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影響の心配をするなら俺を怒る前に自重が必要とは怖くて言えない。

51日目 夜 宿屋 白い変人 女子会



 女子会で明日のお休みを決める処か大問題だ。


 殺せない魔物が出てしまった、誰にも倒せない魔物だ。アンジェリカさんに倒せないなら私達がLv100になっても無理に違いない。


 「大迷宮のスフィンクス並みの不死身なのに倒す方法が無いって化け物だよ?絶対に私達じゃ倒せないよそんなの?」


 「魔物の無限湧きはトラウマなんだよ、って言うかあの木乃伊達を薙ぎ払ってスフィンクスを一刀両断したアンジェリカさんに倒せないって?迷宮皇だったんだよ!」


 何故か遥君はハンバーグを焼きながらついでのように話してたけど60階層の迷宮王はとんでもなかったみたいだ。最悪の魔物だ。 


 「でも「いやー運が良かったんだよ?的な?」って、あれって運で片付けて良いの?普通に奇跡だよ?私達が生きてるのって。」


 「「「あのまま付いて行っていたら間違いなく死んじゃってるよね。」」」


 そう、運良く生きている。ただ運が良かっただけだ、遥君の豪運さんにお祈りをしても良いくらいだ。でもお祈りとかしたら使役されちゃいそうだよ?実は結構みんなギリギリで危ないと思うんだよ?本当に。


 でもあのまま50階層を超えて下りて行っていれば死んでいたんだ、私達も、そして遥君も。


 あのダンジョンの50階層で探索を止めて次の迷宮に行ったからスライムさんが仲間になってくれた、そしてそこに有った本で遥君は倒し方を思い付いた。そしてスライムさんがとんでもなく強かったから私達は49階層から下の探索は禁止されてしまった、だから結果的には誰も死ななかった。結果だけが良かった。


 運だよ。順番が一つ違っていれば死んでいたんだよ。


 遥君が危険を感じなければあの迷宮で全滅してたんだ。


 でもだからって遥君達だけにそんな危険な事をさせるのっておかしいんだよ?


 確かにLv100には誰も届いていない、そしてLv100にみんなが成れたとしても勝てない魔物がいる。Lv100で本当に強力な力が手に入るのだろうか?でも強くなれなければ遥君達だけが戦う事になってしまう、それに今はレベルを上げる以外何も出来る事なんて無いんだ。でも、


 (コンコン。)


 アンジェリカさんがやって来た?此処からが真の女子会だ。サンド・ジャイアントの事も詳しく聞いておきたい、だって遥君に聞くと訳分からないよ?「なんか死なないから揺らしてみた?いや、振動じゃ無理?ほら、原子とか分子とか的な何か?だって運動加速な何かな感じで死んだよ?急激な過度の運動は危険なんだよ?マジ死んだし?」との事だったらしい。誰も真面目に聞いていなかったけど、真面目に聞くと余計に分からなくなるんだよ?


 そして毎晩行われる危険な急激な過度の運動のお話も聞かなければならないの、だって危険だから。色々なものが危険なんだよ?乙女的に。


 「「「ああああっ!お揃いだーっ!」」」


 あれ?アンジェリカさんは学校指定のジャージ姿で現れたんだけど?ジャージっ娘達が囲んでいる、並んでみるとちょっと違う?光沢とか質感が違う、なによりも未使用の新品だよ?と言う事は誰かのを借りたんじゃなくてアンジェリカさん用に作って貰ったんだ、ならば遥君だ。


 そうか気付かなかったよ、ごめんねアンジェリカさん。学校指定のジャージはみんな持ってるし楽だから夜はよく着ている娘がいる、それがみんなお揃いに見えて羨ましかったし寂しかったんだろう、仲間外れみたいで、仲間に成れないみたいで、だから遥君が作ってあげたんだよ。仲間なんだよって、みんなと一緒だよって作ってあげたんだ。気付かなくってごめんね。


 そしてまた何か作っているらしい、そもそもいつの間にジャージが作れるようになったんだろう?編み地だから編み物を覚えちゃったのかな?いや、きっとあの触手さん、魔手さんだよ!何故か遥君と触手さんはとっても相性が良かったみたいなんだよ?遥君は何を目指しているんだろう、触手を使いこなして?


