事細かな描写はあまり具体的だと問題だと思う。浮かんでたんだ、、。
41日目 朝 路上
移動速度が上がっているので飛ばなくてもすぐ着きそうだ、馬車も襲われて無いから順調なんだよ。
会議の結果、経験値的にも街の安全の為にも迷宮は積極的に入った方が良いみたいだ。もともと入る予定だったらしい。
今日は見学を兼ねての下見なので、各自で近場の迷宮を見て回る事になった。
後は、様子次第でパーティーかパーティーを集めてユニオンを組むか決める事に決定し各自分散行動です。
だから二人きりです。
二人きりだけど変な事はしません。当たり前です、徹底的に釘を刺されました。しないってば、多分。
そう、しないのだ。だから前を歩いてます。
オタ達でも、莫迦達でもあの甲冑は目の毒だと同意していた。エロい目で見た悪い目は潰しておいた。
だって真紅のマントの隙間からチラチラと見えるヒップラインが……いえ、何でも有りません。見てないよ! 思い出してたけど。
甲冑委員長もすっかり女子達と仲良くなって女子会にもお呼ばれする様になったみたいだ。一緒にお風呂に入ってワイワイとやっているんだろう、喋るのも少しづつだけど上手くなっている気がする。
一緒に料理もしたいらしいが甲冑委員長さんも料理は全然だめらしい。それはそうだろう、女子には料理部っ娘が居るが全く料理が上手くいかないらしい、だとすれば職業縛りで戦闘職には+補正が有るように、生産系に-補正が掛かっているとすれば全員戦闘職の同級生は壊滅だろう……お魚焼くのと切って混ぜてサラダが限界らしい。
だとすれば、ずっと戦闘職の甲冑委員長さんが料理を覚えるのは難しいだろう。教えてあげたいが-補正の仕組みが分からないんだよ?
それでも楽しそうに、嬉しそうに女子達に囲まれて笑っているから良いのだろう。暗闇の中でずっと1人きりだったんだから楽しく笑っていれば良い、女子達だってあれは立ち直ろうと必死に笑っているのだから。あれは泣かない様に全力で笑っている、異世界で精神が不安定なままようやく落ち着く事が出来てしまったからこそ……家族や家や学校や友達を思い出さない訳が無いのだから。
ただ未だ口下手な甲冑委員長が女子達と何の話をしているのかと女子達に聞いてみたんだけど乙女の秘密なのだそうだ? まあ、嬉しそうだから話なんて何でも良いのだろう。
たどたどしいながらも一生懸命に女子達の話を嬉しそうにしている、楽しく過ごせてるならそれで良いんだがあまりお風呂での女子達の事細かな描写はやめて欲しいです、歩きにくいんだよ男子高校生は。某Bさんのはお風呂に浮かんでいたそうだ。
「あー、村だ? 村って言うか集落? 農村?」
川沿いに農地が広がりその向こうに建物が集まっている、その周りにもぽつぽつと建物があるからあの辺りが村なのだろう。農村だ。
村には入場料は必要ないみたいだ、あっちこっち欠けている背の低い木の柵が有るだけで門も壁も無いんだから入りたい放題だろう。魔物とかいるのに不用心じゃない?
誰かに話しかけた方が良いんだろうか?「ここはxxの村だよ。」とか言うんだろうか? それしか言わなかったら怖いんだけど。
「こんにちわー? こんにちはー? えーとこの近くに良いダンジョンが出てるって聞いたんだけど?」
柵の傍で村人さんに聞いてみる。村人Aさんみたいに特殊装備はしていない普通の村人さん、って言うか農民さんだ。
「あーこんにちは、良いダンジョンが出てるのは知らないけど川下の右手にダンジョンが出たんだよ。お兄さん冒険者かい?」
良いダンジョンでは無いらしい。やはり地元の評判は大事だ、その土地でしか知られていない問題点も有るだろう。聞き込みが必要なようだ。
「えーと冒険者的な? 感じの何か? みたいな? まあ、冒険者ギルドで聞いて来たんだけど。」
「ありがたいよ、冒険者ギルドがもう人を回してくれるなんてなー。村から近いんでおっかなくてねー」
おっかないらしい、地盤が脆弱なのだろうか? 川辺なのだから液状化の危険があるとか? リバーサイド何て言うと聞こえは良いが川辺は訳アリ格安が多いのだ、そう言われれば川の水面に対して地面が低すぎる、と言う事は考えられるのは水害に弱い地帯。その分この辺りの土は栄養豊かで農業には良いのだろう。
「うん? 取り敢えずダンジョンを見学してみるよ。ありがとう。」
あまり良い物件ではなさそうだが折角来たのだし覗いて見よう。当たり物件なら治水工事をすれば良いのだし先ずは下見だ。
「洞穴って感じ? ダンジョンなの?」
入口は狭く、中も鍾乳洞って感じだよ。これは駄目だな中も間取りも見学する必要も無いし改築する意味も無い、中にまで川の水が浸み込んで湿度が高すぎる不快指数が高すぎるよ、これでは居住には向かないだろう。
何かどうでも良くなってしまったんだけど? もう入り口を見た瞬間に駄目だよ、こんなんじゃないんだよ。
森の洞窟よりはるかに劣るよ、大迷宮の1Fまでとは言わないがこれは無い。
エントランスを拡張したところで内部空間が狭ければ台無しだ、形も面白味も無く、床すら水平になりそうにない。
「この迷宮はいらないよね? 潰して良い? 宝箱は明日にでも取りにくればいいし?」
甲冑委員長さんは良く意味が解らないみたいだが一応ウンウンしてるので潰しても良いのだろう。元迷宮皇さんが良いと言えばここの現迷宮王さんも文句は無いだろう。
いらないんだから踏破も何もない。足守川の高松城だよ、どうせ湿度が高いのだから問題ないだろう。
川辺でバーベキューです。甲冑姿だけど美少女とBBQだ、男子高校生の夢が一つ叶えられたよ。
焼けたお肉の串を渡すと嬉しそうに食べている、兜を取ってるからちゃんと美少女だ、どのくらい前から17歳の少女なのか不明なままだが美少女だ。美少女だから何の問題も無い。
さて、ダンジョンは水没してから2時間くらいは経ったんだけど魔物って何時間くらいで溺れ死ぬんだろう? 大迷宮には蛙や鮫もいたし、蜥蜴だって大丈夫だろうデモンやリッチって溺れるんだろうか? スケルトンの水死体とかも聞いた事が無い様な気がするし?
そんな事を考えながらバーベキューを食べているとダンジョンから気配が無くなった。死んじゃった?
それはそれで食べてから考えよう、次はお魚さんの串焼きだよ。
水を流し込み始めた時はずっとジト目だった甲冑委員長さんもバーベキューを食べるのに夢中だからダンジョンは後で良いだろう。
どうやらここの迷宮王さんは魚類でも両生類でもなかったようだ。爬虫類なら水を抜いたら仮死状態から復活しちゃうのだろうか? 迷宮ごと?