揉んでいるんなら手伝うんだが揉めているんなら手伝いの必要も必然性も無いだろう。
61日目 昼過ぎ 荒れ地
遂に異世界でここまでたどり着いたんだ、長い長い旅だったような気がするよ。
永い永い異世界の旅の果てでようやく巡り合えたんだね?
もう諦めかけていたけど、やっと出会えたよ。
長い長い間に何もかも信じられなくなっていた。
何度と無く希望は破れ、夢見る事も忘れそうだった。
毎夜星空を見上げながらその姿を夜空に思い浮かべた。
長い夜だった、だけど明けない夜なんて無かったんだね?
やっと今、巡り合えたんだから。
女騎士さんだああああああっ! おっさんじゃ無いんだよ! この煉獄の様なおっさん地獄の世界でおっさんと言う名の試練の中で遂に出会えたのだ! マジ女騎士さんだよ。甲冑着てるけど真っ赤な髪にキツイ美人顔の西洋美人な女騎士さんがこの世界に存在したのだ! もうおっさんしかいないから焼き払おうかと思ってたんだよこの世界? だが長い間耐え抜いた意味は有ったのだ! だって美人女騎士さんだー! 盗賊も全部おっさんでついに美人女盗賊さんは出なかった、街でずっと募集していても美人女暗殺者さんも美人女情報員さんも来なかった、だけどついに美人女騎士さんだああああっ!
何かおっさんが喋ってるけどそんな場合じゃ無いよ! 空気読めよ! 今其れ処じゃ無いんだよ、全くおっさん何て構っている暇はないというのに的確な状況把握も出来ない無能なおっさんだ。
な、なんだと~! 美人女騎士さんが追加された! こっちはブルネットな黒っぽい褐色の髪をしたこれまた美人な騎士さんだ、顔立ちは彫刻の様に整い無表情だがそこが良い! しかも2人がこっちに来る、わっ!両側から腕組まれたよ? ついにモテ期なの? ついに来たの、来ちゃったの? うん16年分くらい貯まってたんだよ俺のモテ期さん。しかもエスコートだよ、両側から腕なんか組まれて超積極的な肉食系の美人女騎士さんなの? マジ食べられちゃうの? いただかれます? みたいな?
エスコートされて連れ込まれた馬車には小さな木の寝台だけがぽつんとある! ベッド オンリーなお部屋だよ! 連れ込まれちゃったんだよ! でも寝台小さくない? 2人相手どころか1人でも狭いって言うか俺1人? あれっ、出て行っちゃったんだけど? あ~お着換えだ! そうだよ甲冑じゃ駄目なんだよ、当たり前じゃん。
言ってくれればエロドレス何てすぐに用意するのに奥ゆかしい女騎士さん達だ、まあ会えない時間がエロを育むという名言もある、待てば過エロの日和在りとも伝え聞く、過エロは過激そうだよ!
中々帰って来ない? だがまだ焦る時間じゃない、女性とは身支度に時間が掛かるものなんだよ。この余裕こそが好感度さん復活の狼煙となるのだろう、狼煙を上げても好感度さんが来なかったら異世界転移しているんだろう。
しかしせっかく辺境から出て来たのに馬車は辺境へと向かっている、まだ村なんかに買い付けにも仕入れにも行って無いのにもう帰っちゃうの? だが俺はここで美人女騎士さん達を待たなければならないのだ、遂にやっと異世界で男子高校生的な異世界体験で異世界に旅立つんだ~ってここが異世界なんだけどめくるめく異世界な体験はきっと異世界なものに違いないんだよ!
だが美人女騎士さんを2人もお迎えすると言うのに寝台が狭すぎるし木だよ木? 広げてって言うか狭いんだからもう全部ベッドにしちゃおうか、そして壁も木って駄目駄目じゃん? やはり男子高校生的にもムードは大切なんだよ、この気遣いこそが異性の好感度さんの復活のカギを握ると言えるだろう! とりま壁を白くして~って圧迫感がある、狭い部屋でぎゅうぎゅうにって言うのも嫌いでは無いって言うかそれはそれで大好きなんだけど取り敢えず狭いから馬車ごと大きくしてと、馬車に揺られながら激しく揺れるのも決して嫌いじゃ無いんだけどちょっとサスペンションくらいは入れて白いシーツに~あっ、お花飾ろう! そうだ、こういう細やかさこそがRe異性の好感度さんなんだよ。そしてそして…………
「まあ何という事でしょう~ってこれお馬さん牽けるかなー? ちょおっとだけだけどやり過ぎて大き過ぎ? みたいな?」
馬さんには頑張って貰おう、車軸は摩擦抵抗の小さいベアリング式に変えたのだから抵抗は下がった筈だ、重量自体も大差ないし見た目はチョットゴージャスになってしまったが美人女騎士さん2人をお迎えするのだからこの位の装飾は必要だろう、中には巨大なベッドとシャンデリア、壁面はアールデコな感じで纏めてみたんだよ? 後扉って言うか丸見えの檻みたいな格子扉もプライベートって言うか見られちゃったら女子的にあれかな~っと豪華な扉に作り替えた、あとは御迎えするだけなんだよ?