 「それってタイツなのかなー?ロングソックスなの?短いの?」


 「何々?新製品情報なの?何作ってたの?何時いつから販売なの?」


 また何か作ってるのがみんな気に為ってしょうがないんだよ、でも女子はみんな破産しちゃってるからお金持って無いんだよ?犯人は勿論悪の商売人だよ。


 アンジェリカさんが身振り手振りで説明してくれる、長いソックスで短いタイツ?アンジェリカさんの脚が長過ぎたんじゃないのかなー?えっ太腿でって。ギルティーだ!それはきっとニーソックスだよ、オーバーニーソなんだよ!それは間違いなくアンジェリカさんに履かせる気満々なんだよ、そして頑張る気も満々なんだよ!


 「ニーソなの!?いるよニーソ、黒だけだった?注文受付は未だなの?」


 「「「追加注文だー!ニーソさんの発注だー!」」」


 みんな買う気満々だね?もうお金持って無いのに、借金だらけになちゃってるよんだよ?


 「えっ。レース編みなの?って言うかジャージ素材が開発されてるの?ストレッチさんなの?」


 ジャージ素材ってメリヤス編みだよ、それにレース編みまで開発している?と言う事は薄い生地ってストッキングまで作っちゃってるの!?作ってるのは一人だ、そして目的は一つだ!ギルティーさんの中のギルティーさんだよ、犯行前から有罪なんだよ。


 しかし恥ずかしがって下着の注文は受けてくれないのにニーソとか作っちゃったの?ストッキングだって間違いなく注文が来るんだよ?それ絶対自分で自分の首を締めあげちゃってるよ?首もげちゃうよ?


 そしてアンジェリカさんは試作品を貰いに遥君の所に行って帰ってこない?試着して襲われちゃったんだろうか?とてもとてもやりそうだけど遥君は着せたいのだろうか脱がしたいのだろうか?どっちにしても急がしそうだよ。


 「「「きゃあああっ。お帰りー。あーっ、やっぱりニーソだーっ!」」」


 アンジェリカさんがニーソックスを沢山持って帰って来てくれた、既に量産されてるの?って言うか衣装替えしてる?おニューのミニドレスを着て、、、あああっ!ストッキングだよっ、しかも柄ストッキングが開発されちゃってるよ!可愛いよそれっ、うん追加注文だ。


 ニーソもストッキングも試作品が結構あるからみんなでお試ししているんだけど、アンジェリカさんが副委員長Aさんに何か渡している?網みたいな、、、って。


 「うーん、これは伸縮性があんまり無さそうだから慎重に履かないと?あっ、これマルチカラーだ。魔力が流し込めるから見た目よりも丈夫だよ、サイズもぴったりだし。でもこれってエロくない?」


 「「「うん、めっちゃエロいよっ!デニムの短パンが致命的だよっ!」」」


 副委員長Aさんはお気に入りのデニムのホットパンツに太腿の真ん中あたりまでの網タイツを履いてポーズをとっているんだけど、すっごい妖しいお姉さんみたいなんだよ?夜それで出歩いたら駄目なんだよ?そして何でそんなにサイズが副委員長Aさんにぴったりなのー!


 さっきまで部屋中が女子校生の生足だらけだったのに何故か肌色率が下がったのに逆に妖しい雰囲気だよ?特に柄ストッキングの人と網タイツの人のせいなんだよ。二人ともエロいよ?


 「きゃあああ~。ストライプのシースルー感がエロい!エロっ娘だねー!寿司喰いたい?」


 「総レース編みのストッキングって、綺麗で豪華で高級感が溢れ出してる?エロいけど?」


 「異世界でニーソ初デビュー!恥ずかしくて買えなかったんだよ、異世界なら知り合いとかいないし?ねえ?」


 みんな試作品と言いながら綺麗で可愛くて素敵なんだ。ちょっぴり大人ぽかったりするけどそれが素敵さんなんだから、こんなの絶対に前の世界では着れなかっただろう。でも恥ずかしくても照れくさくてももう関係無い、だって見られて困るお知り合いとか眉を顰める様な面倒な人なんて誰もいないのだから。


