健全な男子高校生が女子を手でぺたぺた触るなんて不健全なんだよ?
50日目 夜 宿屋 白い変人 女子会
お風呂から上がって女子会です。
大襲撃で滅びた村の事で遥君の様子がおかしかったのが心配でみんなでお話合い、どうしたら良いのか?何をしてあげられるのか?何て言ってあげれば良いのか?言ってあげられるのか、みんな分からないんだよ。出来る事をするしか無いんだけど、何がしてあげられるかが分からない。
元気づけるとか励ますとかは違うと思うんだよ?でも遥君のせいじゃ無いよって何万回言ったって駄目なんだよ、それで救われるならみんなで何億回だって何兆回だって言い続けるよ!
でもそんなんじゃ駄目なんだよ。
そして、みんなで責任放棄した「無限の触手」の話。アンジェリカさんは泣きそうになってる、でも顔が赤いよ?息もづかいも荒いよ?想像しちゃってる?駄目だよ?妖しい雰囲気を振りまいちゃったら?みんな顔が赤くなっちゃってるよ、想像しちゃったら乙女の危機だよ?
「あの沢山の触手が操れちゃうよ?あれはやばい物だよ?アンジェリカさん頑張ってね!そして明日も女子会しようね!」
うん、聞き出す気満々だね?でもお風呂で聞く度に溺れてるんだからお部屋で聞こうね?
「やっぱり~っ?あの触手さん達が~?振動しちゃうのかな~?ぶるぶるう~ぶるぶるん~って?」
「「「きゃああああっ!触手さんは危険だよ!遥君とセットにしたら最終兵器だよっ!乙女が滅亡されちゃうよっ!」」」
遥君は屑スキルしか持って無いって言いながら組み合わせたり、混ぜ合わせたりしながら戦ってきた。そのせいで内職どころか料理すら手が出せない、制作過程自体が大魔術だ。だから想像もつかないような使い方をしちゃう、触手さん単独でも危険満載なのに組み合わせ混ぜ合わせて凄い事になっちゃうだろう!きっと今晩アンジェリカさんが凄い事になっちいそうだ!うん、明日も女子会だよ、朝から開催だよ。
(コンコン?)
ノックだよ、遥君だ。この世にノックの音が疑問形な人は遥君以外にいないと思うんだよ?どうやってるのだろう?
「「「はーい。女子会中だよー?混じりたいの?女装しちゃうー?」」」
「しないよ!って言うか委員長ー。採寸しちゃうよー?マルチカラーのワンピだよー?女子会終わらないんなら先に寸法だけ出してよー?」
ドアの前から遥君の声。女装はしないらしい。
「「「入って良いよー!」」」
なんで勝手に返事しちゃうの?って言うかみんな恰好が無防備だよ?一応遥君は男子さんだよ?まあ多分先に逃げるのは遥君なんだけど。
「おじゃまー?みたいな?寸法取ったらすぐ帰るから、それとこのワンピでマルチカラー試しても良い?色で悩んでたみたいだし?的な?」
やった!ずっと白と水色で悩んでたんだけど実は黒も欲しかったんだ!赤はチョット照れるけどマルチカラーなら問題解決だー。って遥君は何でマント来てるの?お風呂上りに完全武装なの?違うみたい、グローブもブーツも無し、服もラフな感じの、、、あああーっ!自分だけジーンズ作ってる!
「ずるいよ!自分だけデニム作ってる!追加注文だー!」
「「「「異議なし!異論は認めない!」」」」
よし、可決されたよ。でも女子にはジーンズだけじゃ駄目なんだよ!ワンピに合わせたかったけど異世界だから諦めてたんだけどジーンズが有るんなら作れるはずだよ。
「更にGジャンの開発を要請しまーす。短丈が好いかなー?」
「「「承認!追加案でデニムのスカートも要請します!」」」
「「「デニムの短パンは正義だー!」」」
「「「正義だから可決だよっ!」」」
デニムじゃなくても今この部屋の娘達はTシャツかチェニックに半パンかミニスカだったりする。遥君は目のやり場に困って現在絶賛劣勢中だ、ここで注文を出し切ろう!
