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言われたとおりに肩甲骨のもっと下をもっと強く振動させたら何で怒られるんだろう。

45日目  夜 白い変人 女子会


 特訓だったよ。


 振動魔法の特訓。


 女子に振動魔法はセクシャルハラスメントな気もしてたけど、特訓内容はマヨネーズの攪拌作業。出来た娘だけが食べて良いって言われればみんな死ぬ気で頑張ったよ?コロッケさんや茸サラダが用意されてマヨネーズかけられるのをずっと待ってるんだから、魔力で木べらを必死で振動させる、バレない様に手で混ぜるとコロッケさんは没収されちゃうんだからみんな真面目に頑張ったよ!頑張ったんだよ!マヨネーズの為に!


 お手本で遥君が一人ずつに振動魔法をかけてくれたんだけど、手に持ってる木べらが振動を始め、震え出すんだけど、女子はみんなお風呂でアンジェリカさんに聞いちゃったんだよ。アンジェリカさんが切々と振動魔法の恐ろしさとその効果を語るのを、その震動が女子にどれ程の脅威かを懇々と語って聞かせていたんだよ、半分泣きながらその時の戦慄を思い出しながら震えながら話してくれたんだよ。だから女子達みんな顔が真っ赤だよ。きっと私も真っ赤だよ。きっとマヨネーズの攪拌作業でセクシャルハラスメントになるのは遥君だけだろう。


 「うわ~っ、振動してるよ、ブルブルしてるよ、、、うわ~、ヤバそうな震えが伝わって来る、、。」


 ちらほらと振動魔法を覚えた娘達が顔を真っ赤にしながら目の前で震え、振動する木べらを見つめている。何故かモザイクが懸かりそうなんだよ?マヨネーズの攪拌作業に?何故だかみんな息が荒いし。


 「バイブレーション・ソードか~、突き刺しちやうんだ~。この振動で、、、刺されちゃうんだ~、、、。」


 いや、料理だよ。料理してるんだよ、みんな。


 息を荒げ、顔を赤く染め潤んだ瞳でマヨネーズが攪拌されていく。何この光景?


 「わあ~、混ざってるよ、混ぜられてる、混ぜられちゃってるよ?ぐるぐるに震えながら混ぜられちゃってる。」


 いや、マヨネーズなんだから混ぜてね?混ぜて何の問題も無いから。寧ろ頭の中でアンジェリカさんに聞いちゃった話が混ざってるよ、それは忘れないと駄目なの、コロッケさんに集中しないと震動が気になってしまうんだから、この振動は絶対に危うい、いろいろ危ういよ、危うさに満ちてるんだよ!この振動でアンジェリカさんはあんな事を、、、(以下回想)。


 ふーっ。ようやくみんなでマヨネーズ作りが終わりお食事だ。


 コロッケさんや茸サラダにマヨネーズをかけて大喜びだった。分けて貰った看板娘ちゃんはマヨネーズの感動を不思議な踊りで表現していた。パタパタと。


 そしてお好み焼きが登場した時は狂乱した、ずうーっと研究していたらしい、タレが出来なくて、ソースが出来なくて、でも雑貨屋のお姉さんが見つけて来てくれたのだそうだ、野菜ソース。塩漬け野菜からとれるしょっぱいソース、薄茶色の液体だけどソースっぽい味がするの!遥君は鰹節と青のりが見つからないって不満げだったけどとっても美味しかった。涙が出た、学校の帰りに寄り道して食べてたお好み焼きと比べれば物足りないかも知れないんだけど美味しかったよ。まだ卵もソースも殆ど手に入らないのにみんなの為に集めて来てくれたんだから、絶対に美味しいに決まっっているよ。みんな美味しくて涙が止まらないんだから。


 女子は顔をぐちゃぐちゃにしてパクついている。男子すらお好み焼きを頬張りながら泣いていた、懐かしくてもう二度と食べられないと思っていた味に涙が止まらなかったんだ。誰もが当たり前のように諦めても遥君だけは諦める事無く探して、研究してそれを当たり前の様に振舞ってくれる。だから美味しくて嬉しくてみんな涙が止まらないんだよ。


