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良い人ランキングの一位は何で選んだのか?



23日目   朝     宿屋 白い変人


 朝、起こしにいくと遥君がいない、いなくなっている。荷物も無い、有るのは置手紙が一枚だけ。何の言葉も無くいなくなった。


 「やっぱりいないよ、、、多分、昨日の夜からだと思う、、、なんで、、、何にも言ってくれないの、、。」


 書置きには、「莫迦を見て来る、ここで待ってて」、つまり、森に戻ってる、、、そして、「待ってて」それは帰ってくるっていう事じゃない、遥君の事を書くならここに「帰る」って書く、戻って来るのは、、、じゃあ戻って来ないのは?こんなに短い手紙じゃ解らない、ちゃんと言ってくれないと解らない、きっと言ってくれても解らない。解りたくない。


 「森に、、、洞窟に行こう!」


 「だって、、、でも、、遥君は待ってろって、、、」


 「行かないと駄目だよ。また、私達は見捨てることになるよ、」


 「私達が行って戦えるの?人と?同級生と?」


 「戦えます、、。相手が、、男子でも、怖くても、戦うから、、遥君を助けないと、、、」


 「戦えなくてもいいから、行こうよ、、、遥君にだけ、、そんなの、、、」


 「駄目!絶対駄目!待ってろって書いてあるでしょ。せっかく助けて貰ったのに死ぬの?そんなの赦さない!!」


 「だって、、、島崎ちゃん達行く気でしょ!自分達だけ、、自分達だけで、、、」


 「私は、私達はいいの!使役されてるんだから!!使役されたんだから!!だから、私達はいいのよ!!」


 「駄目だよーっ、島崎ちゃんもみんなもー、どうして、待ってろって言われたのか解ってるよねー?行って良いのは、人を殺せる人だけなんだよー」


 「でも!だって!遥君が、、一人で、、、」


 「犠牲を増やしたくないからと言っても、その本人が犠牲になりかねない。」


   ・

   ・

   ・


 「「「「ただいまー、看板娘ちゃん!お土産あるよーっ、、、、あれっ?委員長?」」」」


 小田君達が帰ってきた、、、。


 阿鼻叫喚の大騒ぎだ、大騒動だ、大事だ、みんなの話しが支離滅裂だ、内容も目茶苦茶だ、順番も不統一で無秩序だ、狂瀾怒濤の話し合い、天地無用の七転八倒の千荊万棘だ、これだ、これが遥君の言っていた、小田君達の空気読まない才能だ、、、、。


 取り合えず、島崎さん達が泣きながら謝罪し、感謝を伝え、頭を下げると、そのまま森に向かおうとするのを慌てて取り押さえ、いつの間にか完全武装で出発しようとしている体育会系女子達も取り押さえ、何故か?何時の間にか?門を出ようとしている副委員長Bさんを引き摺り戻す、と、そ知らぬ顔で走って出て行こうとする小田君達を足止めし、とにかく、方針と計画だけでも決めようと、全員を座らせる、頭は大混乱だが、とにかく、仕切る。


 「あれーっ?」


 「「あれーっ?」じゃない!何で一人で行こうとしてるのよっ?」


 「え~?だって、「行って良いのは、人を殺せる人だけなんだよーっ」て、言ったよーっ?」


 「「「、、、言ってたねー。」」」


 どうして、この娘が学校の「良い人」ランキングで一位なんだろう?胸なの?胸で選んだの?それ、何が良いの!?


 「島崎さん達も落ち着いて、みんな仲間なんだよ」


 「お願い!私達は行かなきゃいけないの!!私達が、生きて、小田君達に会えて、謝って、ありがとうって言えたの!!だから、、、だから、あいつに、、今度はあいつに、、お願い!行かせて下さい。私達は殺せるから!!私達なら殺せるから!!」


 島崎さん達は既にLvが突出している、本当に強い。何故なら使役者に経験値分配されているから。ならば遥君は一人で戦い続けている、一人で、、、。確かに島崎さん達なら相手が強くても充分戦える、そして遥君の為なら、遥君の命を守る為なら躊躇無く同級生を殺せるだろう。殺すだろう。以前、遥君が「狂信者みたいな目でこっち見てて怖かった」って言ってたけれど、みたいなじゃなくて島崎さん達は遥君の信者なの、狂おしいほどの感謝を捧げているの、勝手に使役されるほどの感謝を、、、祈りも、願いも、救いも与えられなかった世界で、それを与えてくれた遥君だけを信じているの。


 そして、それは女子全員、いや、小田君達も一緒だろう。みんな遥君の為なら戦えるし、殺せる覚悟もある。それは覚悟だけなのかもしれないが、その覚悟が必要な時点で駄目なのかもしれないが、それでも、殺す覚悟と、殺される覚悟を持って、遥君の所へ行こうとしている。


 「それでも待ってて、って言うのは、どんな理由だと思う?」


 空気を読まず話し合いにも参加せずコソコソと森に向かおうとする小田君達を押さえつけながら、話し合う。


 「足手纏い?」「邪魔?」「私達に人殺しをさせたくない?」「私達を殺させたくない?」「信用されてない?」「弱いから?」「いなくて言いと思われてる?」「お荷物?」「遥君が一番気にしているのは、人質に取られる事でしょう。」


 「「「「いやー、だから僕達なら大丈夫だからっ、Lvも70超えたし、武装も出来てるから」」」」


 小田君達は空気読まずにLv70を超えてしまったらしい、空気も読まずのLv上げしまくっていたのだろう。ギルド長がこの世界で最も強い化け物と呼ばれる人でLv100越え、ステータス補正のある異世界人の私達のLv70なら互角以上、チートも有るので異世界最強だろう。


 それでも、最も強い化け物と呼ばれる人でやっと一人でビックグリーンウルフを倒せるらしい、遥君が轢き殺してしまい、この世界に集団狼身事故と言う謎の言葉を作ってしまった時の中の一っ匹でしかないビックグリーンウルフをだ。その遥君が置いていくって事は、、、、、。


 「此処で身を守れ、って言う事なんだろうね。」


 「でしょうね、敵が何組いるか解らないのだし」


 小田君の答えに、図書委員ちゃんが補足する、そう言う事なのだろう、有る意味この2人は元の世界で遥君と最も言葉を交わしていたのだから。そして、だから、ギルドで買い取り出来るはずも無いような量の魔石を出してコネをつくり、偶然、領主の娘を助け、次の日には領主を助けた、街を出ないはずの遥君が偶然助けた、そして、町の全てにコネが出来た、コネクションが作り上げられた。今では、私達以外の黒髪黒目の人を見かけたら、直ぐに情報が届くようになっている、冒険者も兵士も皆が見張っているこの街の中が最も安全なのだろう。


 「「「「で、皆を止めて置いて、何で委員長だけ最初から完全武装なの?」」」」



 怒られた。?何で私?あれ?


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