防衛戦の布陣の陣形の鶴翼はぽよぽよだが縦深陣はぷるぷるらしい?
57日目 早朝 宿屋 白い変人
あれから王女っ娘とメイドっ娘の感動の対面をしていたが関係無いから帰って来た。いや、マジ無関係だよ?
何か抱き合って話し合っていたが聞き流して帰って来た、決して何とか王国の何とか王に何とか貴族が何とかかんとかで何とかが何とかに向かって何とかって言いだしたから何とかだって話が理解出来なかった訳ではない。そう、聞き流した。
そして会議中。お休み派と迷宮派と偽迷宮に偵察派とで論議が積み重ねられているが、チャイナリターンマッチ派の俺はマイノリティーで除け者にされている。だって赤チャイナさんが待ってるんだよ?朝リターンマッチ出来なかったせいで赤チャイナさんがぽつんとお部屋で待っているんだよ?本命だったんだよ…。
「だって階層主戦が4つも貯まってるし試験も不合格のままなんだし?」
「でもなんか朝から疲れて集中力ヤバくない?何気に寝不足だし?」
「それよりもチャイナドレスは雑貨屋さんに入荷しているの?チャイナは何処?」
「侵入されちゃったから上空の警備もしないとまた来ちゃうよ?」
確かに空からの襲来は予想だにしていなかった、ただ「バルーン・バット」は珍しい魔物で数はいないし現在は辺境軍が接収している。王国に飛行する手立ては殆ど無い。だから無くは無い。絶対安全なんて保障は何処にも無い。
「王国の情勢は後から教えて貰えるんだし迷宮か訓練かはしとくべきじゃない?」
「でも誤解とはいえ暗殺者を放って毒殺しようとしたんだから結構拙いんじゃないかなー?」
「本気で謝ってたみたいだから領主様の判断になるんだと思うけど、必死で助けに来たんだよねー?」
王国の情勢がややこしいから計画が全く立てられないのにメリお父ーさんが王都に突撃しそうでてんやわんやの騒ぎだから逃げて来た。絶賛分裂中みたいだ、王族も貴族も軍の派閥までもう誰が敵だか味方だか分からないようだが民衆と言うか国民はおおむね味方のようだ、辺境の悲劇は知れ渡っており、そこで暮らし魔物と戦う辺境の民に同情と感謝の念が在る様だ。
そして訳が分からない中で間違いない敵は教会だ。そしてその教会が崇めるのが何とかって言う老神だ、老人だ、爺だ。よし敵だ!滅ぼそう!もう決定だ!やはりありとあらゆる原因はあの爺だ、そんなもん崇めるなら碌な奴じゃない焼き払おう、浄火運動週間だ、火の七日間だ、よしやろう、今やろう、今すぐ殺ろう!
「おーい!悪い笑顔になってるよー。もう魔王が泣くくらいの邪悪な笑顔だからねー? もうその笑顔って絶対世界を滅ぼしちゃう人の笑顔だよー? 邪悪を超えて凶悪さんを上回って1周回った普通に悪い顔だよ、何をしようと思っているか分からないけど虐殺とか殲滅とか蹂躙とか皆殺しは禁止だからね? 普通は禁止されなくても禁止だからね?」
爺とその仲間たちの殲滅は禁止らしい。だとすると残された道は掃滅か剿滅か根絶やしに駆逐で鏖殺して撲滅で全滅に抹殺の根絶に一掃位しか出来ない?どれが良いのだろう?みんな素敵そうだ。だが掃滅と言う響きも良い物だ。まさか辺境に戦争を仕掛けさせておいて自分たちが縊り殺しをされるのは嫌なんて言わせない、だって戦争なんてただの殺し合いだ、自らも殺される運命を背負うのが殺し合いだ。だから嫌とは言わせないし言っても聞く気なんて微塵も無い。
「いやだって教会潰しちゃった方が早くない?どうせ爺の所みたいだしみんな虐殺されて白い部屋に送り込んだら喜ぶんじゃない?爺フェチの集まりなんだしそういう性癖で趣向の人達なんだよきっと?」
「「「いや宗教だから!趣向じゃ無いから!」」」
何故だろう?発言が禁止になった、スライムさんですら意見を求められてぽよぽよしてるのに俺だけ禁止されたんだよ?しかしどうして偽迷宮防衛戦の布陣の陣形の意見をスライムさんに聞くのだろう?因みに鶴翼はぽよぽよだが縦深陣はぷるぷるらしい?
