マッサージ機シリーズは売れ線だと思うのだが禁止らしいのは差別なのだろうか?
61日目 夜 ムリムリ城
貴族軍への訪問販売は反対多数だ、旅費はおっさん持ちで案内付き、尚且つ美人女騎士さん達付きの豪華ラインナップなのに駄目みたいだ?
「いや、だって貴族軍来るの待ってたらまだ10日は掛かるんだよ? もう戦争とか多分あと3日くらいで忘れちゃうよ? せっかく送ってくれるって言うし旅費も向こう持ちみたいだし、一寸馬車の中で用事も有るんだよ。うん、真の戦いはこれからなんだよ! 的な?」
なんか美人女騎士さんが来れない様に馬車の周りを女子達に囲まれて連れて帰られてしまった、だが今度は貴族軍の方に向かって行くらしい。そしておっさんが俺に「一緒に行かない?」って誘っているらしい、本来ならばおっさんに誘われた時点で焼き払って逃亡するのだがどうやらそのおっさんは美人女騎士さん2人のエスコートを命令してくれたおっさんのようなのだ! どうやら異世界にも気の利くおっさんが存在したらしい、王弟らしい。そしてそのおっさんが気を利かして美人女騎士さん達とエスコートの先のエスカレート目指してエスカレーションな旅に誘ってくれたらしい。行かねばなるまい!
ただしせっかく作ったお土産屋さんが開けない、お饅頭も売れないし辺境ペナントだって売れないのだ。作り損だ。
だが行商と言う手も残されている、来るのが待てないなら売りに行けば良いじゃ無いのとペンネームMさんも言っていた。
だが行先は教会と仲良しな貴族さん達の軍らしいから爺送り決定だろう、異世界の汚物は爺の白部屋に不法投棄の着払い強制宅配で一掃しよう。そうすると売る前にいなくなりそうだ。
結果、一生懸命造ったお持て成し用偽迷宮も御土産屋さんもムリムリ城も意味がなくなる。無駄働きだ。
それでもどれほどの損失が見込まれようとも行かなければ成らない理由が在る、そこに可能性がある限り可能性を追い求め可能性を脱がして可能性にあんな事やこんな事をしちゃって可能性への飽くなき挑戦なのだ!
と言うか動か無いと拙い、手詰まりになってしまうだろう。だって21人のジト目封鎖戦の包囲網で美人女騎士さんの所に遊びにも行けないのだ! ここは地の利が無い、時も良くない、人の輪は俺を囲んでジトっている。負け戦だ、ここを離れなければお説教と言う負け戦に訓練と言う名のボコも漏れなく付いて来るだろう。
「防衛戦の方が有利だし、準備も万端なのにわざわざ出向くの?」
「偽迷宮まで引き込んで、残党はムリムリ城で殲滅戦が確実?」
「打って出るだけリスキーな気はするよねー?せっかく防備を整えたんだし?」
説得したいんだけれどその通りだったりするのが問題だ、出て行く方が損だろう。だが美人女騎士さん達も行ってしまうのだ! 置いて行ってくれるんなら残っても良いが俺が肉食系美人女騎士さん達に男子高校生的に食べられちゃうと言う素敵イベントが旅立ってしまう! 行かせはせん、行かせはせんぞ!
って言う訳で俺が行こうかと思ったら反対多数、って言うか全員反対だったりする。
まあ確かにメリットは無い、お饅頭が売れないしペナントだって売れない、だが男子高校生には其れでも行かなければならない時があるのだ! でも正直に肉食系な美人女騎士さん2人のエスコートなエスカレートな予定だと言うと大変な事が起り得る、分かり易く一般的によく使われる言葉に変換するとお説教だ。
何か理由が必要だ、そして無くはない。
まず長距離兵器の有無だろう、向こうが長距離兵器か長距離攻撃手段を持っているならば近づけさせれば手遅れになる。
それも含めた偵察、敵陣に侵入できるならこれ以上の情報収集は無いだろう、何せこっちは「羅神眼」持ちだしちらりとでも目に映れば「至考」さんが解析してくれる。
次は偽迷宮越えの装備だろう、空か地底か空間かを超えて来るのならば危険だ、だがあの大軍となればその装備は隠せない筈だ、見に行けば手の内が分かる。
そして最後はいまだ起きていないもう一つの可能性、王が伏せて不在の状況で第一王子は軍を率いて辺境に向かっているのにするに事欠いて代王である王弟が辺境に先回りしてしまっている。うん、王都がら空きなんだよ? 出来すぎなくらいにがら空きでほったらかしだ。
待てば楽そうだが後手を踏む、その間に誰かが好き勝手する可能性がある。そういう策略と言う可能性すらある。
楽するのも楽しいのも大好きだけど、他人が好き勝手するとか他人の策略に乗せられるとかは大嫌いでまじムカだ! 俺は道徳の授業で習った「他人の嫌がる事を進んでやりましょう。」と言う教訓を座右の銘にしているくらいに他人の嫌がる事が大好きで、他人に嫌がられるのも大得意だ、そして自分がされるのが何よりも嫌いな道徳的な男子高校生なのだ、だから後手は美味しくない。
ならば強攻偵察でも意味は有るし、行った序でに罠を仕掛けるもゲリラ戦で削るも有りだろう。何より王弟のおっさんが敵軍にまで侵入させてくれるかもしれないのだ、美味しい話だろう。だって肉食系美人女騎士さん達と侵入して肉食系美人女騎士さん達に侵入するのだ! 美味しそうだ。
ならばお土産屋さんは延期して行商で此方から売りに出る! お土産屋では無く行商だ、攻撃こそが最大のぼったくりだと昔の人も言っていたかも知れない様な気がしなくも無いと言う話だったりするらしい。だから行商だ、豪華ベッド馬車に行商お土産屋を作って接続しよう。強襲専用移動型お土産屋さんこそが今異世界に求められている要求なのだ! って説得してみた?
