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本当に果てしなく何処までも果てしない無限に莫迦より莫迦だった。

22日目   夜    森



 なぜか森に入ってすぐにオークに出くわす、お久ー? 「ボクッ!」


 普通は森の中でも上流の奥地の方にしか居ないのに何でこんなとこに居るんだろう?まさか、魔物の間でも何とかの街は大人気とか言っちゃったから、その気になったオークが出て来たんだろうか?まあ、この間の偽盗賊もオーク見たいな顔をしていたのだから、オークが行っても問題ないのかもしれない、まあ、すでに撲殺されているので街にはいけないだろう。可哀相に。


 いや、行けなくて幸せだったのかも知れない、街の暮らしは厳しい。お金が無いと何も出来ない、だがお金になるような仕事は無い、なんとか石に噛り付くようにしてお金を貯めても没収される、過酷なのだ、残酷なのだ、街というものは。俺も酷い目に合った。そして毎日怒られた。


 相変わらず森の中はゴブゴブコボコボしているが、ちょいちょいオークがいる、物見遊山?やっぱり大人気なの?


 しかし、いつのまにかLvも上がって無いのにオークが弱い?


 街の怪しい行商で買った装備は思っていたより効果が有ったのではないだろうか?800万エレ無くなったけどそれだけの価値が有ったのではないだろうか?「フェロモンの指輪」だって、効果が有ったかもしれない。


 もう、正面から普通に戦って問題ないだろう。油断は禁物だが、速度を落としてまで隠れる必要は無いだろう。


 だいたい、魔物にもLvの壁はあるのだ。でも、Lv10以上と普通に戦っていた。問題なかった。


 たしかに、後ろからこっそりと撲殺と言うのが多かったから打ち合ったりは余りしていない。ウエポンスキルを受けていないだけかもしれない。


 あいつら、「グオォォ」とか「グアァァ」とかしか言わないから、ウエポンスキルかどうか解らない。


 でも、思い出せばゴブでもLv10以上のゴブとは打ち合い負けていた、だから強襲していたのだが、俺の方がPoWは高いのに打ち合い負けていた。


 あれはウエポンスキルだったのかもしれない?だとしたら其処までLvの壁は決定的ではない?


 偽盗賊のウエポンスキルも、殆どかわしてしまったが、樹の杖?で受けるのは問題なかった。


 ただ、あれは怪しい行商で買った「宿り木の蔦 木の棒、杖の強化 ? ? ? ?」の効果だろう、樹の杖?と併せると勝手に巻きつき、「宿り木の蔦 木の棒、杖の強化 魔技吸収 ? ? ?」になっていた、おそらく、魔技吸収でウエポンスキルを吸収したのではないだろうか?普通、間違いなく死ぬとまで言われるほどの問題なのだから、あんなにちょろい筈がないのだ。


 「宿り木の蔦」と「樹の杖?」と、どっちの能力かは解らないが直撃を受けなければ、樹の杖?で受ける事が出来れば、凌ぎ切るだけならば可能かもしれない。


 あの面倒くさい、碌な事しない、馬鹿だから反省しない、屑だから成長しない、なんちゃって不良達も、誰が敵なのかもわからない一般男子も、どちらも少なく見積もってもLv10は越えている筈だ。


 おそらくLv20以上はあるだろう、最悪Lv30越えも有り得るだろう。ステータスの成長も委員長達と同じ位とすれば、異世界人よりかなり強い、そして、チートを持っているのだ、Lvの壁所かステータスやスキルも負けている可能性が高い。


 森の中で生き延びられているのならば、そう言う事だ。死んでいるなら問題ない。


 それを、森の外に出せばやばいのだ。


 あいつ等を森から出すと、オタ達と女子だけの問題では無いだろう、異世界の住人にも危険なのだ。


 そして、あいつ等が異世界で何かやらかせば、こっちもヤバイのだ。異世界の街には黒髪も、黒目もいなかった、あいつ等が何かすれば仲間、もしくは関係者とみなされる危険があるのだ、そして、断言しても良いがあいつ等は碌な事をしない。


 できれば、オタ達と脳筋莫迦達で女子のサポートをして貰いたかったのだが、どちらもいない。


 街を離れるのも、洞窟の側を離れるのも、どっちもヤバイが洞窟の前を通らずにあの街に行くのなら十日以上は掛かるだろう。


 なら、洞窟前を通さなければ、少なくとも時間は稼げる、その間に委員長達もLvを上げるだろう、冒険者ギルドもバックに付いている、街の領主にも顔つなぎしたし恩も売った、無碍にはしないだろう。その間に、オタ達も帰ってくれば充分な強化だろう、おそらく、オタ達はこの世界最強だろう、オタオタしていたが、もう強くなっているだろう、委員長も他にも強い娘がいる。時間が稼げればいい、その後の事はその後の事だ。


 卑怯さとか卑劣さや残虐さがあいつらの強みだ、委員長達がどれほど強くなっても、オタ達が世界最強になっても危険だ。


 卑怯さとか卑劣さや残虐さで勝負できるのは俺だけだろう、何せ名前も知らない相手だ。同じ教室にいた名も知らぬ誰かだ。


 Lvでも、スキルでも、ステータスでも、装備でも負けている、だが、装備は街で買えるだけ買って強化した、チート武器相手に何処までやれるか解らないが、遣れるだけ遣った、強くはなっている、Lvもスキルもステータスもどうしようもないが、ならば他で対抗するしかない、運だけは絶対勝ってる、無駄に圧倒的に勝っている、発揮されている気はしないのだが?


