これが資金ショートと言う物か?異世界の金融融資制度はどうなっているんだ?
20日目 朝 武器屋
お金がない、ツケがある、貸しも一杯あるが、現金が無い。
これが資金ショートと言う物か?異世界の金融融資制度はどうなっているんだ?優良にーとだぞ、働き者のひきこもりだぞ、知らない街でがんばってるぼっちだぞ、お金欲しいです。
何か売れるものと言っても、魔石は有る時払いだ、昨日ギルドの有り金を巻き上げたのでお金ないだろう。
後は何か……アイテム袋の中には?あ~山ほど有るわ。
街の普通の武器屋さん。
普通に剣とか槍とか楯とか売ってる。装備できないけど。買うお金も無いけど。
「おっちゃん、ゴブリンの棍棒って売れるの?」
禿げたおっちゃんの聞いてみる、どうせ要らないのに大量に有る、安くても現金が欲しい。
「あー、買うけど安いぞ。一本が500エレからだ。」
ぼったくりだ、店売りの棍棒は1,000~2,000エレ、買取は500~だ、半分は儲けかよ。まー店の維持費も禿げの給料も要るんだろうけどさー、50%って……いや元の世界のぶっきオフとかだったら100エレも出さないだろう? 優良店なのかもしれない。
「何個くらいなら買って貰えんの?」
10本買って貰えれば5,000エレにはなる、生活費になる。
「何個って?武器屋なんだから、売るって言うなら何個でも買うに決まってるだろうよ。こっちは看板上げて商売してんだぞ?」
おー、流石は店舗販売、買い取り拒否は無いらしい。きっとおっちゃんもいい禿げに違いない。
「ドサドサドサドサッドサドサッドゴッドサドサドサドサッドサドゴトンガタンドタンボテッ、、、、」
「……。」
「……?」
「……すいません、生意気言いました。50本で勘弁してください。」
たいした禿ではなかったらしい。いや、50本も買ってもらえただけで助かる、現金だ、ゲンナマだ、委員長に怒られながらお金を借りなくてすむ。
「当分次は買えんぞ、それだけの量は何処でも無理だぞ、50本でも過剰なんだ、他所に持っていかないと捌ききれんからな?」
「いや、街の人一人一本とか装備だったら捌けるんじゃない?」
「街の住人が全員棍棒持った町とか、怖えぇよっ、旅人逃げるよ、夫婦喧嘩で街が滅びるよっ!?」
うん、俺も嫌だそんな街。
結果、ゴブの棍棒51本と木の棒1本が売れた、ゴブリンリーダーの棍棒とコボルトリーダーの木の棒が追加された。
っていうか、めっちゃ頼まれた、凄い貴重らしい? 見分けつかないけど? ゴブリンリーダーの棍棒は店に飾るんだとか……。
他もLvの高いゴブの棍棒は貴重だとか言って選び、悩んでた。男の癖に買い物が長いおっさんだ、まったく。
「これで店の有り金全部だ、直ぐには無理だが、また持ってきてくれ、これだけの棍棒の品揃えならこの国で一番だぜ!頼んだぞっ」
えらく棍棒の好きなおっちゃんだ……ちなみに鍛冶師だった。
次に来た時には棍棒専門店とかなってそうだ。マニアックだな。
異世界中の棍棒使いが集まる有名店になるだろう。
きっと、撲殺突撃魔法幼女とかも買いに来るのだろう、お金が足りなくて「ふえぇぇぇぇ~っ、お金たりないですうぅぅ~。」とか言うに違いない。
お店を張ってたら、直ぐにオタ達も捕まられそうだ。絶対来るよなー、あいつ等。幼女が危ない!
20日目 朝 宿屋 白い変人
ツケと今日の宿代を払っておく、
「ほーら、受け取るがいい、看板庶民よ」
「うぅぅぅぅー、まいどありですぅー。」
ふふふ、お大臣様だ。億万長者だ。2万5千エレの予定が1、632,300エレだ、大儲けだ。
一泊食事つきで4,500エレ連日だと4,200エレ、食事も普通の物は500~1,500エレで食べられるし、お風呂も1,000エレ。
常客で連泊できるな、宿屋住まいだ。白い変人の常客とか嫌だけど。
「遥君?その袋一杯のお金はどうしたのかな?昨日の夜まで無一文だったよねーっ?
