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異世界でもおっさんがリストラされると扱いが悲惨みたいだ。

 

54日目 朝 宿屋 白い変人



 呼びつけられた。まあ今日はどこか適当なパーティーに付いて行くだけでこれと言った出番は無かったんだけどさー?全員30階層あたりだから危険も無いし出番も無いだろうし確かにいなくて良いんだけど、きっと自分達だけで魔石を集めて大儲けして逆お大尽様を狙っているに違いないんだよ?遂にお大尽様下克上だよ!大貧民で革命なんだよ!まあ稼いできても有り金は巻き上げるんだよ!昨晩のうちにアンクレットの大量生産に成功したのだ、逆お大尽様下克上だよ! 


 さて偽迷宮まで高速移動だ、一昨日行ったばかりなのに2度手間だ。もう隣り街には買い占める物も無いんだよ?物資は欠乏しているはずだ。


 メリお父ーさんが待っているらしいから迷宮皇王コンビは委員長達に付いて行かせようかとも思ったが、イヤイヤされてしまったので連れて来た。使役したスケルトンとスライムって言う事になっているから問題ないと言えば問題ないが、時々のお休みの日は私服で出かけているから見られている可能性はある。スケルトンから種族不明の人族になった場合は届け出とか必要なのだろうか?


 まあ大丈夫だろう。何故だか結構優遇されてるみたいなんだよ?冒険者は魔石の売買で税金を引かれるから税とか無いらしいんだけど俺は冒険者でも無いのに無税の許可証?を貰っている。だから冒険者ギルドでは1割は取られるが雑貨屋武器屋の配当でも税金免除なんだよ。だから甲冑委員長が人でも何とかなるだろう、使役してるのは本当だし?あれ、ビッチ達も免税対象なの?ビッチだよ?齧られるよ?


 だがしかし、さすがに「こっちが迷宮王さんで、こっちは迷宮皇さんなんだよ。」とか言うと怒られそうだ、元だし黙っていよう。門番さんも何も言わなかったし普通にスライムさん撫でてたし問題は無いのだ、つまり俺は悪くない。よし、何か言われたら門番のせいにしよう。


 「お~。遥君態々すまないねー、先に行っとくけどオムイの領主、メロトーサム・シム・オムイだからね?メリお父ーさんじゃ無いからね?もうメロトーサム呼び捨てで良いから覚えて欲しいんだけど。あと君が今住んでいる所はオムイの街だからね?看板出てるよね、大きくしたんだけど見てないかい?」


 メリお父ーさんのお出迎えだ。つまりまたおっさんだ、凄くない!この異世界の脅威のおっさん率って?多分異世界の人口調べたら8割はおっさんなんだと思うよ、だって会う人の8割おっさんなんだよ?謎の出生率と中齢化問題なんだよ?何処からか湧いているのだろうか?潰しに行こう、きっと最下層におっさん王がいるんだよ。ドロップ品には期待できそうにない「加齢臭の指輪」とか出て来そうだ、もう好感度が逃げ出しても文句は言えないだろう。俺も逃げるよ。


 「え~と?呼ばれてきたんだけど隣り街滅ぼすの?王国を滅ぼすの?おっさんを殲滅するの?うん俺もちょっとおっさんは滅亡させた方が良いかなと思っていたんだよ?焼き払う?磨り潰す?衣服破壊は嫌だよ?凄く嫌なんだよ?」


 「お願いだからあまりおっさんを苛めないでね?兵たちも脅えてるからね?あとおっさん焼き払うとか言う時に私の方見ながら言うの止めてね?磨り潰さなくても良いからね?それから隣り街を滅ぼさないし序でみたいに王国を滅ぼさないで欲しいんだけどねー?」


 違うらしい?何故呼ばれたんだろう、人違いだろうか?そう言えば委員長達の話ではこの辺境の領主って「我が街の恩人に礼をさせて欲しい、お初にお目にかかる~」とか挨拶されたらしいんだよ?「お~い遥君!」とか手を振ってたけどメリお父ーさんは首になっちゃったんだろうか、リストラされちゃったんだろうか?と言う事は無職仲間なの?いや、おっさんの仲間は必要ないだろう。今から滅ぼすらしいし?


 あの人は側近の人だ、多分この側近の人はリストラされていない筈なんだよ。だって他に働いている人見た事無いし?


 「遥様ようこそいらっしゃいました、お呼びたてして申し訳ありません。こちらへお願いします。」


 「あれ?私は出迎えに来たんだが呼ばれないのかな?領主なんだけど置いていかれるのかなー?家臣が見たら泣くから止めてーって家臣だよね!?」


 やはりリストラされたのか、側近さんも見捨てたようだ。まったく渡る異世界は魔物ばかりだよ。あれ、なんかどろどろの嫁姑問題より平和そうだ!魔物を叩いている方が健全そうだよ?まったく健全が好きなら漫画やゲームの殺人シーンなんて禁止する前に公共放送のサスペンスドラマから殺人禁止すれば良いんだよ?家政婦が見る前に殺人止めるサスペンスとか素敵そうだ!家政婦無双?


