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そのPoWはステータスでは測れない恐るべき力量で異世界でも無双だった。


56日目 昼


 最悪だ!完全に警戒していなかった、今日は誰も味方がいない俺ただ一人なのに油断しきって気が抜けていた。迷宮探索はお休みで鍛冶師のおっちゃんが鍛冶を始めたんで仕事もなくなりのんびりとして警戒していなかった。


 既に囲まれているし逃げ道は塞がれている、空歩で飛び越えるだけの距離が無い、詰められ過ぎた。


 しかも最悪は敵がその手に持つ武器。


 まさかあれが来るなんて予想だにしていなかった、油断だ。もう無いと思い込んでいた。


 だから警戒していなかったのだ、気配探知の索敵エネミーから外されていた。いないと思っていた、もう持って無いと思っていた。


 あれは……間違いなく最悪の兵器。そう、注文票だ!


 「俺徹夜で村造ったじゃん?むらむらしても我慢して村造ったんだよ?それはもうむらむらと燃え広がる炎火の如き欲望エロスとの熾烈な戦いを制して働いたんだよ?さすがに野原で始めると怒られるから我慢したんだよ?朝まで頑張って煩悩を108個祓ってみたら108個全部色欲さんだったんだよ?109個目もすぐ出て来たんだよ?在庫が豊富で満載な色欲さんだったよ、きっと0・00001秒ずつ除夜の鐘鳴らしても間に合わないくらいの大量の色欲さん達だったよ!って言うかそんなに鳴らしたら煩いんだよ!みたいな?あの鐘を鳴らすのは誰って鳴らすなよって感じだよ!」


 何故まだ注文が残っているのか?それこそが最大の問題だが問題を解くカギは此処に有る!そう村造ってて他の依頼を忘れてた、って言うか出来ないよ!そんなもん村1個作るだけで時間切れだよ!深夜の内職が24時間以上かかったらそれってもう深夜関係ないんだよ?ただの24時間営業だよ!そんなサービスやって無いよ、深夜のルームサービス(エロいこと)は大好きだよ?それはもう大好物です。でも内職さんは違うんだよ、お駄賃は好きだけど労働は好きな訳じゃないんだよ。


 「ほら見てこれ!ちゃんと至急って書いてあるでしょう。街中の女性がワンピースを待っているのよ!フレアスカートもブラウスも待たれているのよ!そして茸弁当は大至急って書いてあったでしょう!」


 「だから何でご飯まで俺に注文するんだよ!しかも毎日だよ!すぐ傍に食べ物屋さん出来てたじゃん!あと「至急って書いてあるでしょう」って全部至急って書いてあるよ!至急って書いて無い注文票を一度だって見た事が無いんだよ!全部に至急って書いちゃったら書く意味無いんだよ?そして何でいつもいつもお弁当だけ大至急なんだよ!!」


 そう言えば凄い量の女性服の注文が入っていた覚えがある、だがそれはロングワンピースにロングのフレアスカートと普通のブラウス。もしもその注文がミニスカートやエロドレスや網タイツだったらすぐ作っただろう、それはもう一瞬で作って朝一番から納品に行くよ!そして街の通りで正座して観客ギャラリーするんだよ!でもロングだから魂が燃え上がらなかったんだよ?萌えも足りなかったんだよ?せめてスリットぐらい入れようよ、1メートルくらい?


 そうか、この包囲網は街の奥様達おばちゃんたちか?通りで細い路地まで知り尽くし塞いでいる、見事な包囲線だ。やはり奥様達おばちゃんたちのPoWはステータスでは測れない、おそらくうちの女子達チートさん乙女戦争バーゲンをできるくらいの力量だ、恐るべし奥様おばちゃんパワー!やはり異世界でも奥様おばちゃん無双は止められなかったか。


 捕まった。


 宿屋や雑貨屋で作るくらいなら此処で作ろう。


 紡績機織り工房に行って生産を始める、どうせなら完成品を見せて置けば量産も捗るだろう。しかも量産品ならお値段は半分以下だ、奥様達おばちゃんたちもそっちで買うようになるだろう。一気に型紙を書き上げては合わせて布地を裁断し、端から縫製していく、魔手さんが。簡単な型だからすぐ出来る、未だ辺境ではシンプルとシックが好まれるのだろう……まあ奥様おばちゃんだし。


 更に裁断縫製の工房からも人が集まり量産しながら指導していく。親切丁寧で親身な指導だ、だって若い娘が多いんだよ!ここで好感度をあげなければ素粒子まで分解された俺の好感度が微粒子まで復活する事は無くなってしまうんだよ?強い心でおさわり無しで親身な指導だ!昨日発散されなかった煩悩達が遠心分離されそうなくらい渦巻いているが此処が好感度さんの瀬戸際なのだ!


