限界を超え続け手に入れた真の力が試される時が来てないらしい?
63日目 夕方 王国 街道
「おーい、尾行っ娘~や~い? 貴族軍はどうしてる? 甲冑委員長さんの「恐怖の大王」作戦は上手くいってるのかな? よく考えたら作戦じゃ無くてあの人普通に恐怖の大王よりヤバい人なんだけど? って言うか戦闘になるのあれって、普通アレが現れたら見た瞬間に逃げるよね? もうあの鎧量産しとけば無敵の軍隊だよ! 絶対悪役だけど。」
頭の第1王子は潰した、でもあれは傀儡の神輿の頭だろう。だとすれば担いでいる方が真の頭だ、大侯爵家か教会かどっちかなのだろう。
そして未だ辺境を目指すなら教会で間違い無しだ、まったく偽迷宮で魔石を差し止めて王国と交渉させようと思っていたら王国は実権何て持って無くて買い叩いていた真の犯人は教会だったと言う事だ。
つまり背後は教国だ。まったく碌でも無い背後が出て来やがったもんだよ。
勘違いされると困るんだが俺は教会と教国が嫌いなんであって背後も立ち背後も崇め奉るくらいに大好き何だよ? 嫌いなのは教会と教国と爺の3点セットで背後さんに罪は無いんだよ? いやあれはある意味罪深い! あの白く艶めかしいうなじから肩のラインとそこから続く滑らかな白い背中の曲線美のとその下の丸い可愛いお尻までを眺めながらの背後も立ち背後もそれはもう凄い罪深さで背徳な背後が背後背後しながら背後攻撃でがん背後ってるんだよって……わぁ!どぅるゅゅっせえるううぅわあぁぁ!
恐怖の大王様がお帰りになられたようだ、まあノックは無かったが鉄球攻撃は有ったって言うか当たったって言うか痛かったって言うか有ったんだよ? 鉄球攻撃でした。
「お帰りなさいませ甲冑大王様? みたいな? って言うか魔人甲冑大魔王様に見えるんだよ、もう大丈夫そうなら着替える? お気に入りの「白銀の甲冑」もちゃんと持って帰って来たからね? とにかくその「スパイク・メイル」とモーニングスターのコンビネーションからの「わるいごはいねぇ~かぁ~?」アタックは危険だから止めようね? あれは貴族軍の背後の話で決して昨夜のヌルヌル桶狭間の啄木鳥の計からの背後攻撃の事じゃ無いんだって言う言い伝えがこの辺りには有るかも知れないからきっと多分に違うんだよ? みたいな?」
お帰りになられるのに先んじて鉄球が帰って来たが後から甲冑委員長さんもちゃんと帰って来た。って言うかそのモーニングスターって遠距離攻撃できたの! って言うか何で普通にいつも常備してるの? うん、怒られてるんだよ? ジト成分も補給中だよ?
「貴族軍のはぐれ兵の狼藉は恐怖の大王作戦で完全に収まりました、もう貴族軍の間では魔の街道って噂になってて本隊から離れると「悪い子はいねーかー!」って魔人が現れるってビビッて大人しくしています。あれは怖いです、うちの一族も半泣きでした。勿論町や村を襲う気だった兵はガン泣きで逃げ回っていました、アンジェリカさんも涙目でへこんでいました。以上です」
みんなの心に恐怖が刻まれたようだ、甲冑委員長さんもダメージを受けたみたいだ? まあ悪い事をすると罰が当たるって言うのは昔からの道徳教育だ。まあ罰が当たると罰罰にされるんで道徳関係なく暴力で教育されるんだけど良い子になるんだから問題は無いだろう? 悪い子は消滅らしい。
「これはあんまり手を出さずに攻撃も控えてさっさと辺境に引き込んだ方が良さそうな感じ? もう後ろから強襲偵察で焼き払って食料の備蓄と金目のもの奪って逃げようと思ってたんだけど、下手に手を出すと村や町が被害に遭いそうだよねー? もうあれって軍って言うより盗賊団で良いんじゃないの? マジで」
「あれは軍では無くて盗賊団で全然良いんです、でもその軍な盗賊団を後ろから襲って焼き払い食料と金品を奪って逃げる気だったってどんな悪党なんですかその極悪人は?」
食料狙いは鉄板のお約束で更に売りさばけばお大尽様が降臨されるんだが御不満なようだ?
