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マッサージチェアーの体験は奇跡的な王女様の不信なようだ。

55日目 昼過ぎ オムイの街



 「あれー朝見た時と依頼が変わっていないだとーびっくりさんなんだよお~~う?(棒)」


 「なんでまた来てるんでしょうねー?はあーっ。朝やったばっかりですよね?何で変わって無いって知ってて掲示板見に来るんですか?一体全体後どれ位の時が立つとコソコソしてくれるんですか?何で冒険者じゃない人が一番冒険者ギルドに頻繁にやって来て一番堂々としてるんですか!こっそりと見て黙って帰ってください。変わってませんから。」


 いや~だって今日は何となくジト目成分が不足してたんだよ?みたいな?なんで寄ってみた?やはり受付ジト目委員長さんのジト目は異世界でも有数の良いジト目だ。いつか異世界ジト目協会から認定書とか貰えるに違いない、俺もその協会入りたいんだよ?入会料はいくらだろう?


 ダンジョンを殺した報告に来ているんだけど俺は冒険者じゃないから報告に行かずにコソコソと掲示板に来ているのだが駄目らしい?だって掲示板見たらやっちゃうじゃん?だってまだ変わって無いんだよ?未だたった一度も依頼が変わって無いんだよ?もうこれ見に来ちゃうよね?マジで。


 「報告終わったよーって又やってるよ!朝も態々(わざわざ)その為だけに冒険者ギルドに寄ったのに又やってたの?」 


 「きっとあれがやりたくて冒険者登録しないんだ!あれが毎朝したいからなんだ!」


 規則正しい生活は大事なんだが世間では未だ理解されていないようだ。やっぱりラジオ体操とギルドの掲示板はO・YA・KU・SO・KU?的な?的なって言うかチェキナゥ?的な?(セイ、ホーオ?)


 いや?だってLv20で登録してもダンジョンには入場禁止なんだよ?登録だけして決まりは無視とか拙いだろう、ギルド側からしても示しがつかなくなる。そして魔石はどっちにしても買い取ってもらえるんだからメリットも無い。あと講習が面倒くさいんだよ?一日だけとはいえ冒険者の指導を受けて依頼をこなさないといけないらしい、委員長達は剣のおっさんの所の美人さん達が指導してくれた。それなら俺だってやりたい!だが騙されてはならないんだよ、だって俺が申し込んだら絶対におっさんが沢山来るに決まっている!もう魔物を狩る前におっさんを狩ってしまう位におっさんばかりだろう、だって異世界に来てずっと来るのも出会うのもおっさんなんだよ?絶対嫌だ!


 あれ?ギルド長のおっさんまで出て来たんだよ、珍しく女子率が高いと思ってたらおっさんが来たんだよ。異世界ではおっさんが一人来たら大体300人くらいのおっさんが集まって来るんだよ!やはり根絶やしにしないと駄目なのだろうか?


 「遥君。領主様が面会を求めていたよ?しかしどうして領主様が面会を求めてしまっているのだろうねえ?領館に連絡か顔を出して欲しいそうだよ。頼めるかい?」


 メリお父ーさんが?また何か来たの?それとも又王女っ娘が溶けちゃったの?何事だろう、面倒くさい。まだマッサージチェアーも出来ていないんだよ、2度手間だ。


 「あ~、もしかして万が一何かの間違いで気が向いたら一寸だけ行ってみるかも知れない可能性が微レ存で存在していたりいなかったり?みたいな?感じで良い?みたいな?」


 「お願いだからもうちょっとだけ善処して貰えないだろうか、凄く行きそうに無く聞こえるんだよ。頼むからね?」


 面倒だ。だってどうしたって面倒事だ、王国絡み以外に考えられない。どうせ絡むんなら甲冑委員長さんと絡んでいる方が男子高校生的に有意義なんだよ!だってチューブブラは思っていたよりも遥かに素晴らしい物だったんだよ!そして案外とボクサーも良かった。うん、良かったんだよ。思わず量産してしまったんだよ。良かったよ?