 「違うんだよ?針は刺すんじゃなくて通すんだよ?すうーって通るんだよ?それとそこで糸を引っ張ったら駄目なんだよ、生地の目地と同じ様に糸で紡ぐんだよ。そうそう、引っ張る時は生地ごとなんだよ。生地と同じ強さで糸を置くんだよ~って、それは緩すぎる。みたいな?ちゃんと生地と糸が繋がれば皴になり難いし型も崩れないから。それなんだよ、糸と目地が一緒になったら完璧だよ。それ凄く良いよ。それで1着作れたら最高の服になるんだよ。」


 うむ、美人さんを指導するのは楽しい、将来は図書館勤務でずっと本を読んでいようと思っていたが学校の先生で可愛い子にだけ教えるのもありだな。まあ、もう無いんだけど。


 ようやく奥様おばちゃん達が新品のお洋服を買えるようになってきたが若い女の子達にはまだ厳しい、だから工房だ。ここの紡績機織の工房でも裁断縫製の工房でも社員割引制度を採用している、かなり格安だが出来高で買える数が増えて行く。ボーナスも有る、出来高で昇給も有る、だからお金がない若い子が集まる、俺も入りたい!何故俺が造ったのに雇って貰えないのだろう?


 指導しながらも魔手と掌握で生産し続けている、既に余剰分の生産に入っているが余り作り過ぎると工房の仕事が減ってしまうから在庫は1,000ずつも有れば良いだろう。奥様おばちゃんよりも美人さんの指導だ!指で導いちゃったら怒られそうだから指導だけだ!残念だ!


 「これで注文分と在庫も充分だよね?って言うかなんで急に服が売れてるの?裸族でも襲来中なの?何処にいるんだろう、ちょっと探索の旅に出て来るんだよーっ!」


 「来るかそんなもん!何で裸族が街に押し寄せるの?服買いに来るの?儲かりそうだわ!でも裸族はお財布持ってくるのかしら?」


 来ていないようだ。そして雑貨屋のお姉さんは服を抱えて雑貨屋に戻って行った、勿論お弁当は忘れなかった。服忘れそうになりやがった!


 さてと、これで一段落?桶笊工場の指導は必要ないだろう、あっちは男ばっかりなんだよ?桶や笊に指導はいらないだろう、順調らしいし。そして鍛冶場はおっさんばっかりだし?ここにしか幸せは無いのだが就職は駄目だった、俺出資者なのに?


 帰って装備と晩御飯でも作ろうか?まだ早すぎる時間でも有るし悩ましい、何が悩ましいって甲冑委員長さんの姿態の悩ましさと言ったらそれはもう大変なのでございますよ?マジであそばします?みたいな?でも帰って来ないから悩ましくなれなくて悩んでるんだよ。若き男子高校生の悩みなんだよ、大体男子高校生の悩みってそれなんだよ?悩ましいんだよ?


 したい事は有るのにする事無いので鍛冶場に戻って場所を借りて鍛冶をしてみる、練習で作った分は王女っ娘とメリ一家にあげておいた。あれで一番狙われる危険が高いのはあの家族なんだから、実際襲われた事もあった。誘拐してメリお父ーさんを脅す気だったのだろう、それに王女っ娘だって結構危なそうなんだよ?まあ練習とはいえ良い材料を使ったからそこそこの出来だったと思うし市販品よりは良い物だ、効果の付与もしてある。


 「おっちゃーん。何で剣を態々(わざわざ)叩いてんの?錬金持ちだよね?一回作ったら錬金で量産できないの?髭だからなの?禿だからなの?植え替える?」


 「勝手に人の髭を頭に植え替えんな!錬金で量産なんて出来ねーよ、魔石の融合と効果の付与と後は精製ぐらいだな?錬成になると手でやった方が早いし出来が良い。お前の錬金がおかしいんだよ、錬金術師だって出来ねーよ。まったく俺の大事な髭を……」


 やはりオタ達から刀の製法を聞き出そう、おそらく鍛錬が出来ればこのおっちゃんなら凄い物を作れそうなんだよ。ただあいつ等にやらせた結果は蒸気船だった、そしてムカつく事に運送で大活躍だ。今度魚雷を作ってみよう。


 「今一なんだよ?何かスッキリしない出来だよ?コレジャナイ~って気がするのは何故なんだろう。何かが間違っている?でも知識なんて無いのに間違いが分かる物なんだろうか?でもこれは違うんだよ?何なんだろう。う~ん、知識は無いが見た事か読んだ事がある?」


 「何贅沢言ってやがる!その等級を量産できる奴なんて世界中で絶対にお前だけだよ!これ大量生産されたら鍛冶師が片っ端から廃業するよ。とんでもねーなー。」


 量産が出来ても品質が上がらないんだよ?うーん、まあこれでも付与してミスリル化すれば迷宮中層のアイテムくらいにはなる。だが迷宮中層のアイテムをミスリル化すればもっと良い物になる。微妙だがこれで同級生の装備の薄さは補える。これはとても大事な事だ、30人もいると装備が行き渡らないのが問題だったがこれで行き渡る、これが最低ラインに出来るのだ。そしてもっと大事な事はこの辺境で最も稼いでお金を持っているのは迷宮中層に通う同級生たちなのだ!ぼったくろう!


評価を500人の方から頂きました、本当にありがとうございます。

これからも細々と迷走しながら進めていこうと思っております、もし万が一何かの間違いで御気に入って頂けてお付き合い頂ければ本当に幸いです。ありがとうございました。

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6月25日にひとりぼっちの異世界攻略コミック24巻が刊行されます。 公開された書影はこちら。

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