真面目な働く仕入れ担当運送業で再加工担当の生産者で滅茶働いて実は全然お大尽様じゃ無かったのに泥棒扱いだ!
66日目 夕方 王宮
たった一人で待っている、向こうもこっちに気付いている。
商業連合に切り札、商国の懐刀と呼ばれる魔剣使い、何本もの魔剣を使いこなす魔剣士で……マッケンジーだったっけ? 趣味が美人レロレロって言うのだけは覚えてる。
そう、人と人が争う理由なんて美人レロレロだけで充分だ、だって美人さんにレロレロするおっさんに良い奴はいない! だって良いおっさんなんて存在し得るはずが無いんだよ? だっておっさんだもの? みたを。
「やっと泥棒さんのお出ましかい、泥棒されちゃうと困るんだよ~。盗ったものを返してくれるのなら見逃せるかもよ? 減刑くらいは口添えしよう。どう?」
身ごなしに余裕がある、力みも無く弛みも無い。これは強いよ?
「あ~マッケンジーさん? お久~? って言うか初めましてなのか2度目ましてなのか分からないんだけど泥棒さんじゃ無いんだよ? 真面目な働く仕入れ担当運送業で再加工担当の生産者? 滅茶働いてるよ! 実は全然お大尽様じゃ無かったよ、こんなに働いてる労働者に泥棒扱いとか美人さんにレロレロする変態おっさんに言われる筋合いは無いって言うお話? レロいな?」
まったく泥棒なんて人聞きの悪い事を言い出して一体何を言っているんだろう? ま、まさか美人女怪盗さんが現れるの? そしてその美人女怪盗さんを捕まえてレロレロしようと待ち構えている所なの! 俺の美人女怪盗さんにレロレロしようとは許しがたいおっさんだ、俺がレロレロしたいんだから俺のなんだよ!
「……私はマッケンジーさんじゃ無いんだが、仕入れ担当の人だったのかい? ごめんよてっきり泥棒さんかと思って待っていたんだよ、ごめんごめん」
「まあ分かれば良いんだけどその美人女怪盗さんも仕入れて持って帰ってレロりたいんだけど? おっさんのレロレロ済みとか嫌だから美人女怪盗さんをレロレロしないで欲しいんだよ、これだから近頃のマッケンジーと来たら美人女怪盗さんを見ればレロレロとレロリアンなの? こっちはもう3人組美人女怪盗さんならレオタードのプレゼントもご用意済みなお待ちかねなんだけど? みたいな?」
さっさと仕入れを済ませて美人女怪盗さんのお出迎えの準備をしないといけないだろう、問題は美人女怪盗さんを仕入れるべきなのか美人女怪盗さんに盗まれちゃって持って帰られるべきべきなのかが問題と言えば問題なんだけど回答は怪盗さんと相談すればいいのだろうか?
「っちょおっ、それ駄目だよ。それを盗まれないように守ってるのに何で仕入れちゃうの? それとマッケンジーって誰なんだろうね~、違うって」
「もうまたなのおっさん? 落ちてるんだから俺のだよ? もう拾ったもん、落ちてるから態々ここまで仕入れに来てるんだから邪魔したら美人女怪盗さんにご迷惑なんだよ? って言うか仕入れながらもずっと心は美人女怪盗さんをお待ち申し上げてるんだけど来ないじゃん? さっさと仕入れて広々とさせないと大量の人女怪盗さんが入荷され無いんだよ? 狭いのも素敵そう!」
まったく非常識な。万有引力に引き込まれ地に落ちた在りとあらゆる落し物は俺の物って林檎落としてパクってた万有引力の人も言っていたはずだ、落して許されるのは3秒以内だけなんだよ?