多数決。
お昼まで休養して昼から階層主戦を1戦か2戦しよう、って言うか昼までに何かあるか様子見だ。
なのにチャイナリターンマッチ案は却下された?1戦か2戦しないらしい。まあ流石に無理だとは思っていたが朝からは駄目らしい。
なので雑貨屋や武器屋を覗きつつ街をぶらついている、来た頃は石詰んだだけの灰色の凸凹してた建物だけだったが最近は白い壁ブームで石灰や石灰石が結構売れている。実は隠れ収入源だ、やはり雑貨屋や武器屋の改装効果で売り上げが急上昇して大儲けだったりする。まだお店屋さんくらいだがお店屋さん自体が増えているので街の景観が少しだけ明るくなった、家の建て替えも増えて来ている様だ。
そして豊かになってお金が循環を始めたから施設も増えて来た、メリお父ーさんが最初に街中で手を付けたのも孤児院だった。冒険者の子供や滅びた村から来た子供たちにちゃんとした施設を提供する事を最優先にしたのだ、辺境を守った者と辺境が守りきれなかった者への贖罪とその子供たちの未来の為なんだろう。ただどうしてメリお父ーさんは孤児院を雑貨屋に注文して、雑貨屋のお姉さんは「家」って俺に注文を出したメカニズムが謎に包まれたままだが作った。真っ白なチャペル風の建物だ、これで石灰が売れに売れたのだから孤児院なんて安い物で大儲けのお大尽様なんだよ。まあ家を受けたら次が村だった、あの雑貨屋は侮れない!
そして何をしようかと言うかあれをしようかと言ってジトられたりぽよられたりしていると兵隊さんがやって来て問題が起ったので領館に顔を出して欲しいと告げられた。顔を出すも何もさっきそこから戻ったのにまた呼ばれるの?何でその場で言わないの?まあ面倒そうだから逃げたんだけど?
そしてどうやら問題は剣をくれたメイドさんの問題らしい、死者も重傷者も出ていないが暗殺者を送り込んだのが問題だったのだろう、だけどそれで俺が呼ばれる意味が分からない?剣はもう売っちゃったから証拠品は無いんだよ?もう売ったお金も使っちゃったから無いよ?さあ今日の宿代も使っちゃったからまた怒られる気がするんだけど何処からかっさらおうか?朝の冒険者ギルドジト目も済ましてしまったし使ってしまった、だってソースっぽいものもトマト大量入荷だよ?あの時これさえあればとんかつソースに挑戦できたものを……またぼったくろう。それに砂糖が値が上がって来ている、鎖国状態の影響が出始めたのかも知れない。ちょっと密輸業も頑張らないといけないようだ。
そんなわけでまあ剣貰っちゃったしちょっとだけ弁護して上げに領館へ戻る。お昼までに帰れるだろうか?だって結構メリお父ーさんの話が長いから面倒なんだよ?しかもマッサージチェアーの順番が待てないらしい、きっと仕事し無いから座らせて貰えないんだよ?異世界苛め問題だろうか?
「そのメイドさんは良いメイドさんだから減刑を望むんだけど1本だけだったからちょびっとで良いよ?うん、あそこで5~6本出てたら嘆願書書いて来たんだけど安かったしもう使っちゃったからちょびっとで良いよ?っていう事で帰って良いかなー?みたいな?」
一応減刑の申し出はしたしどう考えても俺に関係が無い話だ?確か軽傷者も兵隊さんだったはずだし呼ばれる理由が良く解らない。
そしてメリお父ーさんが言うには問題は暗殺未遂の方らしいが宿の方は木窓の修理代だけもらえれば良いんだし既に俺が直したから修理代が貰えたら大儲けだ、宿代が払えるかも知れない。
ただどーも話が通じ合っていない気がするんだよ?しかもメリお父ーさんが問題視している様だ。でも実行犯な訳でも無いんだし、計画自体もメイドさんではなく王家らしいからメイドさんに文句言ってもっ仕方なくない?チャラ王連れて来てボコるんなら分かるんだけど、どーせ「暗殺あげぽよー」とか言ったに違いない!よし、滅ぼそう。
「……だからたとえ誤解で在ろうとも毒剣を抜き切り付けた事は無視出来ぬだけの凶状なのだ、間違いで在ろうとも殺人未遂は咎めも受けず無罪放免では許されん問題だからね?」
「えっ!誰かを切り付けたの!そりゃあ怒られるんだよ?俺も良く怒られるけど俺は悪く無いから良いんだけど切り付けたら怒られるから謝っといた方が良いんだよ?コツは俺悪く無いって言うのをアピる事だよ、最近では1日80回くらい言ってるんだけど未だに効果が無いのは何故なんだろう?まじで。」
「「「うえぇっ?」」」
何?何なの?何事なの?うえ?上?上を見てみたが何も無い?何なの?何々何が有ったの?上に良い事が有るのだろうか、だけど天井には何もなかった?上の階で良い事?着替え中とか……ちょっと用事を思い出したから行かねばならぬ場所が出来たんだよ!いざ行かん!みたいな!
