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神との戦闘  前編

「では、私のパーティー紹介しましょう。」

私はそういって空間に亀裂を作ってこの空間の外で待機していた二人を呼ぶ。


人間の少女と魔族の少女。

この二人がいないとこの神に勝てる可能性は万が一もなかった。

いや億が一程度の可能性ならある作戦は考えていたけど。


神の力に対抗するには神の力を用いるのが一番だ。

後必要なのは時間稼ぎだけ。


「こちらのふたりが私のパーティメンバーです。」

神が少しいぶかしげな態度で二人を見ている。

これは気づかれる前に作戦をすすめないと。


「では始めましょう。」

私は戦闘を勝手に始めた。

それと同時に後ろの二人が神への祈りを始める。


「っ!姫巫女ですか!自信があると思ったら、そうはさせません。」

そう姫巫女の加護を利用する。

神の力にあらがうには神の力を用いるのが一番だ。


「そうだよ、でもいいの?」

時間稼ぎのために私は神に話しかける。

幼げな口調で、からかうように。


「今はお前と話している暇はない・・・・」

「今代の姫巫女は神のお気に入りだよ。それを殺したら神はどう思うかなぁ?」


おそらく姫巫女に加護を与えている神の方がこのダンジョンの神よりか格が上だ。

私はそれにかけたのだ。そうだとしたら神が姫巫女に攻撃するのを躊躇する。

今は一秒でも大切なのだ。


「くっ、だからどうしたというのだ。

 お前らを殺さなければ私は死ぬ。仕方がないのだ。」

少し迷ってから神は躊躇を振り切って攻撃しようとしてくる。

もう終わりか、仕方がない。

次のプランに移ろう。


「仕方がないの?本当に?」

私は嗤う。

神の愚かさを知らせるように。


「姫巫女事態に戦闘能力はないんだよ。

 神の加護もほかの人に渡すことしかできないし。

 そりゃあ姫巫女同士が加護を渡しあえばそれなりにはなるんだけどね。

 でもそれは人間基準だよ。到底神には及ばないんだよ。

 だから、ほら、私さえ殺せれば姫巫女を殺す必要はないんだよ。」


誘う。神を嗤って誘う。

私さえ殺せればすべてが解決するんだと。


私は自分を餌にして時間を稼ぐ。それが私の作戦。

ふたりからもらう加護と私の力をすべて合わせなければ神を殺すことなどできない。

戦闘能力のある私を殺すより戦闘能力のない姫巫女たちを殺すのが簡単だとしても、

神はそれを選ばない、いや選べない。


「くっ、人間風情がっ!」

怒れ、怒れ。

屈辱だろうね。人間風情に挑発されて。

人間風情に良いようにもてあそばれて。

だからほら、姫巫女たちじゃなくて私を狙いなさい。


私は二人の少女たちから距離を離す。

ゆっくりと、歩いて、

その間神は攻撃することができない。

せっかく姫巫女たちを殺さない道筋ができたのに余波で殺してしまってはかなわないから。

姫巫女たちの能力は加護を除けばあくまでそこら辺の少女と変わらないのだから。

また時間が稼げた。


まあここからが一番きついんだけどね。



神から言葉もなく攻撃が飛んでくる。

何の工夫もされてない魔力弾らしいけどその威力はけた違い。


「『天岩戸(あまのいわと)』」

私の前に岩でできた壁が現れ、魔力弾を受け止めた。

もちろんただの壁ではない。


日本神話で天照大神が隠れるときに天石窟に入り天岩戸で閉ざしたという。

それをどうすることもできなかった日本の神々は岩戸の前で踊り歌った。

つまり八百万もいた神々が破ることのできなかった最強の盾になる。


もちろんモチーフというだけで本物ではない。

類感魔術というのがある。

類似したもの同士は互いに影響しあうというもの、

だからその天岩戸の性質を受け継ぎ何物も通さないという盾となる。


ただ本物には遠く及ばなかったようだ。


「あっ」

私の前で岩の壁が砕け散り私を一発の魔力弾が打ち据える。

私は慌ててそこから飛びのき次弾を回避する。


私の体は魔力強度もそこそこ大丈夫だったがそれでも今ので右腕が死んだ。

この神は戦闘をしたことがないようで狙いが甘いから今は避けてられるけど、

この戦闘で成長してるのかだんだん狙いも正確になってる。

こちらからの攻撃は牽制にもならず目くらまし程度にしかならないし。

これは・・・・・きついかな?




どれだけの数の魔力弾を避けたか?集中したから分からないけどそれは来た。

「・・・・・・今ひとたび其の力をお貸しくださいませ」

「・・・・・神よ、力を貸せ」

来た。

これで神とも戦える。

神が戦いに慣れないうちに決着をつけるしかない。

私自身もすでにぼろぼろで満身創痍だし。

短期決戦になる。


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