そのタイトルはアニメ化も映画化も実写化自体も厳しいだろうがHな本なら作られそうだ。
60日目 朝 ダンジョン
37階層まで踏破して攻略の順番待ちでほったらかしだったダンジョンを貰った、オタ達が途中まで攻略してたけどユニオンに呼ばれてからずっとほったらかしだったのだ。
近かったんでオタ達に37階層まで扉で送って貰って別れた、いつものウンウンポヨポヨな3人だ。
今日は中層だけだから2人もいなくても大丈夫なんだけどお供らしい、「使役」の効果なのかわりと付いて来たがるんだよ? そう言えば宿でも常に気付くと背後にビッチ達がいるんだけどあれって使役の効果だったの? まあこっちからは解除できないんだけど、何故か解かせて貰えない。噂では恩返しするまでらしいのだが「ビッチの恩返し。」ってアニメ化も映画化も厳しいだろう、エロい本なら作られていそうだ。
中層でも魔物がノロかったり少なかったりだと今一練習にもならないのだが今は「魔纏」を使い続ける事こそが重要だろう、経験が蓄積されればされるほど「至考」さんがそれを基に計算し演算してフィードバックしてくれれば制御が楽になるはずだ。
安全な自動発動スキルの「チートスキル」とは違う、手動の「ジャンクスキル」を無理矢理に何十個も混ぜ合わせて繋げてそれを同時に操作し制御するのだから失敗する可能性が高いし成功はしていても制御を超えれば自壊する。
「まあ自己破壊自己再生の無限ループで全身複雑骨折筋肉断裂、全治一秒、わんもあせっと? みたいな? 感じ?」
回復速度まで急上昇しているから戦闘中でも再生中だ、致命的な損傷に気を付ければ問題なく戦える。まあ脚が壊れるとまじヤバい、魔物の群れの中で突っ立ってるとか危険どころかいつ頭を齧られてもおかしくない危機なのだ。
しかしまあ「バウンド・ドック Lv38」って最強なの? 愛がすべてで誓っちゃうのだろうか? まあ跳躍するワンちゃんだから拳を固めて叩きのめしてみよう、まあ「世界樹の杖」で叩くけど強く強く叩いたから良いだろう。消滅してるし?
(ポムポム!)
スライムさんは赤くなり火炎を纏ってお食事中だ、ホットドッグ何だろうか? そしてスキル「跳躍」を沢山食べてご機嫌で跳ねまわっている、でもダンジョン狭いんだからピンボールみたいに壁に弾かれて乱反射するポヨンポヨンさんだよ? 楽しそうだがバウンド・ドック達は奇妙奇天烈複雑怪奇な跳躍弾道から必死に逃げ惑っているけどまあ良いか?
「甲冑委員長さ~ん、まだ動きがおかしいけどこれってどうなの? 何か慣れても今までと違うものになってる気がするんだけど? これで良いのかな~、何かめちゃ邪道っぽい気がして悪辣な感じが醸し出されて邪悪な悪役っぽくない? みたいな?」
(ウンウン!)
良いらしい、まさか悪辣で邪悪な悪役にウンウンでは無いだろう、違うと思いたい。心当たりは毎晩あるが違うはずだ。
あれがお手本だったのだろうか? あのスライムさんのピンボールみたいに弾かれる奇妙奇天烈複雑怪奇な乱反射の攻撃、もう身体のあちこちが「転移」で瞬間移動を繰り返し「瞬速」や「疾駆」で加速されて行く今の状態では流れる様な無駄の無い動作を作り出し制御する事は無理がある。ならば動作は捨てて結果だけを逆算し辻褄合わせで操作する方が最適だ、斬るまでの動作の精密さを捨てて斬る、斬ったという未来の結果からすべてを逆算し行動させて最後の「斬った」と言う結果に無理矢理に纏める。出来るのだろうか?
やってみたが意味が分からない?
どうして上段から振り被って正面に打ち下ろした一撃で魔物が横から一直線に両断されるのだろう? 斬撃まで「転移」してるの? もう自分の立ち位置もおかしい、前に一歩踏み込んだら敵の背後に向かっていたりする。斬ると言う結果以外の全てがめちゃくちゃだ、そして魔物の攻撃を擦り抜けている。
これはバニッシュ・ウルフ何かが使っていた「消失」と同じ効果だろうか? 瞬間超短距離転移で擦り抜けている? 一瞬だけ消えているのだろうか、空間ごと飛び越えている? 理解不能過ぎるが「至考」さん任せだから「至考」さんは理解しているのかも知れないが俺の思考が間に合わない、だから訳が分からないまま戦い意味が分からないまま斬っている。
結局40階層の「ブレイド・スワロー Lv40」の群れは意味不明なまま斬り散らされて消滅していった、勝ったのにどうやって勝ったか分からないと言う謎戦闘だった。
何せブレイド・スワローに向かって袈裟切りに放った斬撃が真下から燕どもを薙ぎ払うのだ、意味不明だ? ブレイド・スワロー相手に燕返しだったのだろうか? 巌流は無理だよ、俺は「待たせたな。」とか言われる前に船攻撃するよ? だって先に着いた方が有利じゃん、絶対に待たないで罠仕掛けるよそんなもん。大体俺は燕返しより毎晩仕返しで大変なんだよ?