「なるほど~って泥棒じゃねえかよ! 何で堂々と拾って帰るんだよ、落ちて無いから、何で倉庫に荷物が並べて落ちてるんだよ。置いてるんだよ!」
「置いてるって落ちてるじゃん! これが浮いてるの? これって飛んでるの? 違うよ絶対落ちてるんだよ! 落ちてるから拾いに来たのに泥棒扱いとか失礼千万で千尋の谷に突き落とされて上から隕石だよ、誰がどう見たって物理的に落ちてるんだよ? 何でこれが落ちてないと思うんだよ、レロレロばっかりしてないでちゃんと常識って言うものを考えて欲しい物だよ!」
褐色のマントで身体の動きも武器も隠しているがこれ見よがしに手には何も持たずに滑る様にゆっくりと近づいて来る。背の高いヤセ気味の体躯に見えるが引き締まった隙の無い身ごなしのおっさんだ、そしておっさんの姿を描写しても楽しく無いからさっさと帰りたい。面倒だ。
「あ~落ちてるのか? 待て待て待て落ちて無いって置いてるんだからな、倉庫にしまってあるんだよ。 はあああっ、お前が泥棒君か?」
「どう説明したら分かるのかな? ここに入れるって言う事は鍵を持っているって言う事でつまりそれはここは俺のものでそこに物置いたら俺のだよ? あげないよ? だって落ちてるんだよ、俺の倉庫に? 置いたんだから俺のなんだよ? って言うかもう拾ったんだよ? みたいな?」
何も持っていなかった筈の両の手に二振りの剣が手に握られている、あれが魔剣。
「わるいね、捕まえさせてもらうけど抵抗しなければ怪我はさせないし、素直に盗んだものを返してくれれば悪いようにしないとは言えないのが辛い所ではあるけど善処だけは約束しよう」
左手の魔剣をすっと持ち上げて剣先をこちらに向ける。
「捕まえろ「拘束」、封じ込めろ「停止」」
あっ!これが小麦だよ。あとは野菜は増えてるけどお肉が少ない、卵が全然入ってこないんだけど何してるの商国は? 気が利かない商国だよ、葱と来たら卵だよ? 何で葱ときて次の箱が玉葱なの、おっ大豆と小豆。これはワンモアセットだな、お饅頭の再生産が出来そうだけど砂糖が入って無い、使えない。お饅頭に続きクレープのセンセーショナルな異世界デビューで砂糖も供給が追い付かないからもっとじゃんじゃん送って欲しいんだよ? 商国にお手紙出すべきなんだろ言うか? 砂糖送れ? 砂糖をくれ?
「なんで盗んじゃうんだよ~、私が1人で「バインド」とか「ストップ」とか言って剣構えてるのが馬鹿っぽいよ。何で動けちゃうかな~」
来た。戦う気が無かったみたいだが見逃す気も無いみたいだ、右の魔剣がこっちに向けられた。
「脚だぞ、貫け「刺突」っと、逃がさないよ」
厄介だ、俺のLvだとレジスト出来ないから魔剣の効果を左手で「矛盾のガントレット」で無効化するか右手の「世界樹の杖」で吸収しなければならない。そして剣士としても強い、更に魔剣の使い方が絶妙だ。ついでに上手い。更におっさんだから近づきたくない!
「……無言で撃っても駄目なのかよ~、Lv21で何で効かないかな、自信が無くなって来たよ」
わざと剣を向けて技名を声に出していた、見せ付ける様に。つまり剣を向けずに無言で撃つための伏線だ。しかもこっそり左手の剣が摩り替わっている、別の効果を持った魔剣だ。
じわじわと間合いを詰めて来るが焦りはなく淀みも無い、自然体が崩れない。
「よし仕入れ完了? じゃあ俺忙しいから後は独りで頑張っててね、うん魔剣(笑)格好良いよね? 「貫け!」(笑)とか? 俺も若かりし中2の頃によくやってたんだけどこの前ブラフでやってみたら本当に隠れてたのが騙されて出て来て貫いちゃって大騒ぎで吃驚だったからあの迷宮ほったらかしたまんまなんだよ? ていう訳だからいくつになってもやってみたら出る事も有るみたいだから夢を追い求めて一人で頑張ってね? じゃあね? 」
「待って~、待って待って持って帰られたら困るよ本当に、どうしても捕まってくれないのかい? それは持って行かれちゃ拙いんだって」
物わかりが悪い、もう物わかりが悪い選手権開催で莫迦達と王弟のおっさんとゴブ達と一緒に協議でもして話し合っててくれないかな~? どうせ永遠に話し合っても意味解らないし一部言葉も分からないトリオで? コボだと案外分かり合えそうなんだよ? ビッチ問題の協議とか?
