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人類に生息限界から一体これ以上どうすれば田舎に行けるの?


50日目  朝 ダンジョン  



 そうしてこうしてダンジョンを下りて行く。


 って言うか下りて、本を取って、また下りて?他に何もしていない?未だ活動中のダンジョンを踏破し地下の第50階層の階層主と戦うために編成されたユニオンはお洋服の話に花を咲かせて忙しそうだ。ちゃっかり虐殺を済ませた甲冑委員長も女子達のお洋服話に参加している、兜も外して嬉しそうにお話しているから良いんだけどさー?良いんだろうか?


 地下30階層の隠し部屋では新たなシリーズの本だ、その名も「田舎暮らし」。してるよ!充分してるよ!辺境より田舎って魔の森?お家はそこにあるんだよ?もうこれ以上の田舎は無いと思うんだよ?でも全然スローライフ出来ないんだよ?毎晩馬車馬の如く内職してるんだよ?地の果てまで行かないと駄目なのかなー?俺のひきこもり生活。あれ?俺もう引退してスローなライフしちゃうの?よく考えると異世界で別にする事無いんだよ?俺もうリタイヤしちゃうの?


 だが中身を読んでみれば農業畜産の指導本、教科書といって良いくらいの学術書的な本だった。辺境の農業改革に最適な一冊だ、フラグを立てておいた甲斐はきっとあったのだ!ずっとここに置いてあったんだけど意味はきっとあったのだ!帰ったら内政チートにも詳しいオタ達にも読ませて相談した方が良いだろう、これで農地改革に畜産が組み入れられるよ。しかし異世界は本のタイトルの付け方に問題がある様な気がするよ?まず「タイトルの付け方」を発行するべきなんだよ、特にノォウ ハァウとか書いている人に読ませるべきだよ。マジで。


 そして何の盛り上がりも見せ場も無いまま地下35階層に降りて来た、甲冑委員長さん張り切り過ぎだよ?何かダンジョンの踏破が洞窟拝見になっちゃってるよ?そして隠し部屋、しかも35階層。此処までくれば5階毎に隠し部屋が有るのだろう。その地下35階層の隠し部屋ではではやはり本、「ウエポンスキル大全」うん、いらない。


 だってウエポンスキルってガチンコの打ち合い殴り合いの技なんだよ?先に倒れたら負けの撃ち合いなんて出来る訳ないじゃん?死んじゃうよ?逆にウエポンスキルの殴り合いが普通だからレベルの壁が大きいんだよ。ウエポンスキルは技が大き過ぎて避けたり躱したりが出来ない。一撃が早く強いけど隙も大きい、だから使えないからいらない。まあ、共有図書にしておけばみんな読めるし、オタ達はコンボ技の研究を始めてたからちょうど良いだろう。はめ殺し技が有るんなら覚えても良いんだけどね~?Lv10台だと意味が無いんだよ?


 そしてまだ続いてるお洋服会議。一体どれだけ服を造り続けさせる心算なんだろう?街が近代工業化されるまで内職が続くのだろうか?メリお父ーさんに新たな計画書を送り付けておこう、衣食住を衣服充に優先させるのだ!食は農業改革で余剰が出れば出る程高度化していくはずだ、住は現代建築の基礎的なものは書類にして提出済みだ、衣が遅れているんだよ、まず機織りから産業革命させて大量に種類豊富な布地を流通させるしかない、デザインは勝手に見て覚える筈だ。魔法動力の大型機織り機の製作が必要だろう、どこの世界に夜の内職で大型機織り機を設計作成して産業革命を起こす必要に迫られる人がいるのだろうか?


