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弾道軌道の実体験は異世界召喚より珍しい体験だろう。


17日目  洞窟前



 朝御飯も食べたし、出発だ。


 「じゃー、ショートカットで森に入るから、ちゃんと武装しろよー」


 「「「おおおおぉーーーっ」」」


 朝からみんなテンション高いよ、何処の大陸に行くんだよ?縦断しちゃうの?横断の方しか知らないよ?


 「みんなーっ、街へ行きたいかーっ?」


 「「「「うおおおおぉーーーっ」」」


やばい茸が混じっていたんだろうか?だからあれ程お魚にしておけと、、、。


 森の中は殆どゴブ、あとコボだオークはでない。これならさくさく進めるだろう。


 全員Lvが上がって足も速くなってるのか戦いながらでも進み具合が良い、体力付いたのかなー?


 そう言えば洞窟の中でも、痩せたの、括れたの、引き締まったのとお腹の見せ合いっこをしていた、もうちょっと男子高校生に気を使って欲しいです。


 お昼前には、昨日引き返したポイントを超えた、夜までに結構距離が稼げそうだ。


 お昼は携帯食の乾燥茸で、歩きながら食事、味気ないが先は長い。オタ達はちゃんと辿り着けたんだろうか、途中の森とかに住んでたら狩ってしまいそうだ。


 鑑定で食べ物チェックもしているが、薬草しかない。毒消しばかりなんだけどフラグ?一応回収しておこう。


 毒消しがあるのに、毒が無いとおかしいだろう。これでフラグじゃなかったら只の雑草だよね。


 千里眼で見廻しても森ばかり、気配はコボだらけ、取れるのは毒消しばかり、、、、、朝のテンションも尽きてしまう。休憩だ。


 「休ー憩っ。ジュースあるよー、安いヨ安いヨー。」

 

 「お兄さん、ジュース一本、身体で支払いねっ」



 「タダデイイヨ」


 「ジュース、、、イッポンブン、、ノ、、カチモ、、、ナイラシイ、、、ヨ、、。」


 裸族っ娘がのの字を書き出した、俺もやりたい、遂に地下室作る暇が無かった、、、、。


 「遥君、これ以上福貫さんを追い詰めないでね、色々失いかかってるから。」


 あれ、何でいつも最終的に俺が怒られるんだろう?ジュース配ってるだけなのに?これは心理的虐待だろうか?それとも精神的虐待だろうか?


 「結構進めてるけど、野営になるのは確定だねー、河原か?結構遠いけど中州もある?」


 千里眼でかろうじてだからかなり遠いだろう、しかし、魔物が本当に水を避けているなら安全ポイントだ。


 偵察に行ってみようか?試したいこともあるし。


 「森の中も大丈夫そうだし、ちょっと偵察してくる?みたいな?」


 「疑問系じゃなかったら、素直に信じられるんだけど、、、、私も行こうか?」


 「いや、委員長はコッチをお願い、見てくるだけだから一人でいいよ」


 そういって先行集団から離れる、軽く駆けながら魔力纏で身体を強化し駆ける。ここまでは何時も通り、そして、斤量魔法で身体を軽くして行く、、、おおぉー、、、こ


れは結構効く、、、更に軽く、、、更に速く、、、また更に、、。


 河原を下流に駆けて行く、森の中を高速で駆け抜けていたが、無理、この速さだと凄い速さで木が突撃してくる感じだ、しかも弾幕系だ、無理。


 河原なら障害物も少ない、足場は悪いが身体が軽くなっているので、跳ねる様に進める。



 これ、飛べないかな?軽くて速いのだ、助走を付けて跳ねれば結構いけるんじゃないのかなー?直線に出ないと無理か?、、、お、道真っ直ぐだ!


 「きっと飛べるはずー、アイ、、、キャン、、、フー、、、ラー、、、イー、、、、うをおおおおぉぉぉぉーーーーーーーっ!!」


 飛べたというか、超高速で長距離のエアーウォーク?弾道軌道の実体験をする日が来るとは人生分らない物だ、異世界召喚より珍しい体験だろう。


 河原と森が眼下で縮んで行く、、、出口見えた、、、森が切れてる、、、森の向こうを見ようと、千里眼で見渡したのがいけなかったのだろう、、、、。


 超高速で空高く打ち上げられている状態で、空気抵抗も凄い中、、、バランスを崩すと、、、墜落します、以上。


 「ぎゃ嗚呼あああああああああぁぁっぁっぁっぁっぁああああー」(ボクツ!!バキッ!愚者っ!)


 落ちました、HPが半分以下だ、魔物よりも空は危険らしい、余所見はもっと危険らしい。あと、最後の音、何、俺地面に莫迦にされなかった?


