前後左右に加え上下の攻撃防御を多用するから前後左右上下に揺れるようだ。
60日目 夜 宿屋 白い変人
今日はバレー部っ娘のAとBコンビなのらしい? だとすると胸が大きくてブラ問題が切実な娘が優先されているのだろうか、確かにバレー部っ娘のAとBコンビならば大きい組に入ってもおかしくない程に立派だ、良く揺れている。
なにせこの2人は元と言うか現と言うかバレー部っ娘だ、前後左右に加え上下の攻撃防御を多用する攻撃型の盾職コンビだ。
だからこそよく揺れている、ボールが入ってる?って言う感じで良く揺れている。だからこそ優先されたのだろう、そ~か~揺れなくなっちゃうんだ~? いや、ちゃんと作るよ? どうも男子高校生には理解と想像と妄想が及ばない程にブラは重要で切実らしい、身体の動きや疲労に係るのならば戦闘職である女子達にとっては安全と命に係わる重要事項らしい。フリルも重要らしい? で引き受けてしまったら俺の安寧と命が危険だった! それはもう昨日も一昨日も命と魂と欲望がパッションパッションと一晩中大暴れでパッションだったのだ。大変だったよ?
でも、普段は大騒ぎで服が開けようが下着が見えようが気にしないで騒ぎ捲くる脳筋コンビが無口にもじもじされると物凄くやり難い! 寧ろ裸族っ娘の仲間キャラだから行き成りぶわああって脱ぎださないか警戒していたくらいなのになんか空気が重い!
だが優先されて来たと言う事は戦闘に差し障りが感じられたのだろう、危険かその予兆があったからこそ優先されたんだろう。ならば俺は恥ずかしがる事無く平常心で装備として淡々と作れば良いのだ! そう、これは戦闘用の装備であり身体を守る鎧なのだ! 脱ぎ易いように2人共前開きのミニワンピだった、そのボタンがおずおずと外されて行く。すいませんでした、無理です! これは平常心どころでは無く男子高校生なあれが非常事態宣言発令しちゃって選手宣誓で宣言できる位の非常事態な非常心です。しかし片や上からボタンを外して行き、片や下からボタンを外して行く……この無言の空気と衣擦れの音がヤバい! 既に甲冑委員長さんの今一あてにならない目隠しは発動しているから見えていないがそのぶん音が妙にリアルだ。俺の平常心の淡々はどうやら悶々に代わった様だよ? (しゅっ)、(ぱさっ)…… 生々しいだー!
「いや無言の空気が重たくてやり難いんだけど? ただ採寸して作って当てて修正して形にして補正するだけなんだよ? 見ても無いんだし、触らないからもっと気楽に「ひぃゃああぁっほぅ~!裸祭だあ~」くらいのノリで良いんだよ? 何かキャラがツイン・電柱さんっぽく無いよ? みたいな? 見ないよ?」
「「ツイン・電柱って言うな~! あと「裸祭だあ~」ってなんで私達其処まで阿呆っ娘キャラになってるのよ!」」
まだ固い? 世間話でもしながら進めよう、話をしていないと妙に音が気になるし「空間把握」で立体を把握しているから気になってしょうがない。だから取り留めのない話をする、今日のダンジョンの話、食べたいご飯のリクエスト、次に欲しい服の種類、そんな毎日の話。きっと未だ昔の話は辛いだろう。
「それで盾っ娘ちゃん改め楯委員長が使ってた「カウンター・シールド」を譲ってくれて……」
「そうそう、だから「ブレイド・シールド」と交換したら~、重さが変わって突っ込んだら……」
話が始まって固さは取れて来たんだけど会話の途中で「あっ」とか「うっ」とかの声を要れないでね? そして「ひゃっ」とか「きゃっ」も気になるんだよ、戦闘中は「おうっ」とか返事してるよね?
「いや別にバレーは良いんだよ? まあ名残は有るんだけどさー全国とかインハイとか? 結局万年2位だし、でも異世界でみんなで戦闘してるのも楽しいよ? きっと騒いでいたいの、一生懸命に頑張ってうわああってなりたいの、だからコレはコレ?」
「だねー、何かみんなで戦って勝ってわあああっって良いよねー。うん、きっとバレーじゃなくても良かったのかも? あ~、でも中高万年2位のままだけはムカつく~!」
女子達の中では比較的に精神が強いし適応力も高い、でもまあ強がり半分と諦め半分と楽しんでるの半分と何も考えてないの半分で足して2人分のようだ。まあいつか海でも見つけてビーチバレーを普及させてビーチバレー選手権でも開催してあげよう、あれなら2人で出来るし? 子供の頃から練習して身に付けた技術や経験が全部無駄になるなんて勿体ないし悔しくない訳が無い、ビーチバレー位なら普及出来るだろう。勿論ビーチバレーのユニフォームを作るのは全く以て吝かでは無い、もうビーチバレーを普及させる前にユニフォームだけ普及させちゃう位に強力に協力的な今日この頃? みたいな?