なんでお願いしてツケでご飯食べさせて貰って、泊めて貰って、支払いがそんなに偉そうなの!?何でお財布の中身が波乱万丈なの!?」
「何でって?800万エレから0になっても?次の朝には160万エレ?だから黒字?優良企業?質実剛健?」
没収された、悪逆だ、非道だ、暴君だ、お母さんだ……お小遣いは5万エレだった……。
フェロモンの指輪買えないよ……。没収されなくても買えないけど、異性の好感度は買えないらしい。
何がいるか?武器はいいや、薬もいいや、調味料と食材は絶対だ!あとはー、日用品?雑貨店かな?場所はギルドで聞いたし、5万エレしかないし。
「あれ~、遥君だ~、遥君も~没収されたのかな~? 酷いよね~せっかくのお買い物なのに~?」
副委員長達のお帰りのようだ、Bさんは今日も揺れている、揺れすぎて没収されたんだろうか?いや、充分に残ってますよ、十分過ぎます。けしからん。
「遥君。私達みんなのお金を心配して貰ってありがたいのだけど、自分のお金の心配をすべきだよ。一番心配なのは遥君だよっ」
「私も没収されたっ、ドレスなんか要らないって……買えた服も子供服だったよ……。」
Aさんは、相変わらずAのようだ、没収出来なかったようだ、Cさんも相変わらずAのようだ。分り難い、副委員長A、AA、Eいや、まさかF……ゲフン、ゲフン。
索敵に敵が二人?いや、三人いたっ! フリーランスのスナイパーさんに狙われているんだろうか? 異世界は怖いようだ。
20日目 朝 雑貨屋
名も無い雑貨屋だ、っていうか、看板掠れて読めないんだけど、此処が一番の品揃えらしい。
「調味料と日持ちする食材が有ったら欲しいんですけど?あと、日用品?」
うん、惜しい、あと10歳若くて、5、いや10キロ軽かったら毎日通っただろうって言う感じのおばちゃんだ。
「旅人さんかい?調味料は塩、胡椒、ハーブは今は4種類しかないよ、あと高くていいなら砂糖が入荷してるよっ」
うん、ソースは近代だし、醤油は東洋だろう、ハーブ、香草は有ってもいいな。
「干し肉以外で、保存食とかある?」
「長期なら、小麦粉に大麦粉、干し芋に干し柿、高いのなら干し茸、後は日持ちする芋か干しパンだねー、野菜は色々有るよ」
芋あるのかー、森に無いから期待していなかったよ、茸は高いらしい、要らないけど、絶対に!
日用品を見て廻るが、村人Aさんグッズで足りているといえば足りている、帽子?
「黒帽子 防御 +30 気配遮断 隠密アップ」
あれ?装備じゃん?雑貨屋だから何でもあるのか?結構物がいい。武器屋にはなかったし。
「これは?」
「あー、それは前に来た泥棒から身包み毟り取ったんだよ、その時の売れ残りだから1,000エレでいいよ」
良し、買いだ。ニット帽みたいだが防御力もある。そしてこのおば、、、お姉さんはお強いようだ。
後、生活必需品は、石鹸……あった。ちょっとお高い。が必要品だ。
タオルと言うか、布、手ぬぐい?も買い足しておこう。
歯ブラシは持ってきていたが、歯磨き粉が心もとない。
歯磨き粉の代用品は無さそうだ。歯ブラシも枝みたいだし、大事に使おう。
こうしてみると中世位かと思っていたけど、文化レベル高い?
スプーンも普通に売ってる、木だけど。たしかリアル中世はナイフと手掴みだ。
有る事は有るが、ガラスはお高いようだ、茶色いし曇ってるし歪だ。ポーションのビンは取っておこう。
そしてこっちもお高いが紙も有る、ざらざらで厚ぼったいが紙だろう、パピルスならぺらぺらの筈だし。
鉄もこれ鉄?って言う位の物からファンタジー素材?って言う物まで差が酷い。
雑貨屋が文明の証だったとは思わなかった、ミッドセンチュリーまでは遠そうだ。
「助けて委員長、お小遣いが無くなったよー?」
「何で朝あげたのにお昼に無いの?日本円で10万円位だよ、何でなくなっちゃうの?其れになんで私、青くて耳の無い猫型ロボットみたいな扱いなの?」
委員長のジト目だ。おジト目さまだ、ありがたや、ありがたや。
1エレ=1円くらいと思っていたら2円なの?良くわからん。
取り合えず、雑貨屋さんで見つけた品物をそっと差し出す。
「これお土産のドライ フルーツです、皆さんでどうぞ?」
よしっ、ジト目はドライフルーツに釘付けだ。
やはり、昨日怒られたのもお土産が無かったからだったのだろう、やはり、気遣いは大切だ。
「もう、あんまり無駄遣いしちゃ駄目だよっ、今回だけだからねっ」
怒りながらも、先ほどまでの迫力は無い。心は果物だ。
「本当に、もう駄目だからね!」
そう言いながら、そっと銀貨を5枚くれた、5万エレだ。
足早に部屋に帰って行った、女子会が開かれるようだ。
お昼にしよう、女子達はもう食べ終わっているだろうし、お菓子タイムに突入しただろう。怒られた時の為に、また買っておこう。