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遠い将来に近代化し異世界にも男子高校生が現れたなら授業に集中できないだろう。

54日目 夕方 偽迷宮前のお城  



 泣き続ける王女様とポンポンしている元迷宮皇とポヨポヨと励ます元迷宮王と晩御飯を作っている俺、混沌カオスだよ?


 まあ、あとは関係ないみたいだし用が有ったら呼ばれるだろう。だって王国人じゃないし未だ誰からもこの王国の名前すら聞いた事が無いから知らないんだよ?


 それにメリお父ーさんに言われてしまったよ。


 「此処から先は任せて貰えないだろうか?私や辺境軍など頼りにならないかも知れないがそれでもこの地の領主であり王国の貴族なのだよ、けじめならば王女では無く私が、オムイの領主が執るべき責任なんだよ。それが領地を担うと言う事なのだから、辺境を助ける事も富ませる事も出来なかった無能な領主だが王国とのけじめを他に任せる訳にはいかないのだよ。頼むよ遥君。」


 それならば出しゃばる事でも無いって言うか呼ばれたから来ただけで元々全然関係無いんだからね?偽迷宮のメンテに来ただけなんだよ?此処から先も何も此処から先がなに王国かも知らないし?そもそも此処は何処?みたいな?


 それに下手に戦争に係っちゃうと女子達が出て来る。あれは絶対に集団対人戦闘用の訓練だった、戦争用の訓練だ。


 魔物と違い人族のスキルは多彩で知恵で持ってそれを操る。


 俺と一番相性が悪いのは集団対人戦闘、つまり戦争だ。だからずっとそれを見越して訓練していたのだろう。


 それと俺に同級生の何とか君を殺させた負い目を感じている、だから自らの手を汚そうとしている。同じ人殺しになろうとしている。


 オタ達は水上戦の準備をし、莫迦達は森林戦の訓練をしていた。


 だとすれば俺も知らない先の準備をしている人間がいる。ならば図書委員だ!


 ちょっ!内緒で鞄を10個も作ってあげたのに裏切られてるよ!一番上質な革まで使わせといて暗躍していたんだよ。


 これで俺は戦争に参加できない。すれば巻き込む。詰まされた、完全に先手で潰された。鞄は値上げだ!


 そして言われてしまった。


 「私は遥君が強いのも知っている、それでも戦争には巻き込みたくはない。向いていない、絶望的なまでに遥君は戦争に向いていない。どれほど強くても私は軍に遥君を誘う事は無い、君には向いていないんだよ。君は何もかもを助けようとする、見知らぬ誰にでも助けを差し伸べる、だから見知らぬ誰かを殺す事に残酷な迄に向いていない。君は殺しただけ自分を傷つける、強ければ強い程に自らを傷だらけにする。そして君の仲間もそうだ、余りに浮世離れした優しさなのだよ。君達はどれだけの強さを持ったとしても殺し合いに向いていないんだよ、この残酷な世界で生きて行くには優し過ぎるんだよ。君たちの中には我々が無くしてしまった夢みたいな希望がある、そしてそれが辺境を救ってくれた事には感謝してもしきれない。だが同時に君たちの中にある夢の様な希望は人と人との殺し合いに向いていないんだ、それは君達には惨過ぎるんだよ。だから任せて欲しい、そして我々が無くしてしまった夢みたいな希望を無くさないで欲しいんだよ。その希望に我等辺境は救われ希望を見る事が出来る様になったのだから。」


 考え過ぎなんだよ?だが女子の殆どは向いていない、男子は大丈夫だ。特に莫迦達は対人戦になれば化け物だ、集団だろうとただの獲物だ。あれと森で戦うなんて地獄に行った方がよっぽど安全快適で平和に過ごせるだろう、悪夢だってあそこまで酷くは無いだろう。そして敵ならばいくら殺しても気にも留めないだろう。


 オタ達は泣きながらでも戦い、そして折れないだろう。伊達に人生ずっと一生涯をかけて苛められていないのだ、あいつ等より人を信用せずあいつ等より人を信頼する奴はいない。あれは自分たちで見定めた者の為ならば折れない、死なない限り止まらない。


 でも女子は普通の娘達なんだよ。


 必死に強がっては家族を思い、泣き顔を隠しては友達を思いやり、心配を掛けまいと強がっている。強がっているっていう事は弱いんだよ、心が弱っているんだよ。


 だって男子は誰一人家族の事や残してきた友達の事なんて気に留めていない、だってまともじゃ無いんだから。もう元の世界の事なんて終わって完結している。


 覚悟を決めるなんてそんなに簡単な物じゃ無い。


 覚悟何て必要ない元の世界の落伍者とは違う。


 最悪は女子達を巻き込まない様に俺が辺境にひきこもっている間にオタ莫迦が戦争に巻き込まれる事だ、あいつ等ではまだ化け物には勝てない。殺せない。


 (ポヨポヨ)


 うん、ご飯作りに集中しよう。


 「出来たんだよ~。カツバーガーさんだから兵隊さん達にも配ってあげてね?って言うか大食堂に置いておくから群がって争って食べ合ってね?おっさん同士で?」


 まずは兵隊さん達を大食堂に案内させよう、誰も地図スキル持って無いから不便なんだよ。


 「王女っ娘やメリお父ーさんは何処で食べる?此処でも食べれるよ?立食用の食べ物だからメリお父ーさんだけお城のてっぺんで立ったままでも食べられるんだけど景色は良いけど墜ちると痛いよ?落ちるとマジ痛いんだけどぶつかっても凄く痛いんだよ?詳しいよ。」


 苦笑している。そうやって苦笑いでも何でも笑っていれば良いんだよ、真面目に残酷な世界で真面目な顔で取り組んだって疲れるだけだ。こんな世界なんて御ふざけ半分でも勿体ない、だってふざけてるんだから。


 しかし辺境だけなら防衛戦で充分だ。偽迷宮を抜けてこの城を落とすなんて無謀極まりない、何より採算が合わない。


 辺境を全軍を以て落せたとしても魔石は魔物を狩らないと手に入らない、それなら最初から辺境に魔物狩りに来ればよかったのだ。それだけだ。


 辺境に魔物狩りに来ないのに辺境を落とせば自分たちが辺境で戦わなければならなくなる、何もしないでお金が欲しいのに何かすると採算が合わなくなる。破綻する。


 もう詰んでいるのに認めない。そして王女っ娘が動くとメリお父ーさんが動いてしまう可能性が出て来た、計算外だった。まさか半裸ワッショイのせいでこんな事になろうとは思いもしなかったよ。これで王国の戦争に、内乱になったら原因は半裸ワッショイなんだよ?半裸ワッショイ戦争とか名前が付いちゃうんだよ?半裸ワッショイ戦争の被害者とか半裸ワッショイ戦争の戦死者とか可哀想すぎるんだよ!でも半裸ワッショイ戦争の勝利者も半裸ワッショイ戦争の覇者も嫌だ!駄目だ、戦争を止めないと歴史にとんでもない史実が出来てしまう!そして遠い将来に近代化し異世界にも男子高校生が現れたならば高校の授業で半裸ワッショイ戦争を教えられてしまうのだ!きっと異世界の男子高校生たちは授業に集中できないだろう、だって男子高校生だし?だって教科書の半裸ワッショイが気に為って其れ処じゃ無いんだよ、きっと?


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