 「こちらへお掛け下さい。」


 「私には無いのかな?席は無いのかな?家臣だよね?」


 やはりリストラされたから席が無くなってしまったのだろうか?窓際すら駄目だったの?メリメリさんに内職を紹介してあげよう。


 そして呼ばれた理由は隣り街に王国からの使者が来ているが多数の冒険者を集めているらしい、話し合いの前に偽迷宮の踏破を仕掛ける気だろう。


 偽迷宮がある限り交渉は圧倒的に辺境側に有利だ、このまま交渉に入れば王国側からは条件を付ける事すら叶わないだろう。だが偽迷宮さえなければ武力を交渉に持ち込める、王国軍が侵攻するには偽迷宮を潰す必要がある。


 だが軍は迷宮戦に向かない。数が多く陣で構え命令で動く軍隊は狭い迷宮では的になるだけだ、臨機応変に動ける冒険者の方が迷宮戦では強い。


 そもそも軍は対人特化、冒険者は魔物特化だしダンジョンの知識と経験が無ければ迷宮で戦うのはきついだろう。


 何故俺だけ知識と経験も無いのに迷宮初体験の初戦が迷宮皇だったのだろう?知識とか経験とか積む暇も無くいきなり最終決戦だったよ?うん、兵隊甘やかしすぎなんだよ、穴から落とせば良いんだよ!大体穴から地下第100階層まで落とすと上がって来ない気もするけど俺だけとかズルいんだよ?どうせおっさんだから良いんだよ、じゃんじゃん落とそう!最下層のおっさん王が潰れるまで落とし続ければ良いんだよ?いや偽迷宮だから下層も無いしおっさん王もいないけど?だっておっさん王とか使役したくないんだよ。


 「おーい!聞いてるかなー?話し聞いてくれないのは知ってるけど聞いて欲しいなー、せめて座らせてくれない?何で領主だけ立たされてるんだい?もう勝手に出て行かないから席を用意してくれないかなー?一人で立ってるのは結構悲しい物が有るのだよ?」


 どうも隣り街に高ランク冒険者と傭兵団が集められているらしい。


 防衛するより焼いた方が早いんだよ?だって全員おっさんだと思うよ?浄火戦浄した方が良いと思ったりするんだけどいけないらしい?いや、おっさんたちのジト目とかいらないからね?お目め焼いちゃうよ?マジ需要無いからね!


 「って言うか待ってても出て来ないと思うんだよ?あの偽迷宮は迷宮じゃないから殺せないし冒険者だけ通り抜けても意味無いんだよ?兵隊って言うか軍隊が通るのは無理だと思うんだよ?危ないよ、映像的に。真っ裸(まっぱ)のおっさん軍団とか需要無いんだよ?やっぱり焼いちゃう?」

 

 もうあの隣り街に民間人は誰一人いない筈だ、尾行っ娘一族が報告に来るまで分からないがあの街は生活物資が無くなっている、商店が無くなり廃墟化が進んでいる所に買い占めを仕掛けたのだから暮らせるはずが無い。もう墜ちている。


 更に尾行っ娘一族が人を辺境に移住させ、街もその近隣の町や村の物資は根こそぎ買い占めている、更に遠方からの仕入れは妨害して遅延させている。役人や兵隊ですら逃げだしているのだ、最早街では無くなっている。


 だって隣り街を焼いたり領主に手を出したり兵隊を殺したりすると王国の法に引っ掛かる、辺境側が俺を庇うと辺境側に不利な条件が出来てしまう。だからして無いんだよ?でも経済活動と物流を殺してはいけないなんて言われなかったし王国の法律にも書いていなかった。街の人は勿論だけれど領主も兵の命も殺せないから街を殺した、もうあの街は死んでいる。


 遅いか早いかだけの問題だから問題ない、どうせ隣りの領は辺境の魔石売買から高額の通行税をせしめる以外に収入が無い。じわじわと死んでいけば負担は下の者へ、弱く貧しい者に掛かる、だからさっくり殺して弱く貧しい者はみんな辺境に貰った。人手不足なんだよ?

   

 それにどうせあの偽迷宮は高ランク冒険者でも通り抜けられない。あれはあんまりだよ?誰だよ考えた奴!出口だと思って出ようとすると滑り台で入り口に戻ってるって?心折る前に冒険心折れちゃうよ!冒険者の冒険心折れちゃうと冒険しないで無職になっちゃうんだよ?ステータスが無職って結構心が折れちゃうんだよ?心折り過ぎてるよオーバーハートブレイクさんなんだよ?しっかりワックスを塗り込んでおいたからあれはツルツルっと滑るんだよ、甲冑委員長さんとスライムさんも楽しそうだったよ、16回も滑るもんだから帰るのが遅くなっちゃったんだよ。楽しそうだったから良いけど。


お読み頂いてありがとうございます。

ブックマーク登録、評価頂きありがとうございます、また沢山の御感想を戴き本当にありがとうございました、活かせるだけの文章が書けるか分かりませんが参考にさせて頂きます。

相も変わらずの修正も手付かずの殴り書き状態で申し訳ありません。

ブックマーク登録を7,000件以上頂いていました、また評価も300人の方から頂いていました本当にありがとうございます。(ついこの間ブックマーク5,000件と評価を250人も頂いて慌てて続きを書いた気がしてたんですが…朝の投稿する時に気付いて必死で書き上げました。)

こんな誤字脱字を集めて固めて乱文にしたようなお話をお礼とは烏滸がましくて言えませんがお礼文を書こうと思うと投稿するしかないのでまた投稿させて頂きました、分不相応な評価を頂きありがとうございます。心より感謝申し上げます。

これからも細々と迷走しながら進めていこうと思っております、もし気に入って頂けてお付き合い頂ければ本当に幸いです。

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