 だってさー?女子21人もいて男子は10人だけ、うち4人は空気読まないから会議の発言権の無いオタ達、更に5人は莫迦なんだよ。男子の発言権が皆無なんだよ!大体の男子高校生って美人さんには逆らえないんだよ?それが21人。今だって女子11人もいて男子は1人、外から見ればハーレムパーティーに見えるかも知れないけれど、実際には肩身が狭いんだよ?だって圧倒されちゃってるよ?人数で。しかも口が立つから女子の方が同人数でも男子より押しが強いんだよ?パワーバランス的に圧倒されちゃってるんだよ。だから女子の空気に逆らえない雰囲気が出来上がっちゃってるんだよ?甲冑委員長さんもすっかり仲良しで向こうの味方なんだよ?孤立無援の内職ハラスメントなんだよ?眼には華やかだし美人揃いの女子達に囲まれて悪い気なんてする訳が無い、楽しいんだけど大変なんだよ?マジで?


 それにきっと俺は流されやすいのだろう。それでも女子達が笑ってニコニコしていれば楽しい雰囲気になるから、お菓子を作り、ご飯を作り、洋服を作り、アクセサリーを作ってるんだろう。


 それでも魔の森で再会した時に、あの時に見た、恐怖に怯えた顔、疲れ切った顔、哀しみに歪んだ顔、絶望しきった顔、心を無くした虚ろな顔、そしてあの諦めきった顔、あの顔を覚えてる、忘れられないんだよ。だからもうあんな顔をさせたくないんだ、俺がそれを見たくないんだよ。


 だからニコニコしてて欲しいんだ、笑って、楽しんで、嬉しくて、幸せでいて欲しいんだ。


 そのせいで強制無限残業な永久内職活動中なんだよ、、、。


 帰ったら八つ当たりで役に立たないオタ莫迦達を苛めよう。絶対だ!


 「やっぱり40階層にも隠し部屋があるよー?やっぱり本屋さんの迷宮?最下層には書架が有るの?よし今日中に制覇しよう!踏破決定だ!水攻めも火炎も禁止します。って言うか暴れたら本が駄目になるから俺と甲冑委員長さんだけで入ろうか?最下層は。副委員長Bさんは絶対に入ったら駄目だよ。」


 うん、副委員長Bさんは大賢者だ。大魔法を使われて本を駄目にされたら困るがその心配はない。真の問題は副委員長Bさんの戦闘は破壊王デストロイヤーなんだよ?もうぶっ飛ばして、吹っ飛ばして、殴り付けて、叩き付けて、辺り一面を破壊し尽くしちゃうんだよ?そして振り回しちゃうんだよ?真の破壊王は副委員長Bさんの胸なんだよ?俺の集中力が破壊されちゃうんだよ、何故か戦闘中目は正面の魔物を見てるのに羅神眼には副委員長Bさんの胸しか映って無かったりするんだよ!


 「う~ん、本があるなら二人に任せても良いんだけど、心配だから付いては行くよ?あと後半に変な回想シーンが入って無かった?ギルティー?」


 「ああああ、こんなところにカクシベヤがー?ホンだよ?「薬草学」だよー?なんだよー?みたいなー?」


 うん、これは良い本だよ、これまで発禁なの?薬草の種類とその薬の作り方、特に各種の病気対応した薬学の本だ。中世で医療と言えば薬だろう、魔法や茸だけでは回復だけで治療は出来ない、治療が出来る茸やポーションは希少で高価になる。それでは足りないんだ。この本は大至急写本して配る必要がある、俺一人が覚えても意味が無い。一人では限りがあるが本はその知識を沢山の人に与えられるんだ、沢山の人が薬草を集め、沢山の人が薬を作ってこそ沢山の人が救われるのだから。だからまた内職が沢山増えたよ。 


 「甲冑委員長さんもそろそろ魔物が強くなるから独走禁止だよ?まあ、大丈夫なのは解ってるけど危ない事は禁止なんだよ?みたいな?」


 ウンウンしてるから了解みたいだ。もう45階層だ。甲冑委員長さんもLv30に届きそうだがまだまだステータスは弱い、搦め手から一撃貰うと危険なレベルだ。しかも搦め手だらけの群れで出てくるのだから油断は出来ないだろう。