外装はメルヘンチックな小さな一軒家風の可愛い中に浪漫も溢れる素敵馬車さんに改装済みだ、これでお持て成しは完ぺきと言えるだろう。
ひとまず完成だろう、さて中に戻ろう。何か注目を浴びているがきっと素敵馬車さんが大人気なのだろう、これで第3、第4の美人女騎士さんが遊びに来る可能性が無限大? みたいな?
馬車の中で巨大ベッドに転がりながら男子高校生的な妄想力で美人女騎士さんとのベッドの上での組んず解れつの集団戦の格闘近接戦計画をしながらコロコロとベッドの上を転がり回ってライク ア ローリングストーンっしてはしゃいでいるとジトられた?
「…………。」
ジトられている! ってメイドっ娘だよ、何でいちいち影からジトるの? 普通にジトろうよ、基本って大事だし今日はギルド行けなかったし甲冑委員長さんもお使い中で深刻なジト不足に見舞われてるんだからちゃんとジトろうよ? 取り敢えずお茶を出してみる、ちゃんと室内には小さなカウンターも完備されているのだ。お持て成しに死角はない!
「なんで影ジトなのかな? はい、お茶? あっお菓子も有るって言うかお饅頭って言って甘くてお茶にベストマッチで大儲けな予感の新製品? みたいな?」
「姫様から様子を見て来る様に言いつかって来たのですが……随分と豪華で快適な旅をお楽しみ中みたいですが?」
お楽しみ中はこれからで昨晩はお楽しみでしたねって言われるためにも明日に向かってメロスがインノケンティウスに向かって走っていく位にお楽しむんだよ? とてもとても楽しみにお楽しみをお楽しむんだ! みたいなー!
メイドっ娘と駄弁りながらお茶を飲む。お茶とお饅頭で影から引っ張り出してエロメイド服鑑賞中なのは言うまでも無いだろう。
何があったか分からないが王女っ娘が王弟と揉めているらしい、揉んでいるんなら手伝うんだが揉めているんなら手伝いの必要も必然性も無いだろう。だが何で揉めているのかが意味が分からない? どうやら王弟の命令が納得出来なくて囚われの身の誰かを助け出そうとしているんだけど誰かが悠々自適に快適生活を送っているんだそうだ、その誰かさんは一体なにをどうやったら囚われの身で華美で優雅な囚人生活を送っているのかが疑問らしい? 何だか分からないが大変そうだ?
まあ大脱出くらいなら手伝うんだけど必要ないって言うか既に脱出して中で寝ているらしい? まあ世の中には変わり者っているから刑務所に入りたくてわざわざ罪を犯す為に刑務所を脱獄しちゃう人だっているかも知れないのだ、人とは難しいものなんだよ。
手伝う事も無いみたいだしこの後どうするのかを尋ねると「姫様に確認してまいります」と言い残して影に消えて行った、普通に歩いていったらいけないんだろうか? メイドも大変そうだ。そう言えば異世界でメイドさんに会った事無かったんだけどみんな影の中にいるのだろうか? 今度探してみよう。
(ポヨポヨ。)
そうしてまた廃墟な隣り街に帰って来てしまった、女騎士さん達はまだ帰って来ない? スライムさんと2人でベッドでぽよぽよと転がって遊ぶ、スライムさんが楽しそうに転がっているからやってみたら思いの外に楽しかったんだよ?
偶に外に出て馬車の上に上り辺りを「千里眼」で見まわしてみるが何事も無さそうだ、美人女騎士さん達もまだ帰って来ない。お洋服が決まらなくてお悩み中なんだろう、着てなくても良いんだけど裸族っ娘では無い様だ、甲冑だったし。
このままだと偽迷宮に入ってしまうが俺がいるから罠は作動しないし王女っ娘には仮社員証を渡してあるんで問題なく通れるはずだ。問題は中で甲冑委員長さんと委員長達も待っている、美人女騎士さんと縺れて絡まって遊んでいたらめちゃ怒られそうだ!
お読み頂いてありがとうございます。
皆様から29,500pt以上もの総合評価を頂いておりました、ありがとうございます励みにさせて頂きます。
お礼投稿と言いのも烏滸がましい何時もの乱文ですが、もし万が一何かの間違いで御気に入って頂けてお付き合い頂ければ本当に幸いです。