 それにお洒落なんて一度は完全に諦めて忘れようとしていた物だったから、きっとみんながもう2度と昔憧れていたような素敵なお洋服なんて着られないと思っていたんだよ?網タイツやニーソックスなんて考えもしていなかったんだよ?あの時買えばよかったなー、もう着られないなーって諦めてたのに。もう諦めていた物なのに。


 だから今は大はしゃぎだ。完全に見た目はエロ女子会だ、男子禁制のやりたい放題だよ?だってもう女性っぽい大人のお洒落やお姉さん系のセクシーな服なんて一生着れないはずだったんだから、諦めて無くしてしまったあの世界の思い出や憧れだったんだから。手に入らない思い出だったはずだったんだよ。


 私も大人になったらってあの頃は思っていた、そんな失われた女の子の夢が中世レベルの更に辺境のそもそも異世界の宿屋の一室で目の前に現れたんだからそれはもう大騒ぎだよ!だって諦めちゃってたんだよ、もう消えてしまった思い出だって。


 さらにアンジェリカさんがドレスや大人っぽいお洋服を貸してくれるものだから大変だ、ドレスとストッキングをとっかえひっかえする裸族の群れだよ?これは乙女の極秘事項だよ!この秘密を見た者は消しちゃわないといけないんだよ!


 ただこれってどうするの?街では着れないよ、エロ過ぎるよ。買うけど。


 だってこの辺境の街はずっと貧しかったの、貧しくて危険で生きて行くのが必死だったの。だからお洒落なんて無いの、この街には。


 つい最近までは。


 急に平和になった、急に生活が楽になった、いつの間にか日々の暮らしに余裕が出来始めた、気付いたらちょっとずつ豊かになってたの。


 そして街のお店には急にかわいいお洋服やアクセサリーが並び始めた。今迄見た事も無かったし買うなんて夢のまた夢だったのに買えるようになってしまった。


 でもみんなどうして良いか分からないの。


 だって知らないんだよ、お洒落なんて。


 だってみんな必死に生きるので精一杯だったんだから。


 夢にも見なかった夢に戸惑っちゃってるんだよ?街の女の子達も奥様達もみんな。


 ずっと有る物を工夫して頑張ってお洒落してたけど、急激過ぎてもう知識が追い付かないの!


 辺境では新しいお洋服なんて夢だったんだよ?


 辺境には可愛い服なんて売って無かったんだよ?


 だからどうして良いのか分からなくなっちゃってるの。


 それだけでも大変でみんな悩んでいたのに、今はもう大混乱なの。


 だって中世の田舎に現代のお洒落ファッションを持ち込んだんだよ!何百年分追い付かなきゃいけないの?


 そしてそのせいで見られちゃってるの、特にお休みの日は凄いの。だって街中の女性に注目されてるの。


 ただの女子高校生でも現代人だしお洒落だってお金は無かったけれどみんな頑張ってたんだから。だからこの街ではお洒落さん扱いなの。


 さらに島崎さん達5人がいちゃうの。小さな顔に長い手足で身長も有って大人びて奇麗なの、しかも本物のお洒落さん。


 その可愛さと綺麗さとスタイルの良さに抜群のセンスがあるの、だから読者モデルさんだったの、それで更に専門家並みの知識になっちゃってるの。

 

 そして今ではすっかり仲良くなってみんなのスタイリストさんなの、お洋服の専門家にコーディネートされちゃうの。


 だから凄く注目されてるんだよ。


 そして影響力があるらしいんだよ?


 ギルドのお姉さんに教えて貰った話では私達が着てたお洋服を真似するのが流行なんだって、真似しちゃうんだよ?街の女の子たちが一生懸命お金を貯めて?


 毎日一生懸命働いて、少しずつお金を貯めて行って、何時か絶対に夢のような綺麗なお洋服を着ようって、その為に私達に注目して勉強中なんだよ?


 網タイツは無いんだよ。


 遥君は何でも破壊しちゃうとは思っていたけど原子崩壊に続き異世界のモラルも崩壊させちゃうみたいだよ。


お読み頂きありがとうございます、今朝も総合評価が上がっているのに動揺中です、ブックマークも1,000件まで頂きました、本当にありがとうございます。

と言う訳で調子に乗りつつ動揺したまま投稿させていただきます、評価も次々に頂いているんでこのままだと今日でストックが尽きそうです、相変わらずの乱文にお付き合い頂きましてありがとうございます。

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