「いや。遥君を毒刃でもって切り付けたと聞いて問題になっているのだけど覚えていないかい?影から剣で突かれたよね?」
「剣なら貰ったけど?あんまり高く売れ無かったけど?俺のだよ?あげないよ?「はい。」ってくれたよ?」
「…それってスキルの「覇威」じゃ無かったのかなー?あんまり影顰から「はい。」って剣をくれたりしないと思うんだが?」
「いや貰ったし!「はい。」ってくれたら俺のなんだよ?でも待ってたんだけど剣一本しか貰って無いからもう無いんだよ?あげるの無いよ?」
「「「……。」」」
まったく人の厚意を信じられない何て悲しい大人にはなりたくないものだ、だって貰ったんだから俺のなんだよ。大体世の中「はい。」って渡されたら貰ったに決まってるじゃん?全く何を言っているんだろう、もう少し常識と言う物を身に付けて欲しい物だ。
唇を噛み締めて終始無言で涙目で見つめていた王女っ娘が口を開いた。残念ながらエロドレスでは無かった、誠に残念なんだよ。
「遥様!では切り付けられた事は無かったと言う事で宜しいのでしょうか?仕出かした事の重さを鑑みれば其れほどのご厚情を頂けるような身ではありませんが?本当に許して頂けるのでしょうか?此方からはお願いすら出来ない程の寛大な処置ですが?……セレスを、メイドをお許しいただけるのですか?」
「いや?「無かったと言う事で宜しいのでしょうか?」って無かったんだよ?だから俺のなんだし売っちゃったからもう無いよ?髭のおっちゃんの所で絶賛発売中だよ?マジで。」
ようやく理解できたようだ、やっぱり異世界語がおかしいのだろう。何故ってこんな簡単な話すら此処まで通じ合わない何て言語に問題があるとしか思えない。全くいらない苦労をさせられてヤレヤレだ。
そうして釈放された涙目のメイドさんは何故かメイド服ではなく王女っ娘にあげたエロドレスを着て現れた?全く誰だよこんなヤバいところ以外はシースルーだらけで挙句にヤバい所の傍には隙間が入っている、けしからん!デザイナーを呼べ!甲冑委員長さんの分も注文だ!って俺だった!内職しよう。
だって首から肩、そして両腕まで透けるシースルーの生地に包まれ、胸元には横一線にスリットが入り白く艶めかしい肌と胸の谷間が晒されている、そして胸の形を強調する胸部から下は胸下から腰までのシースルーの薄地を纏わせるのみの括れからお臍まで透けて見える妖艶な無防備さだ、腰の辺りを切れ込む深いスリットから覗く縊れた脇腹から腰骨の肌が白いアクセントになり太腿まで覗かせている、そして脚に纏う薄地には前後の中心線を切り込むスリットが足首から内腿までの脚の美しさを見せ付ける。そしてその深い隙間から見え隠れする網タイツの破壊力!
エロいです。
この歩くだけで隙間から大変な所が見えそうで見えないのが艶めかしく白い肌がチラチラと覗くから余計にエロい、しかもシースルーで隠してる様で隠していない曲線美の女性らしさが大変にけしからないと思われます?しかも歩くとチラッと内腿が現れてドキドキでこんにちはするなんてとても素敵なお召し物だ、帰って作ろう。さあ帰ろう。
エロりたいです。
「今度は御容赦を頂きこの身を免罪され命を助けて頂きありがとうございました、先の御無礼の段を平にご容赦下さい。姫様からも事情は聞きました…でも半裸ワッショイしちゃってましたね?しかもドレスのこのエロさは何なんですか?これ裸より恥ずかしく無いですか?何か隠してるより覗けそうって煽って無いですか?礼服が無いからってこれ人目をかえって憚っていませんか?誰も目を合わせてくれませんでしたよ?そして何でガン見してるんですか!そして誰がこんなエロいドレスを姫様に着せようとしてるのですか?王女にこんなエロティックなドレスを贈るなんて言語道断です!不敬罪です!極刑に値します!打ち首獄門で晒し首です!…(以下罵詈雑言)」
しかし王女っ娘の身体のラインに1cmの差も無くピッタリと張り付くように作ったドレスがちょうど良過ぎる?これって影武者さんもするのだろう、余りにも体型が一致し過ぎる、何故ならギリギリ見えないのだ!ちょっとでもずれが有ったら大事な所が見えちゃう限界のデザインなのに見えない!つまりジャストフィットしている。
もちろんエロドレスでジト目する姿を保存したのは言うまでも無いだろう。家宝にしよう、これは代々引き継いでも代々の男子高校生に喜ばれるだろう、とても使えるだろう。出力が出来ないのが問題だ。
お読み頂いてありがとうございます。
200部もお付き合い頂いて本当にありがとうございました。
相変わらずの修正も手付かずの殴り書きで申し訳ありませんがこれからも細々と迷走しながら進めていこうと思っております、もし万が一何かの間違いで御気に入って頂けてお付き合い頂ければ本当に幸いです。重ね重ねありがとうございました。




