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委員長に委員長と言うのが最高の褒め言葉だ。

19日目 宿屋 白い変人



 「知らない天井だ」


 あー、やっと言えた。もう駄目かと思ってたよ。


 このままテンプレすら出来ずに暮らすのかと思ったよ。


 まじで知らない天井だ。


 間違いない。


 知らない洞窟だの、知らない森の中だの、知らない女子校生だのじゃ無い。


 例え宿の名前が白い変人でも、白い変態でも、宿の天井は知らない天井だ。


 今度こそ知らない天井だ!寝る前に見たけど知らないったら知らないんだ!


 異世界転移してこの台詞言う迄に20日近く掛かるとかおかしくない?


 普通はお城からだよね?王女様だよね?っていうか最初からおかしいよ?なぜ女神様じゃなくて爺?其処から駄目だし、呆けてたし。


 まあ、とにかく異世界に来て街に着いた。


 やり遂げた。


(Fin)



 「おはよー、朝から勝手に終わらないで欲しいんだけど?しかも遥君は着いて来てくれただけで最初から街を目指して無かったよね?まったくさっぱり何一つやり遂げて無いんだけど何で終わっちゃうの?」


 この宿では、モーニングコールの変わりに、モーニング突っ込みのサービスが有るんだろうか?ジト目付きだ。宜しくお願いしよう。


 俺の旅はまだまだこれからだぜっ!って感じで永遠の第一部完とか、未完とか?終わらないらしい?


 こんな異世界サバイバルかと思ったら田舎暮らし?って、毎日お魚と茸を獲る話なんて跳ねる週刊誌なら一週持たないだろう。この世界でもそろそろ打ち切られそうだ。

 

 「おはよー、委員長。今日も委員長だね。」


 「何で褒め言葉見たいに使われてるの?どうして良い事言ったぜ見たいな顔してるの?そんなに、毎日委員長交代しないから、毎朝委員長だよっ?って言うか、もう学級も無いのにいつまで学級委員長なのって感じだよ。」


 残念ながら、我が校では委員長に委員長と言うのが最高の褒め言葉だという事を知らないらしい。


 他のクラスの委員長?知らん。見たことも無いし。見た事が無いと言う事はいるかどうか解らないと言う事だ。うちのクラスの本物の副委員長ですらいまだ発見されていないのだ、いても知らん。


