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知らない人が見たら頭がおかしい娘みたいだけど楽しそうだから良いだろう。


44日目  朝 洞窟 

 


 珍しく雨だ。雨季にでも入ったのだろうか? 今迄ほとんど降らなかったし降ってもパラパラと夜中に小雨が降ったくらいだったけど? まあ、そのうちやみそうな感じではあるし洞窟で雨宿りだ。朝から夜の続きと言うのも拙いだろう、とっても美味しそうだが拙いだろう。


 適当に部屋の中を改装してみたり、新しい家具を作ったりしながら時間を潰す。


 気分が乗って来てハンモックを造ってみたり、ハンモックの上でいちゃついてみたり、そのまま2回戦が始まったりしたのは内緒だ。


 洞窟の中から魔法で庭園を整えてみたり、街や村で購入しておいた果物の樹を植林してみたり、テラスを増設して部屋と繋げてみたり、川と繋いで小さな池を造り、その周りにテーブルやベンチを造ってみたり。


 河原に石畳を造ったり、川にアーチ橋を架けてみたり、対岸にもベンチを造ったりして遊んでいると漸く雨も小降りになって来たようだ。


 「そろそろ止みそうだよ? 小降りだから帰っても良いし、泊っても良いし?」


 悩んでるがどっちかと言うと帰りたそう? 夜の二人きりの時は甲冑委員長さんの方から迫って来るのに、朝は何故だかジト目で怒られるから多分頑張り過ぎなのだろう。だって男子高校生なんだし、昼間は勝てないんだよ? 夜だけなんだよ、活躍の場が?


 うん。見せ場が全く無いから濡れ場で頑張ってるんだから俺は悪くないんだよ。


 甲冑委員長は女子達が気になるみたいだし帰ろうか、二人きりも良いのだけれど、せっかくお喋りできる女の子の友達が出来て嬉しそうにしているのだから、ここにはいつでも来られるんだしそろそろ帰るとしよう。しかし女子会って何してるんだろう? みんな乙女の秘密って教えてくれないんだけど?


 一気に森を抜ける。もう魔物は絶滅させられてるし、茸も乱獲されているから用は無い。「歩術」の効果であれよあれよと森を抜ける、「歩行」の効果とLvアップの効果も相まっているのか移動速度が段違いになっている。甲冑委員長さんは普通について来る、狩りさえなければ行き帰りは数十分で済む、もう街が見えて来た。え~と、何とかの街?



 「何かいい商品入ったー? 買うよ、買うよ、お大臣様だよ? この庶民雑貨屋さん? みたいな?」


 街に帰り着いて雑貨屋を覗いて見る、甲冑委員長は新たに入荷された洋服に熱中している様だ。鬼気迫る気配がするから離れていよう。


 商品の数も量も増えてはいるんだけど少しづつって感じだ? 店内も商品だらけで狭々しい。


 「あんまり儲かって無いの? 資金も茸も潤沢に出資してあるのになんで? 店も狭いままだよ?」


 「う~ん、茸の販売は順調なんだけど買い付けが追い付かないのよ、拡張したばかりなのに店が手狭で商品が置き切れないのよ、誰かのせいで。」


 「裏の土地買ったんじゃ無いの、足りないならお金貸すよ? 支払いはエロ下着払いで良いよ? 勿論エロドレスも可だよ? あれは素晴らしい物だったよ! マジで! マジだから! ありがとうございましたー! みたいなー!!」


 「どーどーどーっ、入荷してるから落ち着いて。土地は買ったけど大工がいないのよ、倉庫か店舗かも決め兼ねてるんだけど建築まではこの状態で回さなきゃいけないのよ、誰かのせいで。何か毎日大忙しなのよ、ほんと、この街いったいどうしちゃったの? 誰のせい?」


 隣の店舗を買って拡張してたけどそれでも足りないから裏の土地まで買って、それでお金が無いって言うから有り金を巻き上げなかったのに未だ工事もしてなかったの? って言うか出資に出茸までしてるんだよ? そう、ご飯とエロの為に。三大欲求の二つにあらん限りの全力で力を入れ過ぎて睡眠欲求の要求も虚しく毎晩寝不足で頑張ってるんだよ?