「追加支援物資は決定しました。女子には可愛い支援が必要なんです、だってこの間も自分だけ細身のカーゴパンツ履いてたんだよ!私は八分丈が良い!」
「「「遥君だけズルいー!私も欲しい!」」」
パンツ派の喰い付きに押されている。スカートの方が作りやすいって後回しだったんだよ?みんな待ってたんだよ?きっと自分が女子の脚を採寸するのが恥ずかしくて後回しにしちゃってたよ、その反動でパンツ派が燃えちゃってるのだ。
「無実なんだよ!まだ試作段階なんだよ?俺の服全部試作品なんだよ?一人サンプルセール?みたいな?」
「「「サンプルセールの入場券もいるー!」」」
流石に自分で作ってるんだからサンプルは許してあげようよ?でもサンプルセールって名前が駄目なんだよっ?本能が目覚めちゃうんだよっ。セールって付けられちゃうと。
遥君は肌色率の高い女子校生に囲まれて逃げ場を失っている。目が泳ぎ過ぎて遠泳を始めちゃってトライアスロンで鉄人さんになっちゃってるよ?なんでテラー・ナイト泣かせちゃう目が逃げ回ってるの、それ余計にでもみんな寄って来ちゃうよ?
揉みくちゃです。優先権とデザインの希望が殺到して揉みくちゃにされて遥君の目は瞳から光沢が消え焦点が跳んじゃって虚ろ目になっちゃってるよ?
抵抗虚しく大量の注文票を押し付けられたまま、逃亡を許されずにされるがままとなっている。この場面だけ見れば立派なハーレム状態なんだよ?遥君の目が死んじゃってなければ、遥君はエロい割にはヘタレさんなんだよ。
「わあああっ!じゃあ、もうきりが無いから全員の採寸をいっぺんにやっちゃうから。あんまり動かないでね?まだ制御が完全じゃ無いんだよ、あれ?制御は完全なんだ?力加減って言うか?触手加減?みたいな?」
それからは阿鼻叫喚だった。
身体中を触手で採寸されちゃったんだよ?
触手の方が精密に寸法が取れるし、いっぺんに済むからって。
自分で測るのが恥ずかしいからって触手でしちゃうの!
いや、みんなされちゃったんだよ!
遥君の全身から伸びる無数の触手に絡め捕られて寸法取られちゃったの。
体の隅々まで触手さんで採寸されちゃったんだよ?
なのに遥君は部屋の真ん中でうんうん言いながら触手さんと一緒に布を切ってはその布地を触手さんがフィッティングしに来るんだよ?
身体にあわされた布は次々に遥君と触手さんによって縫い上げられていく、何度も何度も触手さんにサイズを確認され服をあてられていく。
流れ作業の様に遥君と触手さんによって布地は服になり、身体にあてられてはお直しされていく、って言うか立体裁断してるの!
トルソーの様に充てられた布は裁断されては縫製され、縫われてはまた充てられて調整されていく、そして次々に造られていくお洋服たち。
女子が全員力無く倒れ込む頃には追加注文分のお洋服の山と請求書が置かれていた。結構なお値段だ。
だって完全なフルオーダーのお洋服。全てが自分の為に作られた自分にだけジャストフィットな自分だけの服なんだ。
豊かだった日本でだって逆に高くて頼めない様な贅沢だ、自分が求めたデザインのお洋服が自分の身体に合わせて作られていくんだから。
完全な私だけの為のフルオーダー、私だけの服。最高の贅沢品なんだよ。だから請求書の金額が凄い。
ほら?あんまり遥君を揶揄っちゃ駄目だったんだよ?全員復讐されて倒れちゃってるよ?しかもみんな借金塗れなんですよ?
でも、みんなお洋服を抱きしめて幸せそうだ。
だって、自分だけのお洋服を作って貰えるなんて女の子の夢なんだから。
女の子ならずっと思う永遠の夢が叶えられちゃったんだから。
触手さんじゃなかったら素直に喜べたんだよ?
触手さんだと女の子の夢が悪夢になって魘されちゃいそうなんだ。
嬉しくて幸せいっぱいなんだよ、みんな。
ただ乙女的なダメージが大きかったのだ。
だってみんな顔が赤くて息が荒いよ。
「「「「もうお嫁にいけないよー!」」」
触手さんは乙女には危ないことが判明しました。うん、乙女が絶滅の危機だった。