6巻出版御礼SS 原価0円で、しかも奥様に「おねえちゃん」はプライスレスな越後屋っ子だった!
本日、1月25日から『ひとりぼっちの異世界攻略』の6巻が文庫とコミック同時発売となりますヽ(=´▽`=)ノ
・文庫の特典情報
http://blog.over-lap.co.jp/tokuten_bocchi6/
・コミック特典情報
http://blog.over-lap.co.jp/gardo_20210114_07/
そして文庫、コミカライズ共にフライング販売が始まりました。沢山のお買上げを本当にありがとうございますm(_ _)m
孤児っ子日誌
朝はお日様がのぼるまえにいっぱい働かないとご飯がない……ないはずなのに、今日もいっぱいいっぱいのおごちそう。
「たーんとお食べ、ってJKがジャックナイフのように鋭いターンでおかわりだとー!?」「「「おかわりー♪」」」(ポヨポヨ)
それだけでも涙が出ちゃうのに、美味しいご飯をいっぱい食べさせてもらったから、お土産屋さんでいっぱい働こうとしたら……奥様たちに抱きしめられてお菓子をいっぱい貰う?
「うん、おっさんが抱きしめてきたら即通報なんだよ? もう入ってきた瞬間に射っても良いかも?」「「「だからって、頭撫でるくらい許して上げなさいよ!」」」「あんなにいっぱいお菓子持ってきてくれてるのに可哀想でしょ」「いや、幼女にお菓子あげて頭撫でるって、絶対それ怪しさ満点なんだよ!」「「「どのお口が言ってるのよーー!!」」」
きれいな服を着させてもらって、ちょっと働いただけでいっぱい褒められて、いっぱい抱きしめられる。お菓子もいっぱいいっぱいで……もう休憩、まだぜんぜんお仕事していないのに?
「うん、お店は良いから後でお勉強しようねー」「「「はーーい!」」」
お金持ちの子みたいに勉強まで教えてもらえて、いっぱい遊ぶのがお仕事だって玩具もいっぱいで、みんなでお仕事がなくて途方に暮れる。どうしよう?
「いっぱい働かないとダメなのに……」「「「うん、ぼくいっぱい食べちゃったよ!」」」「「「わたしもなの」」」
なのにだれも怒らないし叩かれない。ただ優しくいっぱいいっぱい抱きしめられる。でも、おじさんはダメらしい?
よるも寒くなかった。おうちはきれいで、お布団はふかふかで、おふろはすごく気持ちよかった。
みんなきれいで、知らない子みたいにピカピカで……なのに仕事がない。
「お大尽のお兄ちゃんがぜんぶ仕事しちゃうよ」「お姉ちゃんたちもはやいの、ぴゅーって!」「うん、大きなものもいっぱい運んでた!!」
だから早く大きくなっていっぱいお仕事をしないと、だっていっぱいいっぱい優しくされたから。
「えい!」「いたーーい!!」「「「やっぱり夢じゃないよ」」」「「「だね?」」」
みんながついついたしかめる。だって信じられないから。こんな夢みたいな、夢よりしあわせで……なのに夢じゃないって。だってお腹いっぱい。ずっと一度でいいから死んじゃう前にお腹いっぱい食べてみたかった。なのに食べても食べても無くならない、だってお大尽さまはすっごくすごいの!
「こまったねー?」「「「うん」」」
お仕事がない。お仕事はつらくて疲れて、怒られて叩かれて痛くてすごく嫌だったのに……なのに今は楽しいのにお仕事がない。今はいっぱいお仕事したいのに、今はすごくしあわせなのに。
「あのねあのね、うら庭のお花でかんむり作ってお菓子くれた奥様に上げたらね、すっごく喜ばれたの!」「「「それだ!?」」」
そう、すごくしあわせで、なのにもらってばかりで……なんにもできない。だって、お仕事がないの。
だからみんなで、いっぱいいっぱいありがとうって花かんむりをつくる。だっていっぱいいっぱい優しくされたから、いっぱいいっぱいありがとうがあるから。
だって、このお花いっぱいのお庭より、もっともっとしあわせだから。
そしたら、またいっぱい抱きしめられて、いっぱいなでられた。わたしたちがありがとうなのに、いっぱいいっぱいありがとうって言われた?
「「「お菓子ふえちゃった!?」」」「困ったねー?」「「「うん?」」」
夢みたいなしあわせ。だけどお仕事がなくって、みんなで困りながら夜になる。
そしてまた暖かなお風呂に入れて、とってもきれいにしてもらって、夜もおいしいご飯でふかふかのお布団。夢がずっとずっと夢のままで、夢みるより夢みたいに今日がおわっちゃう。困ったなー、でも夢だったらいやだな。
「「「おやすみなさーい」」」「「「うん、おやすみなさい」」」
いつもあしたがイヤだなってねてたのに、あしたがたのしみで、いまが夢みたいで……もう、なにが夢だかわかんないや……おやすみなさいzzz




