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やはり日本人にはハロウィンは合わないみたいだ。


52日目 昼 ピクニック



 みんな遥君がいるときは元気いっぱいだ。でもいなくなると寂しそうだ、友達がいるから大丈夫だけど、全員が精一杯で余裕が無い。甘えられる相手は遥君だけだ、甘えてしまっているんだよ、たった一人で生き抜いてたった一人で戦い抜いてたった一人で助けてくれたあの遥君に、あの強さに、甘え焦がれている。 


 もう子供の頃から守って甘やかしてくれた家族と離れ離れなんだから、その思いを遥君に重ね合わせてしまっている。


 「いっちゃたねー?お休みなのに?」


 「うん。もう採掘も済ませたって言ってたし?」


 「朝からストッキングも渡されたから内職してたんだし?」


 「って言うか、ミスリル化も進めてるから掘りに行ったみたいだし?」


 「あ~っ。今日は私のローブがミスリル化の番だ~っ?胸が窮屈だったからお直しも頼んじゃおう~。」


 「「「ソウデスカ、タイヘンデスネー。」」」


 遥君は偽迷宮に新しい罠を設置しに行った。お休みさせても働いてしまう、気遣おうにも気遣われている、そしてずっと眠らない、もうずっと。


 本人は称号の効果みたいって言っていたけど、きっと効果は有るのだろうけれど。でも眠らなくなったのは、休まなくなったのはずっと前だ。


 きっと今晩も忙しいとか眠たいとかぼやきながら一晩中内職するんだろう。そして私達が泣きそうな時は「新製品だよー?ぼろ儲けだー!」とか言って励ましてくれているんだ。


 そうして殆ど寝ないらしい。


 田中君を殺した時からずっと。


 二つの村が滅んでからずっと。


 みんなが笑っていれば嬉しそうにしている。


 小田君達や柿崎君達と莫迦してる時は楽しそうだ。


 アンジェリカさんやスライムさんがいつも傍にいてくれる。


 時間が解決してくれるのかも知れないけれど。


 遥君は時間と共に守りたいものが増えて行く。今は辺境まで守ろうとしている。


 幼い頃から次々と家族を失い続けた遥君は誰かが死ぬのが我慢できない。


 誰もが笑っていないと苦痛を感じる、だから友達を作ろうとしていなかった。


 それが今ではみんなに囲まれ幸せそうだけれど、みんなが笑うまで身を削ってでも喜ばせようとしてしまう。


 人の死に耐えられないから人を殺してしまった遥君は、家族を全て亡くした頃の遥君に戻ってしまっている。


 脅迫的な迄に自分を責め苛み、何もかもを助けようとするあの頃に戻ってしまっている。


 たった一人だった遥君に守りたい物が出来て良かった、だけど守るために手段を選ばない、自分の身も命も簡単に放り出す。


 時間が解決してくれるのだとしてもその時間が足りない、異世界では命の係る事が多すぎるんだよ。


 家族を思って遥君に甘えてしまう女子と、失った家族に重ね合わせて守ろうとしすぎる遥君。


 強くなって遥君を守る他に解決策なんて無いのだろうけれど、時間が足りなさ過ぎるんだよ。たった二か月足らずで色んな事が起こり過ぎている。


 きっと宿に戻れば面倒だって振りをしながら「晩御飯だよー。」とか言って、またみんなを喜ばせようとする。


 そして「ありがとう。」って感謝されない為に「大儲けだー。」とか言って悪ぶるんだよ。


 絶対に感謝されようとしない、遥君は自分が感謝されることが許せない、自分は感謝なんかされてはいけないと戒めている、きっとまだ自分の無力さを許せないでいる。


 だからこそなんだろう。スキルもステータスも弱いままで勝ち続ける、守る為にどんな手を使ってもあらん限りの方法で足掻き続ける。決して自分の無力さを許さない。


 もうこれ以上戦わせてはいけないのかも知れないけれど、もしそれで誰かが命を失えば遥君は壊れてしまう。


 だけどそれで遥君が命を落としたならば女子達が壊れるだろう、私は壊れてしまうだろう。


 「帰って来たらお菓子増量決議案だよ。晩御飯は何かなー?」


 「次の新製品は何なんだろう?アンジェリカさんに調べて貰おう!」 


 「「「何でストッキング作って下着は駄目なの?」」」


 守りきらないといけない。その為に強くなる、遥君はやって見せた。誰よりも弱いままで何もかもを助けて見せた。


 「残念ながら暫くは装備優先だよっ。全員の装備のミスリル化が最優先なんだからね?」


 「「「ええええ~っ?酷いー!」」」


 ほんの少しずつだけど、みんな立ち直っている。諦めたんじゃない、覚悟ができ始めている。


 少しずつ少しずつだけど、この世界で生きて行く覚悟が出来ている。遥君に守られたから、今度こそ遥君を守ろうと。


 でも甘えん坊は当分治りそうにも無いんだよ?あのお洋服とお菓子は魅惑的すぎるんだ!   



