表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/321

まず捏ね形にし乾燥させ焼き締めて更に焼いて出来上がり。だって釉薬とか無いし。



42日目  夕方 宿屋 白い変人 



 今晩はお鍋だそうです。


 とっても嬉しそうです。


 さっきまで土鍋を作ってたみたいです。


 遥君は一体何を目指しているんだろう?


 どうやらダンジョンの傍の村で野菜をいっぱい貰ったらしい、迷宮を殺して喜ばれたんだろうと思ったら村を城塞化したお礼らしい。


 ダンジョンを殺したお礼に野菜を沢山くれたので、そのお礼に壁を作って来たのだそうだ。


 ただし本人は壁だと思っているがそれはどう聞いても城壁レベルだった。ゴブリンキングクラスでも簡単に壊せない程の堅牢な城壁、高さは2メーター程だが壁の下に傾斜がつけられていて飛び越えるのも困難、壁上にトゲトゲも付けてみたらしい。いったい遥君は村人達に何と戦わせようとしているんだろう?


 あまりに立派な壁に喜んだ村の人達が更にたくさんの野菜をくれたので悪いからと言って棍棒も配ったらしい。もう魔物でも盗賊でもその村は絶対に襲えないだろう。


 きっと魔物さんが何も知らずにその村を襲っちゃうと兵隊さん達が駆け付ける前に皆殺しにされちゃうんだろう、だってどう考えたって村のレベルじゃないのだから。


 でも城塞村を造った本人は野菜がたくさん貰えて大儲けだと喜んでいるし、みんな幸せなのだから良いんだろうか?


 何か滅茶大げさに喜んでたと言ってるが普通に大喜びすると思うんだけど? 何せ魔物の森が近くにあり壁どころか柵すら整備されていなかったらしい、村の人はずっと毎晩が不安だっただろう。それが突然に城壁で守られたら喜ぶと思うんだけど? ついでと言って武器まで配布されたら普通大喜びで何の問題も無いと思うよ?


 「お鍋さんだよ~、謎の鳥さんと、謎のお野菜と、またいつもの茸のお鍋さん~、みたいな~♪。」


 まあご機嫌だから良いんだけど迷宮の事は完全に忘れ去ったみたいなんだけど? 何しに行ったか覚えてる?


 一応は「迷宮を殺したって言ったら喜んで野菜と果物をくれた」と言う一言はかろうじて入っていたから迷宮は死んでるみたいだ。野菜と鍋の話ばかりだけど一瞬だけど情報がちゃんとあった、後の草刈り機とかの意味不明な言動は謎のままだけどお鍋が気になってどうでも良くなっちゃている。良い匂い。謎のお野菜は白菜さんの仲間だと思うよ? 葱なのか韮なのかは食べてみるまで分からないけど? まだなの? 鍋奉行さんが厳しい!



 美味しかった~。遥君は昆布が欲しいとご不満だったが美味しかったよ? 異世界なのに一体どれだけ要求が高いのだろう? 遥君の多すぎる要望のせいで雑貨屋さんが巨大商店になっていた、もうじきデパートになっちゃうだろう、あれは。


 みんなから各地のダンジョンの情報を順番に聞いていき、最後にもう鍋のこと以外は忘れちゃってそうな人に質問してみた。


 「で、ダンジョンの中はどうだったの? ちゃんと最下層まで行ったんだよね?」


 高湿度対策がなされていない為に水捌けも換気性も駄目な安全基準、環境基準共に基準値を大きく下回る駄目なダンジョンだったそうだ。えっ?


 安全基準も配慮されて無いダンジョンだったって、安全基準を満たした安全快適なダンジョンはダンジョンなの? 間違えてマンションを攻略して来たんだろうか、マンションを攻略しちゃうと住人の方々から怒られると思うんだけど? いや、魔物もちゃんと出たみたいだからダンジョンだ。本人が違いを理解しているかとっても怪しいけどマンション攻略ではなかった様だ。


 17層までの迷宮だから出来て間もない新しいダンジョンだったみたいで魔物も弱くて少なくてアンジェリカさん無双で終わったらしい。


 何にもする事が無かったと愚痴ってるけど、17層までの弱い迷宮に最恐の大迷宮地下第100階層出身の迷宮皇さん連れて行った人のせいだよ? すっごいオーバーキルだよ、それって。


 でも遥君に危険が無くて良かった。


 いつも忘れちゃうけどまだLv20にもなって無いのに……


 Lv20のフルパーティーでもダンジョンの入場なんて許されない、ベテランパーティーの見習い扱いでかろうじて許可が貰えるかどうかだ。


 もう、きっと誰もが心配するべきなのは遥君なのかダンジョンなのか分からなくなってるけど、Lv20にもなっていない2人組なんて本来危険すぎる事をしてるんだから。


 だから無事で良かった。


 そして迷宮王さんは鎧を着た何かだったそうだ。


 最下層にぽつんと鎧と魔石が落ちてたそうだ。


 ついに一度も誰とも戦わずに迷宮王さんはお亡くなりになった。まだ悪い事すらして無いのに溺死した、もしかしたら一度も人間を見ないままだったかも知れない。


 誰にも会う事も無く、その種族さえ知られることも無く、戦う事すらないままに。


 やっぱり心配するべきなのはダンジョンなのかも知れない気がして来るのは何でなんだろう? 迷宮王を倒すなんて褒め称えられる偉業のはずなのに可哀想な話にしか聞こえないのは何でなんだろう?


 明日は草刈り機を持って洞窟に庭園を造るのだそうだ。またあの洞窟がさらに豪邸化していくらしい、一体全体にダンジョンとか洞窟に何を求めているのだろうか?


 それからはまたオークションが始まり、剣も槍も楯も迷宮王さんの鎧も参加者殺到の大量入札で大騒ぎだったけど「スパイク・メイル」だけは誰も手を上げなかった。


 スキル付きの武器、性能の高い防具は街でも手に入らないし30人もいると中々行き渡らない、みんなが武器を持ち帰る為に全員分の剣や槍に盾や鎧が必要になり常に品不足でオークションは大盛況だった。だけどスパイク・メイルはスルーされた、叩き売り形式で段々値段が下がって行ってもってけ泥棒処か押し付けようとしてもみんなに逃げられていた。うん、無理。


 だって女子にそのトゲトゲの付いた鎧は無理だよ? 男子も引いてる、ドン引きだった。それは真の悪者しか身に付けちゃいけない物だ、しかも世紀末な覇王クラスな人じゃないと無理だろう。


 この世界でそんな悪逆非道そうな凶悪さの鎧なんて遥君以外誰も着れないよ、だってそれは魔王よりも悪い人が着る物だから他にいないんだからね?


 因みに覇王よりも魔王よりもっと凄い元迷宮皇さんでもイヤイヤしていました。うんうん、女の子にそんな邪悪なものを勧めないで!



 誰にも着れそうにないけど遥君なら違和感無さそうなんだけど、遥君は一体何を目指しているんだろう?



誤字ぺったんさせて頂きました、いつもありがとうございますm(_ _)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6月25日にひとりぼっちの異世界攻略コミック24巻が刊行されます。 公開された書影はこちら。

i970590/


アニメ公式ページ
アニメ公式ページはこちら

オーバーラップストア購入ページ
オーバーラップストア購入ページはこちら

アマゾン購入ページ
アマゾン購入ページはこちら

既刊一覧ペタリ

i947047/
i970596/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