だが確かに下手に食料を奪うと村を襲いそうだ、せっかくゲリラで食料の備蓄と金目のもの奪って相手に被害を与えながら俺にお大尽様も与えられると言う2兎追う者は2度美味しいと言う格言にちなんだ作戦が颯爽と策動出来ないんだよ?
「じゃあ強襲偵察用ゴーレム君は置いて行くから村と町の防衛だけ頼むよ、ゴーレムは使い捨てで良いからね? 自分がヤバい時はちゃんと逃げるんだよ? 魔石閃光爆音粘着状態異常付き爆発手榴弾は足りてる?」
「充分に足りてますけど閃光と爆音で戦闘不能になったまま粘着で接着されて状態異常にもなって倒れてるのにとどめに爆発してましたけど? 過剰加害ですよ? 何か足止めに投げたら壊滅してましたけど? もう壊滅したらそれだけで足止めなんですけど閃光と爆音で戦闘不能で粘着な状態異常は何だったんでしょう?」
うん大丈夫そうだ。魔石閃光爆音粘着状態異常付き爆発手榴弾は魔石が使い捨てで勿体ないが安全が確保されるのだから必要経費だろう、まああれだけやっとけば普通追って来ないだろうし足止めだけでも充分に意味は有る。安全が第一だ、敵の安全は……神に祈れば?
甲冑委員長さんには「恐怖の大王」作戦で町や村を守って貰おうかと思っていたら既に効果が十分すぎて悪い子はいなくなったみたい? まあ中世って迷信とか信じてそうだし「恐怖の大王」作戦が効果的に効いたのだろう、でも中の人って恐怖の大王とか雑魚っちゃう迷宮皇さんなんだけど良いのだろうか? 寧ろ恐怖感をソフトにしちゃってるんだけどあの見た目のインパクトは……あれ? 何で俺あの鎧みんなから勧められてたの? 何でだろう?
王都に向かおう。
これで俺と甲冑委員長さん。スライムさんは間に合うか分からない、王都から戻って来てお迎えになるんだろうけどそこからが本番だとすると俺がお持て成しなら後の通せんぼはいくついる?
冒険者ギルドで確認はしてある、3つは確実だろう、恐らく5つ、9つまでの4つは遠すぎるはずだ。5つだと1つは甲冑委員長さんで後4つ、スライムさんが間に合えば3つか~。委員長達で1つ行けるのだろうか? スライムさんが間に合うならオタ莫迦も間に合うはずだ、全員いれば1つは行けるはず。それでも2つ残る、辺境軍と王女っ娘の近衛……危険すぎるだろう、諦めるべきか? あ~、帰ってから考えよう! うん、どうせ分からない。って言うかスライムさんが間に合わなくても6つ目や7つ目が有っても諦めるしかない、出たとこ勝負で出来るならやる出来ない事はさせられない。
委員長達は今晩出立して高速先行部隊を出しても到着は明日だ、揃ってくれば明日の夜でもきついだろう。メリお父さんたちはもっと時間がかかるだろうし支度はこっちでやっておこう、着いてからがこっちの本番になるんだから仕込みして支度して仕組んで置けばいい。
戦いには準備が大切だが戦わないのにはもっと準備が重要だ、それこそが戦いなんだよ。
「結構王都側には町とか村が有るんだね~? あの辺境の貧しさは何だったのって言う位には豊かっぽい? まあ隣り街ですら廃墟になる前は辺境より豊かだったしこっちが普通? なら最初はこっちに転移しろよ! あの苦労の殆どって転移先の問題だったんじゃん、俺関係無かったんじゃん! こっちだったら普通の異世界ライフだったんだよ? 辺境は最後だよ、辺境はラストステージだよ、だってラスボスだらけだったよ!」
これならラノベの異世界ライフが出来そうだ、普通に近くに村や町が有って冒険者ギルドに行って森や迷宮で鍛えて行くんだろう。何でいきなり森? しかもラスボスのゴブリンエンペラー付きの異常発生寸前の魔の森からスタートって……洞窟の奥はラスボスさんって……きっとこっちなら普通の宿で暮らして普通の冒険者ギルドで仕事を貰って普通の武器屋で装備を整えて強くなっていく普通展開だったんだよ! あっちは迷宮入っただけでいきなり迷宮皇だったのに!