 隠し部屋までの道に5体、いやその先に2体いるから7体の魔物がいる。


 「この先に魔物が7体、45階層だから「キメラ・ビースト Lv45」獣系のキメラの群れだから面倒なんだよ、中々死なないよ。みんなマジ気を付けてね。」


 そして49階層までの魔物で一番危険なのはこいつ等なんだよ。獣系キメラ「キメラ・ビースト」。


 複数の獣系の魔物が結合しているために頭や心臓が複数あり魔石すら複数ある、一撃で決めれない事が多いのだ。こういう相手には一撃必殺の回避型よりも、殴り合い上等のタフネス型の方が強い、リスクが少ない。


 そしてキメラの面倒な所は食べた相手の能力を取り込むのだ、キメラ・ビーストだからと言って魔法を使わないとは限らない、何の生き物が体内に隠れているのか分からない。万が一の危険が大きいのだ。


 幸い湧き直しだから数は少ないし搦め手や何かも持って無いとは思うが乱戦で持久戦って言うのは何が起るか分からない危険がある。


 だから脆い俺と甲冑委員長が後衛、後ろから魔法と一撃離脱攻撃をする安全策だ。安全策だった。


 「「「遥君!私達が防御陣まで組んで前進してるのに何で7体を瞬殺しちゃうの!危ない事は禁止は何処に行ったの!」」」


 「いや?ちょっと戦闘の前に「次元刀」を試してみたかっただけなんだよ?ダメージ与えればラッキーくらいの軽い気持ちだったんだよ?悪気はなかったんだよ?」


 軽く飛び込んで一撃離脱する気だったんだよ?次元刀で薙いだら防御陣の後ろに戻る気だったんだよ?突っ込んじゃったけど。


 次元斬。初の一撃だから魔力を注ぎ込み過ぎだったのかも知れない、迷宮ごと斬られてるんだよ?半径30メートルくらいが半円状に切断されて抉られている。ダンジョンごとだ。


 やはり「転移」は空間系の亜種魔法、空間ごと斬っちゃったみたいだよ?これ危ないよ、味方がいる所では使い勝手が悪い。コントロールできないと危険物だよ。


 未だ使いこなせない「転移」での虚実は瞬間移動斬撃だ、回避不能の一撃だ。失敗しなければ安全何だよ、ただ次元斬と一緒に使ったから制御出来なくて突っ込んじゃったんだよ?何故だか知らないけど俺のスキルはみんな突っ込もうとするんだよ?マジで。


 ただ連撃は出来ない一発技みたいだ、連撃するなら魔力を小出しにしなければならないのだろう。これは練習してからじゃないと使えない技だ。


 今だって魔力の制御がギリギリだった「魔力制御」と「掌握」で抑え「至考」で制御しきれたが暴走ギリギリだった、抑えてあの威力。しかも神剣も一緒に入っているんだから相互作用も危険物だ、あっ、「空間の杖」も入ってたよ!相互作用で空間切断だったのだろうがとんでもないじゃじゃ馬さんだよ。


 そして空間を切断しているのだからキメラの「斬撃無効」も「魔法無効」も無視して切断してしまったのだ。


 この武器は人には売れない、これなら俺達ですら斬られる。しかも即死する危険が高い。


 危険すぎて甲冑委員長さんと稽古すら出来ないよ?だってチート装備だって空間が斬られるのは防げない。


 厄介な武器だよ、封印しちゃおうか?


お読み頂いてありがとうございます。修正もなかなか手付かずの殴り書き状態でお目汚しして申し訳ありません。

12月に入りサボっていた経理関係がリアルで押し寄せて来ました、何とか一日一話くらいは書きたいのですが更新は遅くなると思います。

毎日書ける時間があるかも全く分かりませんがこれからも細々と進めていこうと思っております、お付き合いいただければ幸いです。

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[一言] 結界も無視して斬れるなら、焼くことにこだわらなければヲタたちの頭を剃れる!
2021/09/05 17:38 退会済み
管理
[一言] 服という空間だけを斬って戻せば、エロいところをチラ見仕放題。
2021/09/05 17:35 退会済み
管理
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