「お~い、話聞いてるかい? お願いしちゃうから捕まってくれないかい?」
「逆に質問返しちゃうんだけど何で仕入れに来たのに邪魔するのかな~? どうせここに戻って来るんだよ? 拾っても拾ってもここに戻って来るんだよ、もうここで販売した方が早い気がして来たんだけど? もういっそここにも支店出そうか? 王宮倉庫支店、買えば即王宮倉庫に配送無料! そして置いた瞬間即仕入れだ!」
「売ってるの? 戻って来るって売りつけてんの? はあああっ、犯人確定か~」
目が変わった、表情が消えた、気配も無くなり息づかいも感じられなくなった。ついでにおっさんも辞めればいいのに?
金色の魔剣、あれが王女っ娘の言っていた魔剣「剣殺しの剣」。
相手の剣や槍の効果を一定時間殺して武器の能力を無効化し、更に一定時間敵の武器の能力をコピーする伝説の黄金の剣! ……でも鉄球なんだよ? (ドゴオオーン)
「お帰り甲冑委員長さん、良い物あった? 食料に金貨だお大尽様だ! それは布? ……麻か~、帽子なら作れそうだけどゴワゴワだよ? いるの? まあ良いんだけど、通気性は良いんだし涼し気な感じになるんだよ、あと染めにくかったんじゃないかなー? ナチュラル系で良い?」
(ウンウン。)
ついにモーニングスターで暗殺事件が発生した様だ、おっさん一生懸命喋ってたけどその後ろでずっとさっきから音も気配も空気の揺れすらも無いままに巨大な鉄球が凄まじい勢いで回転して乱舞していてたんだよ? 見てて冷や冷やしてたんだよ。 剣殺しの剣よりモーニングスター殺しのモーニングスターな魔モーニングスターが必要不可欠だけど大鎖鎌も持ってるから気を付けてね? まあ、俺も気は付けてるんだけど回避不能で気を付けてても当たるんだけど気を付けてみないと痛いんだよ? 目がばってんだから手遅れだけど?
麻の帽子くらいならすぐ出来るし良いんだけどこのおっさんどうしよう? 強かったから置いて行っても拙そうだけど最後まで殺気が無かったし腕や足ばかり狙っていたんだけどどうしたもんだろう? だってまたおっさんなんだよ? 持って帰っても何の楽しみも無いおっさんだ、楽しかったら問題だ!
でもいらないって言うか余ってる、おっさんが必要なら貧民街の地底にうじゃうじゃいとるんだよ? もうじき地底もおっさんが繁殖しておっさんだらけになりそうだ、きっと王都の地底人さん達もおっさん達に大迷惑してるだろう。苦情が来そうだ!
850人以上の方々から御評価を頂きました、又レビューまでつけて頂き本当にありがとうございます。これからも日々励みにさせて頂きます。
お礼投稿と言いうのも烏滸がましい何時もの乱文のお礼投稿ですが、もし万が一何かの間違いで御気に入って頂けてお付き合い頂ければ本当に幸いです。
乱文に誤字脱字だらけの、小説らしきものを書き始めて2月半のど素人の書いてるお話に本当に過分な評価を頂き只々本当に感謝の気持ちでいっぱいです、本当にいつもお読み頂いてありがとうございます。




