな事しか出来ないんだから。


 大丈夫、みんな平気な顔を振舞ってる。


       ・

       ・

       ・


 そろそろ引き返す時間だ、17F迄しか来れなかった、経験値的には12Fから24Fまで大差は無いらしいので、Lv上げの目的としては問題ない。ただ、みんな魔物に、この世界に八つ当たりしているだけだから。


 「この階の、かまきりも問題なさそ-だねーっ」


 17Fも虫だった、汁も噴出する、でもアレよりましだ、アレは、、、Gにしか見えない!走って来ないでよっ!立ち上がらないでよっ!


 「じゃあ、時間過ぎてるし引き返します。先頭を交代して2チームで掃討戦で。」


 「はーい」「了解」「OK!」「分った」「私どっち?」「右グループは、こっちだよーっ」「どっち?」「あっち?」「そっち!」「あ~!」「右ってどっち?」「早く、早く」「うん」、、、。


 大丈夫、みんな平気な顔で振舞ってる。 


 もうすぐ、レベルは50になる、島崎さん達は60を超えた、2,3日で小田君達のレベルまで行ける筈。


 何の為に強くなるかなんて誰も解らないのに、只ひたすら強くなる、強くならなくちゃいけないから、、、、、これで、これで良いんだよね?


 大丈夫、みんな平気な顔に振舞えてる。 



 夜には、どの部屋からも泣き声しか聞こえなくても。




24日目  



 うん、ゴブもコボもお魚も茸も大量だった。


 やっぱり、歩くだな。これしか、これだけしか意味無いだろう。


 流石にLvアップは無かったが、新しいスキルも取れた。


 きっと無駄だが、有意義だろう。


 スキルLvもいくつか上がった。


 何の意味も無いが、脅威だろう。


 てっきり、なんちゃって達を操って後ろから遣ってくると思っていたが。


 莫迦達が強すぎたのだろう、ならばお客様は一人だけ。


 もう森には何も残ってない、此処を通るだけ。


 もう、噛み合わない噛み合わせの組み合わせの組み立てを始めているのだろう。


 だから、組み立たない様に、組み合わせ、噛みあわない様に、噛みあわせる。


 壊して台無しにする、緻密に積み上げられた致命的な一欠けらだけを引き抜く。


 そろそろだろう。お出迎えが必要かな?


 お招きしてないし、お出迎えない。


 来たければ来れば良い、来たくなくても来るんだから。


 お魚美味しい、肉もまだある。


 御もてなしは無いけど、お返しはする。


 もう、夜も遅い。


 お食事も、お風呂も済んだ。


 今日も良い一日だった。


       ・

       ・

       ・


 だが、


 今日が最悪だった、


 「おひさー、田中君。ずいぶん遅かったね~?きっともう一切合財手遅れだと思うよ?何しに来たの?」


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