 結局、勝ちの目は、技とか判断力とかを鍛えるしかないだろう、ならば森に居たほうがいい。


 殺せれば問題は解決だし、勝てれば問題ない、引き分けでも全然良いのだ、時間はこっちの味方だ。

 

 そして、もし、万が一、何かの間違いで、有り得ないんだけど、俺が負ければ、俺は死ぬ、俺が死ねば、オタ達も委員長達も躊躇いは無くなる、それならば勝てる、殺せる。そうなって欲しくないんだが、生きるほうが大切だ、たぶんきっと。


 ならば、勝ちの目は、俺が戦う以外ないのだ、最初からの予定通りで、予想通りだ。


 まあ、あいつ等が森から出てこないか、どっか他所に行けば一番楽だし、お互い平穏なのだが、そんな事を期待出来ないし、期待して街にいれば脳筋莫迦達がヤバイ。


 莫迦も、馬鹿も、屑も森から出て来ない。


 ならば莫迦が止めているのだろう、どうせオタ達や委員長達を信用出来ずに見捨てたから、どうせ莫迦だからその借りを返すとか言って森に止まり、森に留めているのだろう。そんな莫迦な理由だろう、だから莫迦なのだ。


 卑怯さとか卑劣さや残虐さで勝負できるのは俺だけなのだから。


 ならば、当然、莫迦達には無理という事だ。


 とにかく少しでも強くなるしかないだろう、一匹でも多く狩る、運がよければLv10に成るかもしれない。


 もう、樹の杖?は、なんだか訳が解らない武器になってしまっているが、杖術で扱えている。


 振れば届くのだ、距離は関係ない。


 ならば、敵の数が多くとも、それより速ければ問題ない。


 100匹の敵の一撃は、1000の手数で返せば良いし、


 100匹の敵の突撃は、1000の魔法で凌げば良いし、


 対人戦なら、兵隊さん達と充分やった。


 只速く進み、只速く撃ち、只速く躱し、只々、速く、全ての敵達より速く、只速く。



 洞窟に着いたのは、夜中になってしまった。


 此処まで、森の中にいた魔物は全滅だ、茸も沢山育つだろう。


 こんだけ殺ってLv上がらないとか、無理ゲー過ぎるだろう。


 一応試したい事は全部試せたし、確かめたい事は全部確かめた、だからこれが俺の全部だろう。



 「おひさー、ボロボロだなー、莫迦莫迦な上にボロボロとかもう良い所一つも無いよなー、、、、生きてるか?」


 洞窟の前に、もたれ掛かっているボロボロの莫迦に浴びせるようにポーションを掛けるまくる、最上級品だ。


 雑貨屋のお姉さんが腕が捥げても生えるレベルの最上級品と太鼓判を押してくれた一品だ、回復どころか再生しちゃうレベルの超特上品だ。


 ならば、本当に生えるのだろう、切られた腕も、潰された目も、捥げた足も、抉られた体も、ボロボロの傷だらけの身体全部、実験したから間違い無い筈だ、禿げてはいないから元通りの身体に戻るだろう、本当に莫迦過ぎる。


 「「「「「おー、遥ー、元気かー」」」」


 ほんとに莫迦だった。


 「人の元気心配してる場合か?莫迦なのか?無理せずに街まで引けって言ったよなー?何でそんなに莫迦なの?」


 「いやー、一回見捨ててるのに、自分の身も捨てずに撤退とか、、、。」


 「だって、遥が此処に戻ってくるなら、此処に居たほうがいいんじゃね?」


 「いやー、茸サンキューな、あれ無かったら死んでたわ」


 「まあ、何とかなるかと思ってたら、何とかなったんだし?」


 果てしなく莫迦だ。


 「何とかならなかったら死んでねー?あんだけの回復薬で回復しきれないまで遣るか、普通?此処に居なくても街に知らせれば良いだろ、常識的に、大体身も捨てたら死んじまうだろがーっ!この莫迦共!」


 何処までも馬鹿だ。


 「「「「「え~っ」」」」」


 「え~、じゃねーよ、なんで腕もげるまで戦ってんだよ?何で足捥がれるまで粘るんだよ?何で目潰されるまで逃げないんだよ?何で腕切られてんのに槍括り付けてるんだよ?何で身体に穴空いてんのに戦おうとしてんだよ?どんだけ莫迦なの?」


 果てしない莫迦だった。


 「もう、お前等が無限に莫迦なのは解ったから、黙ってろ、んで、少し寝ろ」


 無限に莫迦だった。こうなる前に戻らなかったなんて、誰も森から出て来ない時点で解るべきだったのに、こいつ等がこういう奴だと解っていたのに。どうやら俺は莫迦達より莫迦だった。


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