委員長様は女王様にジョブチェンジして調教師になるみたいだ。
55日目 昼前 ダンジョン 地下50階層
飛び交う巨大なブーメランが空を裂き唸りながら飛び交う、不規則な楕円軌道の大質量打撲兵器だ。そして指揮するのは統率者の委員長さまだ。鞭でも作ってあげようか?あれ?なぜか似合いそうな気がする?ボンテージとか似合っちゃうのだろうか?委員長様は女王様にジョブチェンジするのだろうか?王女っ娘よりも偉そうだよ。
「駄目!」
よし。莫迦たちが巨大ブーメランを追いかけようとするのを止めた。って言うかお前等は毎回毎回追いかけるなよ!ブーメランだから帰って来るんだよ!何でブーメラン投げてブーメラン追いかけて行って帰って来るブーメランをまた追いかけて一緒に帰って来るんだよ!もうお前らを投げちゃった方が早いよ!大体追いかけた時点で全く遠距離攻撃の意味無いよね?何で飛んでる敵の所まで追いかけて行くの?もう接近戦出来るじゃん?
しかもあれ熱いから近づくなって言ってるのに何故追いかけて行こうとするのだろう?見たら分かるじゃん?だって「フェニックス Lv50」だよ、熱いに決まってるじゃん!燃えてるじゃん、何で焼かれてから気付くんだよ!見たまんま火の鳥じゃん!熱いよ!
階層の上空から延々と降り注ぐ火の鳥の火炎弾を防御しながら遠距離戦を仕掛けつつ接近する、手堅い。
俺と甲冑委員長さんとスライムさんは手出し禁止で口出し無用なんだよ?退屈だ?まあスライムさんは喋らないから口出しはしないだろう、でも口出ししそうと言うか食べたそうに見ている?あの鳥さんは熱いと思うんだけど火傷しないんだろうか?でも見物だよ。
巨大なブーメランの連撃を躱し続けているがそのために攻撃に専念できないフェニックスはイラついている様だ、お魚さんを食べていないのだろう。カルシューム不足だから苛々するんだよ?それに美味しいんだよ?まあお醤油は持っていないだろうけど。
時折仕掛けて来る巨体からの突撃をオタ達が弾き反らす、燃えているだけではあの結界防御は貫通できない。俺も出来なかった!しかし焼き鳥も美味しそうだ。
女子文化部の状態異常攻撃が無効化されているから決めきれない、持久戦だ。女子文化部達も弓での攻撃に変化していっている。複合弓もだけど特殊効果付きの矢を作った方が良いのかも知れない、連射性も命中率も高いが破壊力が物足りない。何せ相手は「再生」しているのだ。エロ鳥さんなのだろうか?一晩中再生しながら頑張っているんだろうか?だって「再生 Lv8」だよ、でも「性豪」と「絶倫」は無い様だ。仲間じゃ無かったよ。
(落とさないと無理だよねー?遠距離からの持久戦って不利だよねー?甲冑委員長さんもそう思わない?)
(ウンウン。)(プヨプヨ。)
やっぱり同意見だよ。って言うか上空からスライムさん投げ付けたら終わりだろう、再生も何も食べられる。だってさっきから食べたそうなんだよ?でも手出しが禁止中だったりするんだよ。
「羽根の付け根を狙って集中攻撃して!」
「「「了解!」」」
落としにかかったみたいだが飛び回っているのに集中砲火は難しい、まずは足止めって言うか羽根止め?だがワイヤーカッターは俺とスライムさんしか使えない、「空歩」も俺しか出来ない、俺の「次元斬」か甲冑委員長の「一閃」しか届かないだろう。そして決め手が無いから持久戦になり、持久戦は「再生」持ちが圧倒的に有利なのだが「再生」は俺とスライムさんと委員長しか持って無い。実は委員長さんは「再生」「性豪」「絶倫」の完全制覇だったりするが睨んでいるから黙っていよう、ちゃんと指揮してね?よそ見は駄目だよ?何も口出しして無いんだよ?お仲間さんだよ?
「いくよ~っ!いくんだからね~っ。それ~「フリーズ・ライン」だ~あっ?」
「みんな突撃!」
「「「「了解!」」」」
無数の氷の橋が宙に架けられフェニックスを絡め捕る、そしてフェニックスまでの足場が築かれた。これなら確かに落とす必要はないだろう。皆が氷の橋を駆け登りフェニックスを目指す、これで落とせば勝ちは決まりだろう。
これが狙いか、やはり全員が魔法を使えるが後衛の魔法特化が少ないのが弱点だ。だが「大賢者」一人で余り在る魔法攻撃力だ、普段から使ってれば問題解決なのに何故だか白兵戦専門だ。
やはりオタ組の魔導師が守備に特化しているのが攻め手不足の原因だが守り手が足りないのも事実だ、死んだ13人に魔法職が多過ぎた。
「羽根を落として!」
「右行きまーす!」「お供~。」「同じく~!」「任せて!」
「「「左貰うぞ!」」」
そして頭をオタ達と委員会で押さえている。う~む、間に合うかな?既に無数に繋がった氷の橋は溶けかかっている、滑ったら楽しそうなんだけど戦闘中に後ろで「アイス・スライダー、ひぃやっほ~!」とかしたら怒られそうだ。我慢しよう?(プルプル。)うん、駄目みたいなんだよ?