 今日は何もしなかったのでご機嫌斜めな甲冑委員長さんとギルドの訓練場で軽く稽古をする。勿論軽い稽古と書いて地獄のしごきと読むんだよ、極悪な苛めと翻訳されたりもするんだよ?まあ現代用語的に言い換えるならばボコられたよ。さあ領館に顔を出しに行こう。




 「これはこれは王女閣下、本日もご機嫌麗しく拝謁に賜りまして恐悦至極も恐怖の扱きも「わんもあせーっと」?みたいな?でございます?」


 「私、扱かれちゃうんですか?恐怖の扱きはエロなんですか?またエロなのですか?ごめんなさい。すいません。扱かないで下さい。溶かすのも駄目なんです。許して下さい。ごめんなさい。エロは駄目です。ごめんなさい。許して下さい。……。」


 王女っ娘は未だ壊れたままのようだ?回復茸では治らなかったみたいだ。そしてまた甲冑委員長さんにポンポンされている、そして俺はジトられている?でも恐怖の扱きの真犯人さんはそっちなんだよ?いつも被害者な使役主さんの証言だったから間違いないよ?そしてまた今晩復讐が始まるんだよ?それだけはもう決定事項で変更不可能なんだよ!だって何故かレオタードが完成してるんだよ!わんもあせーっと!


 「おーい!はーるーかーくーん!聞いておくれー!ようこそって言うかよく来てくれたって言うか呼んで済まないって言うかとにかく聞いておくれー!」


 「遥様お呼びたてして申し訳ありません。実は王女様がお話を聞きたいとの事で来て頂いたので王女様を壊さないで下さい。その方は王女様ですから苛めちゃ駄目です。何で姫様の服溶かしちゃうんですか?どこまで苛めたらこんなに壊れちゃうんですか!王国でも有名な姫騎士様ですよ?剣の王女様ですよ?女の子人気凄いんですよ!凛々しくて気高く勇ましくて素敵~って言われてるのに壊れて脅えちゃってるじゃないですか!誰にも媚びないへつらわない姫将軍が媚び媚びにへつらちゃってますよ?女子のファンから刺されますよ?結構怖いんですよ、そっち系のファンの子って。」


 おや?メリ父娘だ、何か話していたみたいだ?でもファンの子はヤバそうだ!塚の人達より怖いのだろうか!危険そうだ。


 そして王女っ娘は姫騎士で姫将軍で剣の王女様だったらしい。まあでも異世界の二つ名は気にしなくても良いだろう、この間も夫婦喧嘩で勝った事の無い無敗の騎士とか突撃しかしない軍神とか毎日側近の人に怒られてる辺境王とかいたんだよ?って言うか此処にいるんだよ?こんなんで辺境は大丈夫なんだろうか?何故なんだろう莫迦達と気が合いそうなんだよ?心配だ、辺境が。


 「失礼しました。遥様お呼びたてて申し訳ありません、改めまして敗軍の指揮官のシャリセレスです、敬称は不要です。この度は…危ない所をって危ない恰好にされたのですが?え~?お恥ずかしい姿を…って辱められたのですが?ドレスまでお貸しして頂き…ってエロいドレスで一晩中ふぃーぶぁーっって…ふぃーぶぁーっ!されちゃうんでしょうか?呼んじゃったから私今晩ふぃーぶぁーっ!なの?あのエロくて破廉恥で露出の高いもう隠す気無さそうなえっちなドレスでふぃーぶぁーっ!な夜がれぇっつだぁんすぅ!何でしょうか?服を溶かされてドレスをお借りしたのに露出量が却って多くなってた気はしていたんですが目的はやはり私のふぃーぶぁーっ!だったのですね!もうふぃーぶぁーっ!な夜が一晩中れぇっつだぁんすぅ!で口では言えない様な破廉恥なあんな事やこんな事がああぁんびりーばぁぼぉーっ!ってされてしまうんですね!…(暴走中)」


 (プルプル。)


 いや?この王国は大丈夫なの?凛々しくて気高い姫騎士はれぇっつだぁんすぅ!らしい?もう駄目だろう。ついにスライムさんまで宥めに行っているんだよ。でも今晩はああぁんびりーばぁぼぉーっ!らしいからね?奇跡体験なんだろうか?そして俺は何で呼ばれたんだろう?