 ありがとう。


 寝る前にバイブレーション・ソードの練習をしようと裏庭に集まる。


 「う~わ~。この振動はやばい、癖になっちゃいそうでヤバい、身体に来る響きがすでにヤバい、今晩がやばい?」


 「ビリビリ来るよ?振動がビリビリ来ちゃうよ?この振動が来ちゃうの?来ちゃうの?行っちゃうの?どっちなの?」


 「あう~っ、ふわああぁ~っ、あ~、駄目だよこれ。これが駄目って言うより私が駄目になっちゃうよ?凄い来るよ。」


 え~と?バイブレーション・ソードの練習だよ?みんな武器持ってるし、うん、きっと大丈夫だよ。


 「きゃあああっ!これヤバいよ!まじで犯罪だよ!何これ!ヤバ過ぎるよっ、死んじゃうよ、無理だから、無理無理無理。」


 剣士なのに何で棍棒を振動させてるの?何が無理なの?あと死んじゃうんじゃ無くてゴーレムさんを殺す練習だからね?それと棍棒は辞めて下さい、モザイク掛かっちゃうから、みんな魅入っちゃってるから、それは駄目なあれです。禁止です。


 「う~ん?振動はしているんだけどバイブレーション・ソードって言うには弱いよねー?マッサージ・ソード?」


 「一瞬で破砕は無理だよー、なんかジワジワと斬れそう?」


 「「「それ怖すぎるよ!ホラーだよっ、ジワジワ斬断って!」」」 


 真面目にやっても結構難しい、強さが足りてないのか?魔力操作が上手く出来ていないのか?あれだけの強大な振動を何に使ってるのか?使っちゃってるの?


 練習、練習、明日は実戦練習だから今晩中にそれなりにしておきたい。きっと一撃で破砕は無理だ、一撃は無理でも連撃で倒せればいいんだから練習だよ。


 「あ~っ、みんないないと思ったらーっ、こんな所で練習してたの~?振動魔法のーっ?ああっ、振動魔法はすごく気持ち良かったよ~。蕩けちゃいそうだったよ~。」


 姿が見えないと思ったら副委員長Bさんが気怠そうでいて気持ち良さそうな顔でやって来たんだけど?気持ち良かった?振動魔法で何したの?何しちゃったの?


 「「「振動魔法で何してたの!気持ち良かったって何?」」」


 この娘はハンマーにしか見えない自称杖で破砕するからバイブレーション・ソードの練習は必要ないんだろうと思っていたら、違う練習しちゃったの?使っちゃったの?エロっ娘だったの?疑ってたけど。


 「え~っ?遥君に振動魔法で全身気持ち良くされちゃった~っ。もう身体が蕩けそうだよ~、トロトロにされちゃったよ~っ。凄く良かったよー、みんなもして貰いなよ~、とっても上手だったよ、遥君。真っ赤な顔して可愛かったな~っ。」


 食堂で男子と遊んでると言うか?小田君達を苛めてると言うか?柿崎君達を莫迦の王と褒めてると言うか?って何をしてるの?まあ、とにかく捕まえて、囲んで、説教した、いつの間に、何をしちゃったのか?聞き出した、問い詰めたよ。


 「副Bさん?肩がこるんだよ~、副Aさんと違って~って言うから、マッサージ用の振動魔法を教えてたら、自分だと難しいから俺にやってくれって言うから、振動させた?揺らした?みたいな?」


 ただのマッサージだったらしい。でも全身マッサージだったらしい、振動させて、揺らしちゃったらしい。ギルティーだ、ギルティーだよ。気持ち良くて蕩けちゃったらしいから有罪だよ。私達が許しても副委員長Aさんが許さないからお説教だ、決定だよ。


 「全身って?「ここお願い」とか「もっと下」とか「もっと強く~」とか「あ~ん、いや~ん」とか「あ~んそこは~っ」って言われたとおりにしてただけだよ?俺悪くないよ?声がHだったって喜んでたのは其処の莫迦達だし、表情がエロかったって鼻血垂らしたのはオタ達だから俺は悪くないよ?振動に合わせて揺れてたのも俺のせいじゃ無いよ?ほら、俺悪くないじゃん?」


 全員犯人だった。全員がギルティーだった。オリエント急行で事件が起こったのって言う位に全員犯人だった。お説教執行だ。一人だけ何時もの様に罪を認めないけど誰がどう考えても「あ~ん、いや~ん」は有罪だ。振動に合わせて揺れてたのを見てた時点でギルティーだよ。犯人自供だよ。「あ~んそこは~っ」ってどこに何してたの!?えっ!肩甲骨?あ~、でも説教だよ?


    44日目終了

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