街ではピクニックがブームらしい森の中の洞窟暮らしのブームは来ないんだろうか?
52日目 昼 オムイの街
雑貨屋さんでは甲冑委員長さんも楽しそうにお買い物中だ、ハンカチを選んでは悩んでいるみたいだ?甲冑を拭くんだろうか?
「おーい、甲冑委員長さーん、帰ったよー。お腹空いたからジャンバラヤだよー。海老は無いから謎鳥肉さんだよー?多分卵が有ったらオムライスと違いが分からないんだよー?作る人が分かって無いんだよ?チキンライスと違う物なの?あれっ?」
まあ、ジャンバラヤだと言い張ればきっとみんな分からないだろう。
スライムさんのピクニックしている所まで行ってから遅めのお昼にして、時間があるから偽迷宮の改装にでも行こうか?それともスライムさんを森の洞窟に連れて行こうか?逆方向だから困る、本気で高速移動すれば廻れそうではあるが何が悲しくてお休みの日に高速移動で駆け回らなきゃいけないの?まあどっかにコボと駆け回ってる悲しい脳味噌の持ち主たちがいるが気にしない。気にしないったら気にしない。
「「「いただきまーす。(ポヨポヨー。)」」」
いい天気だし見晴らしも良い。ピクニックって感じだよ、ジャンバラヤだけど。
看板娘の話によると街の周りが安全になったので街ではピクニックがブームらしい、よしピクニックグッズの開発だ!大儲けの予感だ!
確かに今までは魔の森が近く、魔物も多くてピクニックなんて危険で出来なかっただろう。今なら魔の森の伐採も進み、序に魔物も伐採中なので安全だ。ましてや今では街人が棍棒装備だ、ゴブ達と殴り合う修羅の街だ!安全と言うかゴブが危険を感じているだろう。
さすがに女の子だけでピクニックは危険だがスライムさんがいれば問題ない。スライムさんがいて危ないなら城壁の中でも駄目だろう、だって限り無く迷宮皇に近いだろう迷宮王さんに倒せない魔物が出るならそこって迷宮最下層並みの危険度だよ?街造って住んでる場合じゃないよ?俺だって迷宮の最下層の大混浴温泉場計画は諦めたんだよ?ちょっと未練は有るんだよ?
デスサイズ部隊も近くで巡回しているはずだし尾行っ娘は高レベルの気配察知を持っている、それにスライムさんがいたらオーク・キングでもピクニックへの参加は不可能だろう。しかしデモン・サイズ達には魔の森の伐採を頼んだのにぐんぐんとレベルを上げているんだよ?絶対ゴブ達を伐採して遊んでいるんだよ?あんまりゴブとかコボと遊んでいると莫迦になっちゃうよ?きっと莫迦達は今もゴブとかコボと遊んでいるんだよ?オタ達は船で逃げたよ?奇襲失敗だったよ。
偽迷宮で「魔核の宝具 魔核作成操作」で魔物を作るの実験もしてみたかったが未だ解析が終わらないのと、珍しく強欲の化身さんでは無く食欲の化身のスライムさんが「魔核の宝具」を欲しがったのであげてしまったんだよ。美味しいのだろうか?
女子達はこのままピクニックに参加するそうなのでおやつにお菓子を配って置いた。3時まで我慢できるかどうかは知らない、看板娘と尾行っ子はお菓子と睨み合っているから時間の問題だろう。
そして甲冑委員長さんとスライムさんは付いて来てくれるのだそうだ。お休みだから好きにして良いよと言ったんだけどフルフルプヨプヨしていた?最近甲冑委員長さんがスライムさんに似て来ている?ちゃんと喋らないと上手くならないよ?朝のお説教だけは凄まじい勢いで上達してるんだけど?どうも毎日の女子達のお説教で学習している様だ、女子会では結構お話が上手くなったそうなんだが何をお話しているのかは乙女の極秘事項に触れるらしい?
そして偽迷宮を改装しながら一度通り抜けて隣り街に侵入する、壁くらいこっそりと飛び越えられるんだけどちょうど尾行っ娘一族の人がいたから手引きして貰えた。そして隣り街の冒険者ギルドによって情報収集したところ、かなりの数の冒険者が偽迷宮に挑戦して酷い目にあい今では誰も偽迷宮の依頼は受けないらしい。折角新しい仕掛けを作ったばかりだと言うのにやる気の無い冒険者達だ。まあ、武器とか装備が壊れたり溶けたりだから大赤字だろう。ついでにカップルで行くと別れると噂なのだそうだ、そのカップルは服が溶けた後に一体何をしたの?って言うかカップルがデートで迷宮に行くなよ?そんな奴は振られるよ!迷宮無罪だよ!
ちなみに現在の最高記録者は溶解液の沼の上の岩を三段跳びで越える所まで行けたらしいが三段目に塗ってある油で滑って落ちたらしい、どうも異世界人はフリが分かって無いんだよ?三段跳びだったら三段目に絶対何かあるよね?何で全部に引っ掛かっちゃうんだろう?