 「ただいまー。みたいな?って言うか晩御飯だから帰るよ?途中の村でかぼちゃを見つけたからパンプキン祭りなんだよ?トリック オア トライデント!」


 「「「おかえりー。かぼちゃって晩ごはんはなにー?」」」


 なんで悪戯したら駄目だと鉾で突いちゃうの?鉾で突いた時点でただの戦闘だからね?あとお菓子配って悪戯して良いかとか聞くと通報されちゃうからね?相変わらずなにもかもが間違ってるよ?大体どうして「ただいまー」に「みたいな?」の疑問が付く余地があったの?どうしてその疑問が「トライデント!」に向けられないの?トライデント!って突く気満々だよ。


 帰ってきたよ。みんな今日も大騒ぎだ、遥君は女子にじゃれられて逃げ回っている。やっぱり今日も遥君だ。


 ピクニックも終わりみんなで宿に帰る、わいわいがやがやぽよぽよと騒ぎながらみんなで歩く。


 宿に戻るとかぼちゃ祭りは開催された。茸払いで大量買い付けして来たみたいだ、お小遣いを使い果たしたと言う事だ、お説教だ。


 「「「パンプキンパイだ~っ!かぼちゃ祭りだ~!」」」


 きっとアンジェリカさんに聞いてしまって元気づけようとしてくれているんだよ?だってかぼちゃは副委員長Cさんの大好物だから。


 今日は楽しくお買い物だった、副委員長Cさんも楽しくて鼻歌交じりでお洋服を見ていた。そう歌ってしまった。


 遠く離れた人を想う歌を、口ずさんでしまったんだよ。だから想ってしまった、思い出が止められなかった。


 そして聞こえたしまったみんなが嗚咽を漏らし耐えていた、一生懸命に笑顔を造りながら。


 だからかぼちゃ祭りが開催中だ、さも偶然みたいに知らん顔して「一切れ500エレで大儲けだー!」とか言ってるけれど。


 きっとアンジェリカさんに聞いてしまったからかぼちゃを探し回っていたんだよ、きっといじっぱりの偽悪主義者は認めないんだけど、絶対だよ。いつもいつも犯人で確信犯だよ。


 「かぼちゃの煮つけも有るんだよ?何でかパンプキンパイと仲が悪そうな気がするけど有るんだよ?いや、俺が作ったんだけど俺は悪く無いんだよ?かぼちゃの煮つけとパンプキンパイの複雑な対立関係とか俺は知らないんだよ?だから俺は悪く無いんだよ。」


 美味しかったけどかぼちゃの煮つけとパンプキンパイの複雑な敵対関係は解決できなかった。ただしかぼちゃチップスは大ヒット作品だったよ!かぼちゃスープもかぼちゃケーキも好評売り切れ中だよ?でも遥君的にはチーズとクリームか味醂か赤酒が無いとメニューに困るらしい。美味しいよ?


 副委員長Cさんは涙を浮かべてかぼちゃの煮つけを食べてたよ。


お読み頂いてありがとうございます。修正も手付かずの殴り書き状態でお目汚しして申し訳ありません。

ふと管理ページを見て気付くと総合評価を11,000ptいつの間にか頂いておりました、本当にありがとうございます。

あれ?桁がおかしいと気付くまでスルーしていましたが頭がおかしくなったのかもと疑っていますが何回見ても5桁ありました?

なろうの人が誤字脱字の多さに怒ってどっきりか何かで復讐を始めたんでしょうか??未だ信じられないのですが日間も1位とも聞きました(怖くて見ていないんですが。)、こんな読み難くて分かり難いお話を読んで頂きまして重ね重ねありがとうございます。

こんな誤字脱字だらけの迷走中のお話ですがお付き合い頂けたなら本当に幸いです。ありがとうございました。

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