既に左の橋の莫迦たちが右羽根を落とせそうだ、だがしかし何故にあの莫迦たちはブーメランで殴っているのだろう?しかも妙に似合っている?原住民?野人?あいつ等は一体ブーメランという物を何だと思って注文して来たのだろう?お前らは剣使いだろーが!だが効いている。
右側は脚の攻撃が邪魔で苦戦中?女子体育会系が脚を抑えに回りビッチ達が羽根を狙っている。だがそろそろ橋がヤバいんだよ?
どちらかの羽根一方か一気に頭潰した方が良かったんじゃないだろうか?まあ安全策としてはこっちの方が良いんだけど、でも「再生」持ちは決めれないと粘るんだよ?そして氷の橋で絡め捕り押さえられているが橋が溶けてしまえば「豪炎」が復活する、そうすれば近づけなくなる。
まあ全て副委員長Bさんがワザとやっているみたいだし放って置こう。何か意味が在るのだろう、図書委員も奥の手は使わないみたいだし。
Lv50とは言え階層主兼迷宮王の魔物さんだからそう簡単にはいかないだろう。向こうも奥の手がある、鑑定しても「?」のスキルが1個あるんだよ?多分あれかあれだろう。
「落ちたら決めるよ!」
「準備出来てます!」
「「「いつでも行けるよ!」」」
一気に決める気みたいだしぼちぼち行ってみよう。
ドゴォガガッゴオオオゥゥ。
羽根を落とされて氷の橋と共に地面に落下するフェニックスの巨体に上空から一斉に突撃する、大技で決めきる気だ。い~な~チート技。
「七連斬!」「爆突!」「氷鎗!」「重激。」「部位破壊!」「絶断!」「そお~れ~ぇ~っ。」「…雹激。」「雷剛斬。」…。
チ-トさん達の大技の連続攻撃にフェニックスさんはHPを消滅させて灰燼に帰した。
「「「「やったーっ!迷宮王撃破だー!」」」」
「「「勝ったー!やったよ。」」」
お疲れみたいだ、全力で決めきった。魔力切れギリギリまで撃ち込んだのだろう、疲れ切って倒れ込んでいる娘もいる。でも何人か気付いてる?
「お疲れー?鳥鍋さんするからこっちに集まってねー?適当にあっちのテーブルに座ててね~。其処は一寸使うからね?さーさー?みたいな?」
全員を階層の端に作った食卓に座らせて鍋を出す、鳥鍋さんだ。ちょうど食べ頃だろう、昆布もだが春雨が欲しいしお豆腐も欲しい有るのは鳥肉と白菜と茸だ。
「「「いただきまーす!」」」
魔力切れでお腹が空いてるからがっついて食べている、体力も消耗しているだろう。怪我は無いみたいだし回復茸も入っているしすぐ回復するだろう。
「じゃあ今日は不合格だから次も全員で教官付きで50階層戦だからね?迷宮王は面倒なんだよ?マジで。」
「「「え~っ?何で~?(ぶうぶう)。」」」
(プルプル、プルプル。)
スライムさんだけ向こうでお食事中だ、残ってて良かったよ。だってずっと食べたそうだったから終わるのを待っていたんだよ?どうせこうなるから。だって炎の不死鳥が灰燼に帰すとか絶対フラグだよ?まあフラグは立つ前に食べられてるけど?喜んでるから美味しいみたいだ。
「あれ?何で食べてるの?」
「生き返ったの!」
「えっ!死んでたよ。」
「でもあれってフェニックスだ…。」
(クエエエェェェー………。)
だから不合格だろう。戦闘には何の問題も無い、寧ろ正攻法なら凄まじく強い。確実な戦い方だ、だからスフィンクスの階層でも嵌まってしまった、疑う心が攻撃に向き過ぎている、対人戦特化してしまったが為に魔物への戦い方が素直過ぎる。そして人の持つあくどさを疑い確実に行こうとすればするほどに魔物には隙になる。魔物は嘘をつかないし騙さない、人と違って信用できるんだよ。だから疑い過ぎると見落とす。それは騙すためのものでは無いから。
「フェニックスのステータスに1個だけ「?」出てたんだよ。だって不死鳥なのに「再生」だけで「不死身」を持って無かったんだよ?だったら答えは「不死身」か「復活」か何かだよ?バレバレで見え見えだったんだよ、それなのに鳥鍋突いてたから不合格なんだよ!ここは残心しておにぎりくらいが正解だったんだよー!みたいな?」
「「「不合格の理由って鍋だったの!」」」
(プヨプヨ。)
美味しかったみたいだ。そしてスキルも食べれただろう、そして食費は浮かないだろうか?浮かないみたいだ、鍋をつついてる。もう既にお箸が使えているんだよ?甲冑委員長さんが悔しそうだよ?お風呂では浮くのに食費は浮かないらしい、そして「浮遊石」の効果だろうか?宙に浮かんで鍋をつついているんだよ?お行儀的にはどうなのだろう?マナーの本では宙に浮いたら行けませんとか書いて無かった気がするしきっと良いのだろう。美味しそうだし。
さて帰ろう。
お読み頂いてありがとうございます。9,000件ものブックマーク登録を戴き本当にありがとうございます、御礼を申し上げる序でと言ってはあれですが続きを投稿させて頂きました。
これからもダラダラと迷走しながら進めていこうと思っております、もし気に入って頂けてお付き合い頂ければ本当に幸いです。