そして兵隊たちも武器装備が殆ど無くなり諦めているみたいだ。武器と装備が無くても兵隊なのだろうか?布の服に木の棒って俺とおそろだよ?嬉しくはない、どうせおっさん達だ。
それにしても住人がごっそりと辺境にお引越ししたせいで何かゴーストタウンみたいになってるよ?空き家だらけで人通りが殆どない、実際今も尾行っ娘一族が辺境へお引越ししたい人たちを次々と送っているから人口の減少が止まらないのだろう。辺境は人手不足の好景気だからみんなそっちに行っちゃうよね?不人気で当然だよ、だってここって領主がオークらしいよ?
お店も殆どが閉店だから商品も少ない、めぼしい物は買い漁ったしもう用は無いだろう。さっきお小遣いを貰ったのにまたまた無一文だよ?帰ったら怒られそうだよ。まあ帰ってから考えよう、さっきから小さくなってマントの中に隠れているスライムさんが退屈みたいでゴソゴソしてるんだよ?さっきは急に下半身が膨らんで吃驚したよ!そして何故か甲冑委員長さんが脅えてたよ?
「なんか折角作ったトリモチトラップとか出番が無さそうなんだよ?「落とし穴を颯爽と回避して壁のでっぱりに飛び乗ったらトリモチ。」って言う素敵アイデアだったから採用したのに挑戦者がいないみたいなんだよ?あと「天井に魔物の絵をかいて攻撃したら崩落。」って言うのも造ってみたんだけどトリモチと比べるとインパクトが今一つなんだよ?」
(ポヨポヨー!)
うん、スライムさん的にも不満なようだ?やはり触手魔物が必要なのかも知れないが今の所触手さんは俺だけなんだよ?服と装備の溶けた女冒険者を俺が触手で襲うとただの事案発生になっちゃうんだよ?あと俺魔物じゃ無いんだよ?
一通り偽迷宮の確認もしてみたが補修も充分に出来てるし、罠も全部ちゃんと稼働していた。管理ゴーレムさんは真面目に働いていた様だ、ご褒美に魔力を多めに充填しといてあげよう。
近くの街まで王族の使者団が来ているらしいが見に行かなくても良いだろう。だって団長が女騎士って言うから見に行こうかなーって考えただけで物理的にチクチクするジト目で突き刺されたんだよ?甲冑委員長さんも日々ジト目が上達している様だ。女騎士って言うのが被ってていけなかったのだろうか?貴重なクッコロさんなのだろうか?俺の周りって「くっ!殺す!」って言う女子しかいないんだよ、ちょっと違うんだよ?殺しちゃうなら「くっ!」いらないからね?あと追加注文受けないくらいで殺さないでね?一体何処の信長さんなの!なんで家康さんになれないの?あと委員長も秀吉さん作戦は止めてね?鳴かずに泣きそうなんだよ、俺?
後ろ髪が引かれているがチクチクするから帰ろう。いやだって女騎士って言われたら気に為るじゃん?俺今日って坑道の村でも隣り街でもおっさんとしか出会って無いんだよ?何のフラグも立たないんだよ?って言うかおっさんがフラグ立てたら焼いちゃうよ!立ったら俺が泣いちゃうよ?どうやらこの異世界は涙で満ち溢れている様だ。さーチクチクが痛いから帰ろう。
「今日はこれで帰るだけだし遠回りして帰ろうか?村とか有ったら食材が有るかも知れないし、まあお金無いから物々交換だけど結構小麦と茸のどっちかで通用するんだよ?もう貨幣は茸で良いんじゃない?俺だけ取り放題だし。」
そしてウンウンプルプルなので遠回りで帰ろう。しかし一人で喋ってるみたいで可哀想だからちゃんとお返事してね?今兜被って無いんだし?何かスライムさんの影響受けすぎなんだよ、先輩だよ?元上司だよ?
しかしスライムさんの高速移動が速くなってる?レベル上がるようなことはしていないのに?成長期が来たの?まだ食べる様になっちゃうの?内職はやはり必要なようだ、強欲さんもお小遣いは使い果たしたみたいだし。きっとハンカチは雑貨屋で買うよりも俺が造った方が安いのは内緒だ、きっとみんなお買い物を楽しみたいんだから。稼がないと!
お休み短いよ?
157人もの方から評価を頂き4,530件ものブックマーク登録を戴き心より感謝いたしております、ありがとうございます。最初は20話、途中から50話と言いながらお読み頂き、評価や感想まで頂けて思わず書き続けていると気が付けばいつの間にか170話迄来ていました、お付き合いいただき本当にありがとうございます。
また皆様の貴重な御時間を誤字脱字と乱文の解読のために使わせてしまいまして心よりお詫び申しあげます、すいません。
これからも細々と迷走しながら進めていこうと思っております、お付き合いいただければ幸いです。