 「で、朝からどうしたの?お腹がすいたの?朝御飯が待てないの?茸食べる?」


 「どうして遥君の中で私はひもじい子なの?何時もお腹を空かしてるの?違うよっ、お話しに来たんだよっ。」


 違ったらしい、暴食のスキルは持っていないようだ、代わりに、、、、いえっ、何でも無いです。


 「昨日、ギルドでね、皆で手分けして情報を集めたの。それで、、、遥君にも伝えておこうって、、、。」


 伝え難そうに、言い難そうに、俺の事なのに自分の身が切られる様に、辛そうに話を始めた、、、。


 「あー、レベルの壁?」


 「えっ?何で知ってるの?誰に聞いたの?全部、、知ってる、、ん、、だね、、、。」


 やはり、レベルの壁の話を聞いて、俺にどう伝えようか迷っていたのだろう。悪い情報を伝えなければならないと。


 どう伝えようと、こう伝えようと、どうしようもない話なのに。


 レベルの壁、其れはこの世界のルール。


 一番解りやすいのが装備だろう、特に武器が解り易い。


 たとえば、一本の剣があるとしよう。


 この世界にはLvがある。


 剣にも有るのだ。


 普通の鉄の剣で最下級でもLvは20、これを扱えるのはLvが20の人間だけ。


 もちろん、手に持つ事はできる、振ることも出来る。


 違うのはスキル、例え剣術のスキルがあっても、Lvが20無ければスキルは発動しない。


 そしてこの世界で最も重要な物の1つと言われるのが、ウエポンスキル。


 剣なら「スラッシュ」や「スラスト」が基本技になる。


 切ったり突いたりするだけの技だが、ウエポンスキルだと威力が違う。


 逆に、剣を始めて持っても「スラッシュ」があり、Lvが足りればウエポンスキルとして発動する。


 そして、Lv20のウエポンスキルは、Lv20以上無いと受けられない。


 これがレベルの壁。


 この世界で、レベルは絶対的といわれる理由。


 レベルに差があるだけで、ウエポンスキルにやられる、防御のウエポンスキルだと攻撃が効かない。


 つまり、どれ程強くなろうと、ステータスが高かろうとも、Lvが上がらない俺は負ける。


 魔物もウエポンスキルを持っているのだ、そしてこの世界は人が普通に人を殺す、ウエポンスキルが取れない俺は何れ殺されるだろう。


 ゲーム オーバーだ。


 死亡宣告だ。


 もう詰んでるよ、と俺に告げに来たんだろう、朝早くに、たった一人で、、、だから、今日も委員長だ。


 誰だって言いたくないし、言えないだろう。


 だが、伝えないと危険だ、知らなければ命に係る。


 伝えれば、憎まれるかも知れなくても、、、、、、。


 「あ~、おっちゃんたちに聞いた。えーと?おっちゃん三人衆?」


 「あー、冒険者ギルドのギルド長のハキエスさんもその三人衆の入れられちゃってるんだね?ギルド長すら憶える気無いんだね?」


 「ありがとう。委員長。目の下に熊が出来てるぞ」


 きっと、どう伝えれば良いのか一晩中考えていたのかも知れない、俺がどうなってしまうのか心配してくれたんだろう、目の下に熊が出来てるし。


 「いやっ、熊は出来ないから!どんな目なのっ、下が熊って!なんで隈じゃなくて熊作っちゃうの!」


 熊じゃなかったらしい、くまもんは元気だろうか?会った事無いけど。多分?クラスにはいなかったと思う?


    ・

    ・

    ・


 それから朝御飯!パンダヨパン!パン!ぼさぼさパン!チョー硬いけどパン!異世界なのでじゃパンは作れていないようだ。


 「パン有んのかー。小麦粉を買って帰ろう!食材を集めるのだ!この世界の食材の全てを我が手に!フハハハハ!」


 「なんでパン食べると、世界を手にしちゃうの?異世界迷惑だよっ」


 ギョギョっ娘に叱られた、お魚さんを褒めなかったからだろうか?そう言えば、お父さんとお母さんはお魚だとか言っていたし、思い入れが在るんだろう。


 「ホームシックか?仕方ないよな、大丈夫だよ、お父さんとお母さんもきっと元気に泳いでるから。」


 「お父さんとお母さんをお魚さんにしないでーっ!」


 叱られた、お魚さんって言ってたよねー?聞き間違い?まさかおさかな君!?お母さんも!?元の世界は異世界より異常なようだ。


 「今日はどうするの?朝から出かけるの?朝ギル?朝ギルしちゃうの?」


 まー、買い物とか行くにしても先ずはギルドだろう。俺まだお金持ってないし。


 「なんで朝マックみたいに朝ギルしちゃうの?」


 「何か皆テーブルでドリンクしながらだべってたし?今なら100エレ!とか書いてあったし?」


 1杯が100エレなのだから1エレ=1円位なのだろうか?100エレショップとか有りそうだ。本屋は無いかなー?


 先ずはお金だ、数はあったがF級の魔石だ、大した額にはならないだろ。


 ただ、俺はお金が掛からない。


 Lv9では武器も武装も装備できない、使えるのは木の棒位らしい。持ってるし。


 皮の鎧も無理らしいから、お金が要らない。


 まあ、冒険者にならないから準備も要らない、なれないし。


 やはり、食材と調理器具、特に調味料!塩はある、何故か減らない!村人Aさん、どんだけ塩買ったの?


 本屋は無いそうだし、本無いんだよ?本読みたいんだけど?、、、飛脚るのか?ついに。


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