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神ミラフとの遭遇

「ではせめてもの慈悲で痛みを感じないように眠らせといてあげましょう。」

それで美鈴の意識が薄まっていきそれを生贄に捧げようとした時、

真っ白な空間に亀裂ができた。


「なんですかっ!」

その亀裂から人が現れた。

その人物にはキツネのものと思われる耳としっぽが生えていた。

ただ尻尾の数は九本だが。

そしてその尻尾はかなりでかかった。

小柄な少女の体よりかも大きく、少女の背中側で扇状に広がっている。

羽としっぽと違いはあるがさながら孔雀のようだった。


「みすず、ぎりぎり間に合った。」

少女はというよりゆうきは意識を失っている美鈴の方を見てそうつぶやいた。

それを自分が無視されていると受け取った神ミラフ。


「無視ですか、そうですか。まあいいでしょう。

 今は大事な生贄を頂く最中なのです。消えなさい。」

そういって手のひらをゆうきに向け力を集中して・・・・・・・。


「お待ちください、尊き神族のお方よ。

 私はあなた様に害をなそうと思っているわけではないのです。」

ゆうきが敬語で神ミラフを敬って言う。

ゆうきは神社の娘なので神に対する礼儀なども一通り学んでいる。

異世界のここでそれが通じるかは疑問だったがどうやら通じたようだ。


「どういうことですか?

 あなたは見たところどんな種族かわからないのです。それについては興味があります。

 話すことを許しましょう。」

神ミラフがあくまで尊大に発言を許可する。

美鈴と話していたときはあくまで例外だったのだ。

神と人の間には大きな格の違いがあるが美鈴は生贄になって(強制的に)くれる娘。例外だったのだ。


まあとにかくゆうきは発言する。

「私はそこのものと同じく異世界に端を欲する者であります。

 種族的にはそこのものと同じなのですが私はキツネ憑きというものでして、

 血筋に九尾という向こうの世界ではかなり力あるモノの力のみをを封じ込めた一族のものです。

 その中でも特別に色濃く力を受け継いだのが私であります。

 ですからあなた様はただ混ざり物とお考えいただければよろしいかと。」

ただただ低姿勢にゆうきは神と対話する。


「そうですか、納得しました。

 向こうの世界の物ならばそのかわったなりも魂のありようも納得です。

 さて私の用事はもう済んだのでさっさと消えなさい・・・・と言いたいところですが、

 ダンジョンの入り口にも書いてあった通り物事には対価が必要ですね。

 ちょうどあなたも聞きたいことがありそうですし質問を許しましょう。

 答えるかどうかは分かりませんよ。一応答えなかったという答えになっていますし。」

この神の性質か、それとも誓約か、それは分からないがとにかくゆうきは質問を許可された。


「では神よ、そこの者をどうするつもりなのかお教えいただきたい。

 その物は私の大切なものなのです。」


「そうですか、大切な者ですか。それは悪いことをしましたね。

 ですが生贄にすることは決定事項なのです。かえません。」


「生贄ですか。」

「そうです、生贄です。

 ああ、けどあなたの方が生贄としては上質ですね。

 ・・・・・・・・そうですね、かなり怒られるかもしれませんが選ばせてあげましょう。

 もしあなたがこの子の代わりに生贄として自分を差し出すなら、

 この子は他のお仲間のところに返してあげましょう。どうです、優しいでしょう。」

それにゆうきは考え込む。

じーっと美鈴の顔を見ながら。


「尊き神よ、その申し出は有難いのですがこちらから一つお願いがあります。」


「無礼ですよ。私があなたに質問したのです!

 ・・・・・・まあいいでしょう。所詮人間などそんなもの。聞いてあげましょう。」


「ありがとうございます。

 神よ、ここは特殊な空間のようですがここはダンジョンなのでしょう。

 ですのでボス戦としてあなたに挑みたいのです。」

神ミラフは怪訝な顔をした。

神と人間の間には超えようのない隔たりがある。

目の前の人間は特別に強いようだし、神にも届きかねないほどだ。

だが、それでもミラフに勝つには到底足りない。力の質が違うのだ。


「まあいいでしょう、受けます。

 この場合私が勝ってあなたの魂を手に入れたとしても生贄にはなりませんからね。

 二人分の魂を得られるなら得ですからね。」

ミラフが許されたのは生贄を一人ということだった。

ただゆうきから挑むのだからそれはただの正当防衛と言い張ることができる。

それでゆうきの魂を手に入れられるならとゆうきの挑戦を受けた。


「ありがとうございます。

 それとダンジョンの慣例として挑戦には褒章が当たられますよね。

 私が勝った場合あなたの魂を頂きたい。」


「無礼ですね。まあ私が勝つのですしいいでしょう。

 それでは今から始めますか?」


「いえ、もう一つの褒章を頂きたい。

 この空間は普通人間程度には来れないところでしょう。

 そこに来た事への褒章を頂きたい。」

もうゆうきに神を敬うような態度は見受けられない。

神ミラフはそのことに憤りながらも要求を受け入れる。


「私にとっては不法侵入もいいところですけどね。

 まあ、ちっぽけな人間がここにまでやってきたのです。ある程度ならいいでしょう。」

それにゆうきが笑う。

何を意図してかはわからないが。


「普通ダンジョンっていうのはパーティを組んで攻略するもの。

 でも急いでいたから私のパーティを連れてくることができなかったの。

 その子達と一緒にあなたに挑みたいの。だからここに連れてきてもいい?」

もはや敬語すら使わない。


「敬語すらやめましたか。まあいいでしょう。

 もうすぐ死ぬ身なのです。万全を期して私に挑んでくるといいでしょう。」

それは圧倒的強者の余裕。いくら来ようが人程度何人来ても結果は変わらないと。

多少殺すのに手こずるかもしれないが所詮その程度。

神ミラフに断る理由はなかった。






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