 弾道軌道で上昇し、錐もみ状態で森に突っ込んだ、かなり痛いが楽しかった、魔力纏してて良かったよ。


 上から見下ろすと地形が良く分った延々と右に迂回している、もっと右寄りにショートカットした方がいい。報告しに行こう。


 「ただいまー、夜中まで頑張れば森抜けれそうだよ。」


 「え、其処まで見に行ってたの?」


 「いや、打ち上げられて上から見下ろした?みたいな?」


 「遥君の特殊スキルの報連相って絶対機能して無いよね!偵察に行って何で打ち上げられてるの!?偵察衛星のスキルがあるの!?どうして偵察でボロボロなの!?」


 いや、ぼっちだから報告する相手も、連絡する相手も、相談する相手もいないし、Lvも上がらないし。


 「ほら、空を飛べるかなーとか思ったら、飛ぶって言うより打ち上げられて、、、落ちた?っていうか墜落?」


 それでも破れないマント?と布の服?もう布って何って言うくらい丈夫だ、コボに爪とぎされても破れなかった、どんなに汚れても、返り血浴びても水で洗うと元通りだ。村人Aさんは一体村で何をして居たんだろう?


 森の中で進行コースを思いっきり右にして進む、けっこう森の奥を通るようになる、近道だが警戒しないと危険だろう、まだ未見の魔物だっているかも知れない。


 交代でパーティが先行して魔物を狩る、追い付くと次のパーティが先行する、結果速度が落ちない。


 やはり委員長の策案能力も指揮能力も分析能力も高いようだ、もしかすると性豪能力も絶倫能力も、、、、いえ、何も考えてませんよ、、、天気は大丈夫かなーって、、、ホントウダヨ?



 もう、夜だ、そろそろ夜中だ、森も大分開けてきたし、もうじき森から出られるだろう、が、出てしまえば遮蔽物が無い、、、この辺で野営かな、川も近いし。


 「お泊りしよう。みたいな?」


「「「「はあぁぁーーーっ、賛成ーっ」」」」


 結構お疲れのようだ、テントを張ろう。よし張れた。


 何か、睨まれてる。行き成りテントと言うかエアード-ムが出て来たのが納得行かない様だ。何かする度に睨まれるのも納得いかないんだけど?


 「いや、開けって行ったら開くだけだし、ほら、20人でも広々だよっ。」


 川辺に簡易風呂を作り、衝立を巡らせる、お湯を沸かしたら即逃げる。何故なら裸族っ娘が脱いでも怒られるのはきっと俺だ。称号に「きらわれもの」とか付いてしまったんだろうか?


 今日取れたのは毒消しばかり、食材にはならないだろう。茸サラダのバイキング但し全部塩味で我慢して貰おう。


 女子達は順番に湯浴みしたり、食事したり、テントで転がったりしている。


 変に働くと委員長達が気兼ねするので、座って休んでいるような顔をしながら、地面に手を付きコッソリと魔力を流し柵と堀を作っていく。


 そー言えばオタ達も拠点でやってたらしい、あと何だったっけ?そーだ、落とし穴。掘っとこう。魔法トラップとか出来ないかなー?


 夜警はいらない、テントも魔除け付だ、寝ながら索敵も気配察知も出来る。今までもオタもゴブも莫迦もちゃんと発見できた。


 只、女子は練習になるだろう、これから必要に為る筈だ。


 女子4グループと俺の5グループでローテーションって考えてたら、何故か4交代で俺も女子グループに入れられた。


 テントは面倒くさい、天気も良いし寝袋でいいだろう。ひきこもりの効果で守られるだろうし。


 そう言えば。夜中に小雨が2,3度降っただけで雨らしい雨が無い?乾期なんだろうか?


 

 夜警もあるし寝よう、、、みんなどうやって時間が分るんだろう?


    ・

    ・

    ・


 「遥君、起きて下さい、夜番ですよー。」


 気配察知で起きてたが、緊張感を持たせる為にも内緒の方が良いだろう。


 「うん、起きたよ、、、あと、後生?」


 「どんだけ寝る気でなんですか、今生だけじゃ足らないんですか!?」


 あほな事を言いながらテントから出ると脳筋女子体育会系四天王が待ち構えていた、誰が最弱なんだろう?多分裸族っ娘だろう。


 「おはよー、じゃあ夜警頑張ろうーっ」


 「ふぁ~っ、起きてるだけで見回りとかいいのかなー?」


 「寝ちゃ駄目だよ、添い寝しちゃうよ」


 「眠いの、、眠い?、、、眠る?」

 

 「いや、添い寝したらそいつも寝てるから、あと最後、寝るなっ!」


 体育会系女子は、有名人だったりする。偶に小さく新聞に載るくらいだが知名度が高い。


 知名度が有るんだから、もしかしたら名前とか有るのかも知れない。俺知らないけど?


