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欲しい物と色とサイズさえ分かっていれば確実に売り抜けられるんだよ。


47日目  昼 オムイの街中



 街をぶらぶら。


 あっちのお店を覗いたり、こっちのお店を散策したり。


 食べ物の屋台とかも出ている。さっきなんかコロッケ屋さんがあった! しかもすっごく美味しかった。名前は黒マント印のコロッケなんだって? 行列ができるほど大繁盛していた。


 コロッケを齧りながらワイワイ騒いで練り歩きツアー。


 雑貨屋さんが満員で入れなかったから、ぶらぶらと時間潰し。


 雑貨屋さんはそれはもうすっごい混雑だった! でも服はまだ充分に残ってた、まだまだお洋服は高額商品で街の人たちもなかなか手が出ないみたいだ。


 でも雑貨屋さんだけじゃ無く街中に商品が増えている、量も質も種類も増えてる。きっと街が潤っているんだ、店員さんも街の人もみんな笑顔なんだから。


 さすがに雑貨屋さんよりは見劣りするけど掘り出し物や新商品にみんなで大騒ぎしながらお買い物。


 騒がしいけど許して貰おう、だって女子が21人でお買い物なんだから大人しくなんて出来ないんだから。


 もう楽しくて嬉しくて街中のお店を覗いていたら遥君がやって来た。


 「そろそろお昼だよ~、ポテト弁当だよ~?あと雑貨屋さんも大分暇になったみたいだよ?あと甲冑委員長さんお金足りてる?はい、お小遣い。」


 そう言ってお弁当をみんなにくれた。中は茸の炊き込みお結びと、唐揚げさんにフライドポテト、デザートはスイートポテトだ、ポテト弁当だった。とっても美味しかった。


 しかし本当に貢いでいるんだね? お小遣いの入った袋が重そうだった、随分と真剣に称号が「ひも」にならないか心配していたけど全然全く心配無いと思うんだけど? 寧ろ貢ぐ君が!?


 みんな久しぶりの唐揚げさんにフライドポテト、揚げ物コンビで危険物だけどパクパク食べて回った。こんなに美味しい物が残せる訳が無いんだから、例えその後に超危険物のスイートポテトが待っているとしても食べちゃう。でもコロッケも全部食べちゃった。帰ったら燃焼魔法とかを覚えなきゃヤバイかも!


 遥君は帰ってお昼寝するらしい。また、昨日の夜は頑張っちゃったのだろう。寝ないで何をしていたかは聞かなくても分かる、アンジェリカさんは大丈夫? 詳しくは夜にしっかり聞き出そう、具体的に。


 さあ、急がなきゃ! お腹いっぱいのまま、みんなで雑貨屋さんに向かう。お洋服も入荷されたばかりみたい、ラッキーだ。


 お店の入り口のディスプレーには素敵な木の編み込みの籠。シックでイタリアンな雰囲気で街の奥様も、女の子も見惚れてる。これは欲しい白木や赤っぽいマホガニー?ブラウンにライトブラウン、黒も格好いい!サイズもデザインも何種類もあるよ!目移りしちゃう、全部欲しい!みんな可愛い!


 「「「きゃあああっ!ブーツだよっ!ミュールだよっ!サンダルも可愛い!」」」


 「サイズは!試着出来るのっ!黄色いのは私のだよ!」


 「黒のブーツだー!大人の女だー!アダルトさんだー!セクシーさんだよーっ!」


 「ミュール、ミュール、あーん、ぜんっぶ可愛い!いくらなの?買い占めちゃう?あー足が2本しか無いよ?」


 「買い占め駄目!私のが無くなる!って言うかそれ私の!私のって決まっちゃってるの!法律で?」


 「あ~ん、ぶかぶかだよっ、小さいサイズないの?これじゃないと嫌だよっ?サイズ!サイズ違いは何処?」


 革のストラップブーツはクラシカルだけど素敵なんだよ。金具は無いみたいでストラップは結んじゃうみたいだけどソコがまた可愛いの!革の編み込みのサンダルも格好いいんだよ、メッシュ編みで大人な感じでヨーロッパ風? 木底のクロックスな厚底なミュール? 北欧風? すっごいお洒落! 釘で打ってあるのがアクセントになってて超欲しい! でもデザインがみんな現代風? 異世界ってもっとみんな長靴っぽいよね? 何処で仕入れて来たんだろう?


 「革のお洋服だよ!お洒落さんアイテムだよっ!あ~ん、スカート可愛い、買う! 絶対買う!」


 レザーのベストにレザーのフレアスカート、みんなお洒落だ、ブランド物みたいに格好良いんだけど?みんなデザインが現代っぽい、簡単な作りの物ばかりだけどお洒落で可愛い。うん、やっぱり間違いない、みんなお洒落で可愛すぎる、こんなの中世じゃあり得ないし、デザインの地域性も混じり合っている。つまりこれってみんなこの街で手に入る素材と現代の知識で作ったものだ。そして全てがさっき入荷したばかり。


 きっと誰かが夜なべして作ってたんだ、みんなが明日お買い物だって聞いたから大急ぎで仕上げたんだ、みんなが楽しめる様に、嬉しい買い物ができる様に、明日もきっと楽しいって思えるように、一人でこっそり内職してたんだ。それでお昼寝なんだ!


 「「「しーちゃーくーしーつぅー!」」」


 「早く、速く、まだなの?もう脱いじゃうよ?」


 「これだけは譲れないんだよーっ!一目惚れなの!お願い譲って!」


 「あぁぁぁん、予算が、予算が足りないよ。どっちも欲しいのに!」


 「お願い交換してよ!白が良いの!白が欲しいんだよ!青と変えてよー、お願いだよーっ。」


 みんな喜んでいる。良かった、でもね、これは譲れないの! 私のなのっ! え~い、こうなったら縮地で突破するまで!、加速っ(以下修羅場)


 もう、大満足だ。もっともっと欲しかったけど、もうみんなスッカラカン? みんな宿代残ってるんだろうか? ツケにして貰って買っちゃった娘もかなりいるけど私達って破産間近なんじゃないの? 借金地獄巡りなの? でも買っちゃう、此処にしか無い特別仕様、私達の休日用限定品だった。だって一生懸命作ってくれたんだから、だから絶対に買っちゃうの。当たり前だ、これを買わなきゃ罰が当たっちゃうんだから。


 みんな試着しては元読者モデルでファッション通の島崎さん達にコーディネートして貰ってる。やっぱりバックもポイントなの? バックも買わなくちゃ! 木の編み込みのバックは何処! 何処なの!!

 

 アンジェリカさんもいっぱい買っていたけど本命の帽子だけは良いのが無かったみたいだ、でも宿に帰ってから遥君から帽子をプレゼントして貰ってた。きっと出来立てほやほやだ、アンジェリカさんの顔もふにゃふにゃだ。良いなー、遥君のオーダーメイドサービスだし……


 しかし遥君ってレディースのファッションに詳し過ぎない? 流行り物も押さえてるよね? 実は隠れお洒落さんだったの?


 みんな大満足の一日だったけど、最後だけはちょっぴり羨ましかったなー。良いなーアンジェリカさん。


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