辺境は街ですら最初の武器屋には鉄すら無くって武器が無い、冒険者ギルドは仕事が変わらない、宿は白い変人で女子校生押し競饅頭も開催中、迷宮に行けば良きなり迷宮皇、どう考えたって展開がおかしかったと思ったら辺境は初心者禁止だったらしい。
そして王都が近づいて来る。
「ふっ、遂に俺の真の力が試される時が来てしまったか。きっと異世界でずっとずっと鍛えられたこの力はここで使われるためだったのかも知れないね?」
(イヤイヤ。)
違うらしい? でもずっとずっと鍛えられた真の力さんが大活躍ってここなんだよ? 何が違うのかは謎に包まれているが包んでいるものを剥ぎ取りながら隙間から手を差し込んであんな所をぷるんぷるんと揉み撫でさすりその先の時代の最先端な先鋭的な先端の…………わあっ! ぶうわあああるうぶわああろおおいっ!
「しーっ。お忍び王都な旅、旅情編なんだからモーニングスターは禁止にしようよ? そんなこっそりと目立たない様にモーニングスター降り回しても駄目なんだよ? って言うかなんで目立たないのっ! こっそりモーニングスターで暗殺できそうなところが逆に怖いよ! それモーニングスターの使い方として大きく間違った超高等技術だから、未だ且つてモーニングスターで暗殺された人って聞いた事無いから絶対に間違ってると思うよ? マジで。」
もう無音で振られる鉄球の乱舞っておかしいよ絶対、何で音も無く気配も消してモーニングスターで消し飛ばすの? きっと甲冑委員長さんはお忍びの正しい姿を理解していない気がする、美人くノ一さん役は無理そうだ、お風呂シーンに期待してたのに!
鉄球の静かな乱打乱撃から逃げ回りながら高速移動で王都を目指す、最高速だ! だって急いでないけど後ろから鉄球が追って来る! マジだ。
遠いが見えて来た、この距離で見えるってでかくない? あれが王都で出っ張ってるのが王宮? あの出っ張ってるのを押し込んで引っ込めたら解決しないだろうか? そんな素敵な解決方法を模索しながら近づきつつ半周ほど回ってみる。これ以上近づくと気付かれる恐れも有るし速度を落して道なりに近づいて行く。ここが王都、日帰りは無理だけど高速移動使い切れば1日の旅、有り難味があんまりない!
しかし思っていたよりずっと王都でかいな~、あの巨大さは住人の多さを表しているはずなんだから大量の王都の住民全員に辺境木刀と茸ペナント売れば大儲けできるだろう。
さて準備に掛かろう、こういうコツコツとした小さな苦労の積み重ねが大事なんだよ? すぐ楽して儲けようとか言う人っているけれど見えないところでコツコツと働くこの姿が勤労なんだよ、コツコツと仕入れコツコツと並べコツコツと又仕入れる。
異世界に来てからずっと自らの限界を超え続け手に入れた真の力。遂に俺の内職力が試される時が来たのだ! 王都からぼったくる!
『御土産屋 王都前支店 みたいな?』
商品は豊富で充分な量が有る、特に食料と武具は大量入荷だ。だってさっき王城からコツコツとパクって来た、大儲けだ!
王都からパクる → 王都が物資不足 → 売ってぼったくる → 在庫を王都からパクる。完璧な永久機関商法の発明だ! 遂に俺のお大尽様は質量保存の法則に至った! これは経営コンサルタントのMさんからの「商品が無いならパクってくればいいじゃ無いの」と言うお告げだから俺は悪くない、売ったら回収するんだからお土産屋の商品量は恒久的だ。
新製品も御土産も豊富だ、実演販売用の櫓ステージも立てた。明日が営業だ、今晩はこの王都前支店の素敵な寝室で御休憩で御宿泊な就寝を頑張ろう。
みなさまからブックマークの御登録を12,000件以上も頂いておりました、本当に分不相応な評価を頂き本当にありがとうございます。これからも日々励みにさせて頂きます。
何故かずっと連投なんですがまたもお礼投稿と言いうのも烏滸がましいお礼投稿です、もし万が一何かの間違いで御気に入って頂けてお付き合い頂ければ本当に幸いです。
実はブックマークの御登録の大台は昨日から気付いていたんですが、ブックマークって結構減るんです(泣)。なのでギリギリだから減っちゃうかもと……粘ってました、すいません。
でもこれで本当にもう書き溜めも残って無いんです、明日の投稿分すらももう……頑張ります。