 よく考えれば、元の世界でも困っているだろう。


 女子だけでも水泳の五輪強化選手の裸族っ娘。


 何故か寝る気満々の新体操っ娘も、そうだった筈、二人とも国際大会とか出てるらしい。


 後の二人も、TVの有名人1年生でインターハイで活躍して準優勝した人気者らしい。


 「えーと?確か、、あー!何とか高校のツイン電柱!?」


 そーそー、学校でも垂れ幕出てたよ。んーんー、見た覚えがある、良かった、俺の灰色の脳細胞に掛かれば、、、


 「「誰がツイン電柱!?足太いって言いたいの!?それに、何とか高校って自分の学校の名前忘れてる!?」」


 「あれっ?なんかそんな垂れ幕が前に下がってなかったか?」


 「ツインタワーだから!普通、電柱出て来ないから。」


 「ツイン電柱って垂れ幕下ろしたら焼くよ、絶対!」


 違ったらしい?俺の灰色の脳細胞に掛かればどうでも良かったみたいだ。


 「いやー、有名人に囲まれて夜警かー、緊張するなあー?」


 「「「有名人所か、名前覚えて無いでしょう!!同級生なのに!!」」」


 「私なんか、、裸族、、、ラゾクッコッテ、、、ラゾク、、。」


 裸族っ娘の、傷は深いらしい。男子が襲ってきたトラウマだろうか?


 「いや、ほらっ、裸族っ娘もTVでみたぞ、、ほらっ、、、あれだ、、、女子水泳界の、、マンマミーア、、、プリン??」


 「、、マンマミーア、、プリン?、オイシソウダネ、、プリン。」


 あれ、傷が深まっている、日々魔物と戦うトラウマだろうか?


 「マーメイド プリンセスをどう聞いたら、マンマミーア プリンに為ったの!?」


 あー、聞き間違いかー、空耳イヤーとか言う奴だな。


 「うー、私のも絶対間違ってそうだよ。」


 「大丈夫だ、新体操っ娘のは学校にビラ張ってあった、廊下の上の、、、ファブリーズ?、朝、見たよ。」


 「何処の誰が廊下の上にファブリーズのビラ張ったのよー!?」


 「「「フロア上のフェアリーダンスって書いてあったよね!!誰が廊下でファブリーズしてたの!?」」」


 困った奴らだ、夜警なんだから静かにしないと迷惑だよ。って注意したら何故か俺が怒られた。これが、逆切れかー。


 焚き火しながら周囲のチェック、気配察知にも索敵にも近付くものは無い、脳筋女子体育会系四天王はまだご立腹らしい。


 あれだ、脳筋に女子も男子も知能も無いはず。


 「ジュース飲むかーいっ?」


 「「「「わ~い!!」」」」


 所詮は、莫迦やゴブ達と同じ種族、ちょろいもんだぜ。


 「木の実のジュースは木の実があんまり無いって言ってたのに大丈夫なの?」


 「ああっ、何か木の実を水に漬けてたら漬けてただけ、どんどん味が濃くなってるんだよ?薄めても薄めても又濃くなる謎飲み物なんだ」


 「おおー、飲み放題、異世界ドリンクサービス!」


 「別れる時にみんなに分けるから1グループに一袋は貰えるよ?」


 「遥君はほんとに帰っちゃうの?」


 論理的に正しいと解っても、感情的に納得できない事がある。


 女子達の何人かが納得していないのは俺も気付いていた。


 だが、こいつ等は分るだろう、其れがどういう事か良く知っているのだから。


 「みんなが世界選手権の団体戦に出ようって言う時に、一緒に遣って来たからって下手な奴をチ-ムに入れるのか?それはどちらにとっても不幸だよ?」


 感情的にどうであれ、スポーツ競技の頂点を争う人間なら、嫌と言うほど理解しているだろう。


 元の世界でLvの差を理解できるのは、多分こいつ等だけだから。


    ・

    ・


 ようやく夜番も終り、交代は正副委員長軍団だ。本当の副委員長は誰だったんだろう?


 寝よう。



17日目 深夜 野営 テント内 女子会



 野営の交代をして、体育会組みの報告を聞く。


 余り話す機会が無かったのでお礼を言いたいと言うので、夜警の組分けで遥君と一緒にしたんだけど、


 「ごめん、駄目だったよ、逆に説得された。」


 「ああ言われると、、、言い返せないよ。」


 「結局、遥君のペースの持って行かれたよ。」


 「何も言えなかった、、、言いたい事一杯あったのに、、。」


 やっぱり無理だった様だ。


 遥君は真面目に感謝されそうになると話を混ぜっ返す。其れはもう遠心分離機を越える混ぜっ返しで、何の話をしているのかも解らなくなる程の超高回転型の混ぜっ返しフリーフォールバンジーって感じだ、気が付くと感謝してた筈が怒っていたりする!?


 「やっぱり、街で小田君達を見つけて相談するしかないかなー?」


 説得は難しいようだ、ありがとうすら言わせて貰えないんだから。


 みんな、遥君にちゃんとありがとうを言いたくて順番待ちしてるって言うのに、、、あれは、究極の照れ屋さんだ。


        17日目終了


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― 新着の感想 ―
[良い点] よくある鈍感系チート主人公は段々と腹立たしくなってくるけれど、彼はいいですね(笑) 彼は全力で照れていたのか(笑)
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