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◇キーワード小説

◇お天気リモコン。

作者: しおん

キーワード:雨、リモコン


雨は嫌いだ。


厳密にいうと、雨の中出歩くのが嫌いだ。

家に居たらいい?そういうわけにもいかない。会社や学校、買い物などの都合によって外に出なければならないし、嫌いだというだけでそれをすっぽかす理由にはならない。

なってくれるならとても嬉しいが。


台風や暴風雨・吹雪でさえも自分たちで対処し、多少遅れてでもそこに行かねばならないのだ。”雨”なんてものが正当な理由となるはずもない。だから考えたのだ、雨を即刻で消し去れる道具はないかって。そして見つけたのは、お天気リモコン。フリーマーケットで100円だった。


安かったから部品が欠けていたりしなければよいのだが……。


意気揚々と自宅に帰り箱の中身を確認する。中にはプラスチックで出来た沢山のパーツと金属部品、そして折りたたまれた取扱い説明書が入っていた。一つ一つ丁寧に組み立てていくと、テレビのリモコンに近いものが出来上がった。ボタンが天気予報でよく目にするお天気マークという事以外はそっくりだ。


その効果を確かめるべく、早速ボタンを押してみた。

外は晴天。

押したボタンは、雨。

上手くいけば空には雨雲が立ちこみ、雨が降り始めるはずだ。


だがしかし、天気というものはそうそう変わるものではない。効果が発揮されるのはだいぶ先だと後から読んだ説明書にはそう書かれていた。

つまり、今押した雨はこの先の未来で僕に降り注ぐらしい。先に読んでおけばよかった。後悔しかない。

すっかり意気消沈した僕は、降り注ぐ太陽を背中に昼寝を決め込んだ。


翌日から三日間、天気予報で傘マークが並び出すとも知らずに。



読んでくださりありがとうございます。


よろしければ他作品もご覧ください。

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