だが見ていた甲冑委員長さんはウンウンしている、良いんだろうか?
スライムさんはぷるぷるしている、見てなかったんだろう。燕が美味しい様だ、でもスライムが「飛燕」のスキルを覚えてどうするんだろう? ぴよぴよ?
待機中です。
44階層はお久しぶりの「ミスリル・ゴーレム Lv44」さんだ、世界樹の杖で下手に攻撃すると消滅してしまうから勿体ない。甲冑委員長さんが絶賛切断解体中だ、スライムさんもこっそり食べてるけどちょっとくらい良いだろう。
スライムさんは偶にミスリルの剣やミスリルの槍を出して戦っている、だが俺は一度もミスリルの剣やミスリルの槍をスライムさんにあげた事が無い。だとしたら体内で作りだしているのだ、ミスリルの武器をミスリルから生成して作成して使用している。なら食べさせても良いだろう。
偶にスライムさんが銀色になって攻撃を弾いているのも実はミスリル化かもしれないのだし、役に立っていて美味しいのならば食べさせても良いだろう。まだミスリルの在庫にも余裕は有るのだ。
「まあこの訳の解らない技なのか何なのかすら意味解らない奇妙奇天烈な動作ので複雑怪奇な組み合わせの奇想天外な攻撃制御で吃驚仰天しながら使いこなすしか無いのかも知れないんだけど出来るかそんなもん! これなら不可能に近くても「虚実」を目指した方が健全だよ、これは何て言うか自分で何をしているのか分からない。あれっ、よく考えると日常的に自分で何をしているのか分から無い事が凄く普通に有るんだから問題なし? 戦闘までそんな事で良いの? 」
「どっちも……いる……ひつ、よう。デス?」
どちらも必要なのだろうか? それとも「デス」って殺られるんだろうか? まさかのヤンデレさんでは無い様だから謎攻撃も「虚実」も必要なのか、もしくは両方を練習する必要があるのかなのだろうけど厳しい。まあ「デス」られるよりはマシだろう、「ボコ」じゃ無いから大丈夫だと思いたい。
隠し部屋も有ったんで寄ってみたが「鬼神のツヴァイヘンダー PoW 60%アップ 暴檄 +ATT -InT」と初の60%だが脳筋兵器だった。どうしよう、莫迦達しか似合いそうにない脳筋さだがあれ以上莫迦になったらもう言語も理解できなくなるかもしれないのだ。まあ莫迦だから良いか、今でも言語だけ理解して内容は理解できていないに違いないのだから。
しかしデカい、ツヴァイヘンダーは人と同じ大きさのある大剣だ、1・8メートルくらいだったはずなんだがこれは2メートルは有るだろう。この大剣でスキル「暴檄」って脳筋過ぎるがブーメラン持って殴り掛かるよりはましな気がする、そもそも剣士や騎士職なのにブーメランじゃ補正も掛からないしスキルも付かないんだからこっちの方がましな筈だ。あいつ等は未だちゃんと剣の使い方を覚えているんだろうか? 心配だ。
「じゃあ降りようか? もう中層だから……って下層でも遊んでるから適当で良いのかな? 良いのだろうか、でもまあ美味しく頂きました。で終わりそうな気がするんだよ、日々の経験から言っても。まあ美味しい魔物が出なかったらおやつにしよう。っていう事で降りようか。」
(プルプル~。)
魔物もおやつも食べるって強欲さん並みの暴食さんだった、でもどうしてもダンジョンの中だとスライムさんに甘くなってしまうんだよ? だってあの初めて会った時のお腹を空かせながら満足に魔力も使えずにまともに力も出せないままに必死で戦っていたスライムさんを思い出してしまうから……まああの時絶好調だと委員長達が食べられてたからそれも困るんだけど、まあお腹いっぱいになるくらい甘やかすくらいきっと良いんだろう。毎日が嬉しそうだし。
じゃあ降りて魔物で、その後おやつだ。
いつもお読み頂きましてありがとうございます。
累計で11,000,000以上のアクセスをいただきました、相変わらずの乱文を読んで頂いてありがとうございます。
珍しく書き為が在りましたのでお礼と共に投稿させて頂きました、もし万が一何かの間違いで御気に入って頂けてお付き合い頂ければ本当に幸いです。ありがとうございました。