「強襲してもあのペナントは売れないからね? なんで「辺境」なの? 何で地名覚えて無いのに御土産作っちゃうの? そして何で茸型を作っちゃったの?」
「土地の名前が無しの御土産ってお土産効果が無いんじゃないかなー? まあ辺境で分かるらしいんだけど、ね~?」
「でもお饅頭は売れるよ! って言うか付いて行ってでも買う! 買い占める!」
「あの「辺境」~って彫ってある木刀さんも~地味に効果付きだったよね~? あれって元はゴブリンの棍棒~?」
そう、御土産屋には木刀が必要では無いかとの意見を組み入れた新製品、その名も「辺境 木刀」。有り余ったゴブリンの棍棒を「掌握」して「木魔法」と「錬金術」で加工しただけの材料費0エレの効果付きの御土産だ、安くて軽くて壊れても薪になるから超安心で経済的な新商品だ!
「「「でもあの茸マッサージ人形だけはギルティーだから販売禁止!」」」
何故か販売禁止の発禁処分を受けてしまった? 1分の1スケールで体力茸の型を精密に写し撮った精巧な出来の茸人形、何と振動魔法でマッサージ機能付きな天才的な俺の発明さんが駄目出しだった!? 実際にマッサージチェアーの売り上げは凄まじい、辺境で大人気で領館も宿屋も武器屋や雑貨屋までフル稼働で小銭を稼ぎ続けている。マッサージシリーズは売れ線だと思うのだが禁止らしい? 魔石型は良いらしい? 何が違うのだろうか、茸差別なの?
因みに「辺❤境」Tシャツも「私❤辺境」Tシャツも女子や兵隊さんで完売していた、新作も考えよう。思わぬ売れ線だった。「私❤辺境」の布バックやタオルも作ってみよう、これは定番シリーズものでいけそうだ。
そうして会議と言う名のお説教は晩御飯まで続いた、って言うか「遥くーん、お代は充分に払うからもし良かったら晩御飯を頼めないかなー?」とメリお父ーさんが来たんで付いて逃げた。
逃げ出した序でに食堂で大量の中華料理を並べて回る、炒飯に餃子に蟹無し蟹玉に鶏のから揚げに八宝菜擬きと安い中華っぽいラーメン屋メニューのラーメン抜きだ。
王弟のおっさん御持て成し用らしいから炒飯だけにしようかとも思ったが肉食系美人女騎士さん達もお食事会にいるらしいから餃子や鶏のから揚げも付けてみた、おっさんならともかく美人さんには美味しい物を食べて貰うべきだろう。50人前くらいなら5分も掛からないんだし?
結局は王女っ娘次第になりそうだが展開がややこしい、いっそ攻める方が確かに簡単なのかも知れない。待てば有利で楽だがここからは背水の陣で下がれない、だが攻めに行けば攻撃してみてヤバければ撤退戦で削りながらここまで下がればいい、何しろ相手の隠し玉が分からない以上予測の立てようが無いのだ。
委員長達は戦争用の布陣を見直し戦術と戦略を立て直していた、あっちは受けて立てばいいが俺は受けちゃうと死んじゃうから難しい。だから攻めに行って殺して回った方が簡単で安全なのだ、それで隠し玉が分かれば言う事無しだ、だからこそ行くべきだろう、肉食系美人女騎士さん達と!
各自にお部屋が割り当てられているのでお部屋に向かう、甲冑委員長さんも女子会が終わったら帰って来るだろう。それまで位には方針を決めたい所なんだけどメリお父さんたちもお食事会議らしいから方針が決まるのは夜だろう、とりあえずやれる事を済ませて行こう。まあ内職とか? まあ大体内職とか? まあはっきり言うと今日もブラ作成はちゃんとあるらしい。