 「改めて伺いたい事が有るのです。何故辺境を助け手を貸すのですか?遥さんに関係が無い辺境の為に何故そこまで?王国を敵に回してまで?」


 「えっ?助けたっけ?手ぐらいは貸してって言われたらおっさん以外は貸すけど誰も助けた事なんて無いんだよ?寧ろ助けて欲しいんだよ?お説教と言う名の虐待と稽古と言う名の暴行とオタと莫迦と言う名のオタさと莫迦さに日々苛められて助けを求めつつぼったくったり逃げ回ったり踏んづけたり?みたいな?」


 そう、神が自ら助くる者を助く事なんて無い、聖書にだって書いて無いよ。自らを助くる者は自らが助くったんだよ?当たり前じゃん、神も他人も俺も全然関係ないよ?みんなが幸せになりたくて頑張ったから幸せになったんだよ?誰かにどうかなんて出来る訳が無い。自分を助けて周りの人達を助けてそれをみんなでやってたらそりゃ普通助かるよ?俺関係無いじゃん?だってゴブ叩いて魔石売ってただけだよ?後はみんなが勝手に幸せななったんだから俺のせいじゃないんだよ?


 「では何故魔の森の魔物達を殲滅して廻ったのですか!何のために危険な魔の森に踏み入る必要があったのですか?」


 「いや?俺んち魔の森の中だし?家の周りにいたら邪魔くない?普通家の前にゴブがいたら叩くんだよ?マジで?」


 うん。叩くよ普通、だってあいつ等喧しいんだよ?全滅させてもすぐ増えるし?


 「お家が在るんですか?魔の森の中に?住んでたの!」


 「この前も帰省して庭をきれいにして庭園作ったけど?」


 せっかく庭園を造ったのにそれっきり帰れていない、未だスライムさんも案内していないんだよ?ひきこもりなのに。


 「え!だって?でも?そう、大襲撃スタンピードだって止めたのでしょう?」


 「だから普通ゴブが出て来たら叩くんだよ?だから次々に出て来たら次々に叩くんだよ?」


 大発生って言われても一匹ずつ出て来るんだよ?0・01秒単位とかだけど?一匹ずつだったよ?


 「…大迷宮を踏破したって聞きましたよ…聞いたんですよ?」

 

 「踏破って言うか踏んだら破れて落ちたんだけど?落ちたから上がって来たんだよ?あれって踏破なの?逆走したよ?」


 うん。だが悔いはない!あの最下層の出会いは素晴らしい物だった!だって毎晩出会っても素晴らしいんだよ!今晩も出会おう!着せてから脱がして出会うのだ!


 「じゃあどうして王国から切り離したのですか?迷宮や城塞まで造って?」


 「切り離して無いよ?追って来るから罠を張っただけだよ?だって無いと追って来るんだよ?おっさんたちが。」


 駄目だったの?法律に無かったんだよ?迷宮造ったら駄目とか、しかも偽迷宮だし?それに隣り街までって実は法的には辺境なんだよ?勝手にあそこを塞いだんだよ?なら辺境伯が良いよって言ったら良いんだよ?まあ言ってなかったけど、聞いて無いし。何も言わないから問題ないんだよ?多分?