委員長達はテニス部だったが普及は必要なんだろうか? ユニフォームの? 小動物は確か陸上部だったが今も駆け回っているからほっといて置いて良いだろう。だが新体操だけは普及が難しいだろう、あれは設備もいるし競技自体が複雑で選手なんてすぐに育つようなものでは無いだろう。レオタードはもうあるんだよ? うん、甲冑委員長さんが10枚くらい持ってるよ、勿論着せたんだよ? 堪能しました。
そんなこんなと話しながらも魔手さんは採寸を続けて至考さんに情報を送り続けている、脳内にプヨンとかプリンとかの擬音が響き渡る。いや、「至考」さん翻訳しなくて良いからね? それはスライムさんじゃ無いから会話は求められていないし会話していたら事案なんだよ? しようとしたっていう事は翻訳できちゃうの? いや、しないんだけどね? しないんだよ?
元々がお椀型で引き締まっているから無理に吊ったり抑えたりは必要ないみたいだ、重量の分散と固定重視で後は激しい動きで紐部が擦れ無いように注意が必要だろう。なんだかちょっぴり慣れて来た自分が嫌だ、決して全然まったく以て嫌いでは無いんだが特技がブラのオーダーメイドって言う男子高校生がなんか嫌なんだよ? 俺の好感度さんは元気にやってるかなー(遠い目、ただし目隠し中)。
そして順調に進んだがやっぱり下はグダグダだった、お尻は引き締まって持ち上がっていたんだが筋肉質なので再設計が必要だったのだ。つまり……全部「魔手」で触診採寸して「掌握」で掴んだり? グダグダだった、測る方も測られる方も精神的な消耗戦だったとだけ言っておこう。やはり音声こそが危険なのだ。
きゃうんって何?
ようやく完成して完全に寸法も肉質も把握できたので軽い気持ちでバレーのユニフォームを作ってあげたら涙ぐんでいた、でも喜んで部屋着にするそうだ。今度ブルマも作ってあげよう、勿論甲冑委員長さんにも作るのだ! その甲冑委員長さんはお揃いだからバレーのユニフォームをじっと見つめている、いるの? あれはみんなは持って無いんだよ? まあ作るのは全く欠片も吝かでは無いんだけど、涙ぐんでいる娘達にあげたものと同じ物で夜に頑張るってね~? 色違いで良いでしょうか?
そして苦難の時間も終わり脱ぎたてホカホカ生下着は残されているんだが装備制作だ、きっと先に生下着だとその後の装備制作が双美を揉んで精作しちゃうんだから先に装備制作だ。
気になる事も有るし試してみたい事がある、鑑定だ。今日の「鬼神のツヴァイヘンダー」は素材まで鑑定できた、他は分からないのに「鬼神のツヴァイヘンダー」だけは素材鑑定できたのだ。そして素材は全て知っているものだった、って言うか持っている。
鉄にミスリルに黒金だ、黒金は以前坑道の街で取れた謎金属の置物を大人買いして帰ってから錬成していたら取れたものだ。
これが製造か複製できるのなら莫迦ファイブ全員に持たせられる、あいつ等は莫迦で莫迦で本当に莫迦で莫迦で心の奥底から莫迦で莫迦でとっても莫迦ですっごく莫迦で莫迦でどうしようもない位に莫迦な上に莫迦なのだけれど強いのだ。
あの5人が軍団にいるからこそ崩れない、一人一人の個人が強くて連携力にずば抜けて直感力なら天才的で頭脳だけが天災で底抜けているのだ。あの5人纏めて強化できると凄まじく崩しにくい軍団になる、全員の安全性と戦力自体が上げられる。ただ投げそうで作りたくないだけだ、だってハルバート投げてブーメランで殴っていた奴らなのだ。だが強いのだ、恐らく単体最強クラスで。
「魔手」で触診し「掌握」で解析し「至考」で分析する、剣だから楽しくないが調べ尽くして情報化する。完全に情報化出来材料が揃っていれば理論上は錬金で複製できる筈なのだ、まあ多少能力はおちるかも知れないがミスリル化すれば充分に使えるはずだ。
ただ出来たとしても「鬼神のツヴァイヘンダー」は2メートルを超える大剣だ、きっと莫迦たち以外には使いづらいだろう。あんまり儲かりそうにはない、だが武器の複製が出来る様になれば武器装備不足は一気に解決できるかもしれないのだ。試す価値はある、楽しく無くても。
意識を剣に集中させていく、生下着の方は見ちゃ駄目だ!
素材から成分へ、金属から設計へ、解き明かす、解明し解析して分解する。制作された作品を巻き戻して元に戻す様に、その制作過程を解き明かす。
このデカさと重さはPoWでは使いこなせないだろう、身体の反発力と姿勢制御と重心移動の3つが揃わないと剣に振り回される。この重さを反動に利用し遠心力に変えて取り回せる感覚なんて野人にしか無理だろう、-InTのデメリットは有るがどうせ原始人だから問題ないだろう。
最適な武器だろう、投げない様にブーメラン没収しよう。
5本の「鬼神のツヴァイヘンダー」が目の前にある、もうどれがオリジナルかも分からない。適当に並べたから本当に分からない? 全部が「鬼神のツヴァイヘンダー PoW 60%アップ 暴檄 +ATT -InT」、完成だ。まあ今度はこれをミスリル化って……ミスリル化してから複製すれば1回で済んだんだよ! 今から5本、楽しくない作業が5回。
千里の道も一歩から。 ローマは一日にして成らず。 大きなウリエッタは小さなアレサの集合である。 生下着への道は内職から、みたいな。