 「裏の土地買ってあるんなら建てようか? どうせ石造りなんだし4階か5階が限度だからすぐ建つよ? 地下いる? 迷宮とか?」


 「はあああっ、建つって何? なんですぐ建っちゃうの? あとなんで雑貨屋の地下に迷宮が必要だと思うの? 雑貨屋に何を求めてるの、エロ以外で? 地下室は欲しいけど迷宮は絶対要らないからね」


 「じゃあこっちの建物に繋いでから内装やるから奥側の壁の商品を片しといてね、甲冑委員長さんも手伝ってあげてね。後でお駄賃に洋服奪い尽くして良いから。」


 うん、裏の土地まで入れればほぼ正方形、普通のビルで良いだろう売り場が1~2F予備で3Fの上に倉庫兼事務所兼お姉さん家で4~5F、後は倉庫で地下一階あればスペ-スは充分余るだろうし、ビル型なら後からでも上層を増やせるだろう、地下だっていつでも増やせる。うん、やっちゃおう。


 今の雑貨屋さんの寸法を「羅神眼」でしっかりと目視し記録して計測して先に補強もしておく。次に地下に魔力を流し込み地盤工事しながら土や石を集めて練り砕く、そして今の雑貨屋さんを覆い込む様に壁を盛り上げ、柱を組み上げる。あ~これは5Fで魔力ギリギリかも? ゆっくりと魔力を練り込みながら「掌握」して土砂を結合して構造体に固めていく、四隅と中央の柱は特に太く固く更にアーチで上層を支えられる様に造り込む。中央の柱に巻き付く様に階段を造り柱と壁で補強する、地下は外から荷物を入れられるように搬入口を付けて完成だ。


 思ったよりきつかったよ? エロい物貰えなかったら働き損だよ? だが洋服はいくらでも必要だ、だって何着せても似合うんだよ? 着せたいじゃん? まあ脱がせるし、エロばかり着せてるけどさー、そこは中身に負けないくらいのセクシーさを求めたいじゃん? 男子高校生的に? みたいな?


 そんなこんなで雑貨屋さんに戻るとのそのそと片付けをしている、俺は頑張ってたのに? 未だ半分、真ん中辺りしか片付いていないよ?


 「もう出来ちゃったよ、未だ片付いてなかったの? もーここだけ繋いじゃったら後は明日にするよ、魔力もヤバげだし?」


 雑貨屋さんの奥の壁を固めて補強しながらビルの壁に一体化させながら広げて繋いでいく、あ~魔力が……あとちょびっとしか無い。でも後ちょっと……っ足りたよ、ギリだよ、改装も装飾は明日にしよう。もう無理。


 「ちょっと、まだって何? 出来たって何が……あっ……あああああっ! 何これ! ここ何処! 何が出来ちゃったの!」


 雑貨屋のお姉さんは一人で大騒ぎしながら外に飛び出しビルを見上げて口を開いている、まだビルは珍しいのか街中の人が集まって見上げてるけどただの土石壁のビルだよ? 四角いだけだよ? 装飾は明日だ、もうお腹空いたから帰るよ? 魔力が切れると物凄くお腹空くしくらくらするし、腹ペコさんなんだよ~。お姉さんは何で見上げたまま固まってるの? 俺のエロはどうなったの? 早く戻ってこないと甲冑委員長さんがお駄賃にお洋服を片っ端から強奪しちゃうよ? マジで? もうすでに両手に抱えちゃってるんだけど良いの?


 甲冑委員長さんは可愛い服が貰えて大喜びだ、俺はエロい服が貰えて大喜びだ。帰ったら着せ替えごっこだ、脱がせたら着せない様な気もするけど着せ替えごっこだ、細かい事は脱がせてから考えよう。きっと脱がせたら何も考えられなくなるんだけど脱がせてからだ、多分脱がせたら着せ替えごっこじゃない何かが始まってしまうんだけど着せないと脱がせられないのだ! まあ、絶対に間違いなく始まるのだろう。


 「ただいまー。晩御飯大盛りの盛り盛りで? 大急ぎだよ? 腹ペコさんなんだよ? ペコペコさんだよ? マジで」


 「「「お帰りー、庭園出来たのー? って何そのお洋服! どこのお店?」」」


 雑貨屋さんに洋服が入荷した事を聞くと女子達は一斉に駆け出して行った。何人か瞬歩や縮地まで使って駆けていった。でも既に良いのは買い占められてるよ? 隣のご機嫌さんに?


 お腹いっぱいになるまで御代わりを繰り返し、看板娘も駆け回って忙しそうだったので雑貨屋さんで買って置いた洋服を一枚プレゼントすると不思議な踊りをしながら喜んでいた。知らない人が見たら頭がおかしい娘みたいだけど楽しそうだから良いだろう。多分?


 さあ、お風呂に入って寝よう! 滅茶寝よう! それはもう寝る間もないほど寝よう! 今晩も寝ちゃって寝上げるのだ! 男子高校生的に。


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