 「…それなら、王国に敵対したりはしないんですか?」


 「敵だったら敵対するんだよ?敵と対するんだから敵じゃなかったら敵対できないよ?みたいな?」


 それは無理だろう、敵じゃない人と対しても敵対は出来ない。味方対とか知らない人対だよ?意味解らないんだよ?言ってても意味解らないから。


 「本当に…敵では無いのですか?でも、だったら何故?…」


 王都なら行ってみたい、街だって回りたい、食べ物探しは必要だし、特産品や名物だって気に為る。でもそれだけだ、そこの支配者が誰で何かなんて興味ないよ?だって関係ないから。


 「シャリセレス王女。これが答えですよ、納得できないのは貴女の問題です。遥君には何の悪意も無いのです、ただし邪魔なら滅ぼすでしょう。それは王国を滅ぼそうとか王家に叛意が有るとかそういう事では無いのですよ。邪魔しないなら王になんて興味が無いし邪魔なら国王も迷宮王も関係無いのですよ、ただ排除されます。そう安全に快適に暮らす為に魔物も迷宮王も死んだのですよ?貴族であろうと王家であろうと変わりはしないでしょう。だからこそこの街の住人が皆笑って暮らしているのですよ、もう辺境には安全快適に暮らせない理由は無くなったのですから。これは元貴族のお嬢さんから聞いた彼女の持論なのですが「大体世の中と云う物は悲劇や脅威や貧困や災厄を邪魔だからと言って皆殺しにして殲滅してしまうとあとは幸せになる」のだそうですよ?この街や辺境の様に。…」


 メリお父ーさんがお話している間に試作してしまおう、木材で椅子を作り革を張り魔石を「振動魔法」付与で魔石動力で動く様にするのは簡単なんだよ、後は調整だけどそれもすぐできる。問題は料金箱だ、銅貨を識別させて一定時間だけ魔石の魔力を通す。仕組みが簡単なのに術式が面倒くさい、まあ一度作れば転用できるのだから後は複写だけだ。魔石に魔力回路を書き込み調整する、銅貨1枚で1分だとぼったくりだろうか?銅貨1枚なら100エレだ100~200円くらいだろう、2分かな~?まあ2分で利用者が少なかったら1分半でそれでも駄目なら1分だ。書き換えが面倒だが利用者が継続しなければ長期的利益にならない、こんなものだろう。お~、ぶるぶるだよ!結構効く!


 「…結局は王国側の問題です。王家と貴族が選んだ手段がそのまま自らに凄まじい破壊力で帰って来る事でしょう。簡単なお話なんですよ迷宮を殺せる者の富を奪う位なら迷宮を殺しに行った方が簡単なのです、だって迷宮より強いのですから?迷宮の方が弱いんですよ。それに喧嘩売ったらそりゃあ滅んじゃいますよ?普通。って言う事なのですが遥君はさっきから何をしているんだい?話聞いていないのは気付いてたんだけれどその椅子は何処から出て来たんだい?何かいい感じだね?」


 説明が面倒なので座らせたら気に入った様だ。やはりおっさんはマッサージチェアーに弱い!カモれるだろう、置いても良いそうだ、寧ろおいて欲しいそうだ。既にマッサージチェアーの順番待ちの行列ができ始めている。一時間当たりで3,000エレ稼げる。10時間稼働すれば3万エレで軽く宿代とお風呂代とご飯代を稼ぎ出せる計算だ。結構儲けだ、もう一台造ろう!いや3台位あってもいいかも?だって領館っておっさんだらけなんだよ?


 王女っ娘も試しているが気に入ったみたいだ、なんか「ああぁんびりーばぁぼぉーっ!」って叫んでたし?奇跡体験だったみたいだ、まあ喜んでいるから良いのだろう。


 しかし呼び出された要件って何だったのだろう?マッサージチェアーが設置できたから儲かるし良いんだけど。


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6月25日にひとりぼっちの異世界攻略コミック24巻が刊行されます。 公開された書影はこちら。

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[一言] 銅貨1枚で1分だとぼったくりだろうか?銅貨1枚なら100エレだ100~200円くらいだろう、2分かな~?まあ2分で利用者が少なかったら1分半でそれでも駄目なら1分だ。 2分100エレだとボ…
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