表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/69

キツネ面

神社へ続く洞窟の前、

姫巫女の二人を連れて神社に行こうと急ぐゼーレの前を遮るものがいた。

それはキツネ面をかぶった集団だった。


「ふたりとも私の後ろから出ないようにね。」

姫巫女の二人をかばいながらゼーレはキツネ面の集団を観察する。


数は五人

その集団はどれも女性で、身長はバラバラだ。

それぞれが色違いの布を体のどこかに巻いている。

緑、赤、白、黒、黄とその色は様々だ。


ゼーレが観察してると、

黄色の布を髪を止めるように巻いている一番背の高いキツネ面の人物が話かけてきた。


「あなた達が主様の呼んだものですね。

 では個人の特定を確認しますのでこちらに。」

その態度は友好的だ。

だがこちらをだましてるということも考えられる。

ゼーレはそれを信じて近づいていこうとした人間の姫巫女の少女を押しとどめた。


「あなた達が本当にゆうきさんの使者かわからないから渡すわけにはいかないは。

 第一、どうやって個人を見分けるのよ。

 他の人が化けてるかもしれないじゃない。」

ゼーレがかみつくように言う。


「ああ、それはご心配なく。

 主様が呼んでいらっしゃるのは姫巫女の二人だけですので。

 間違えようがありませんし。」


「そう、見分け方は分かったけどあなたが本当にゆうきさんの使者かという疑問は残ってるわよ。」


そうやって話していると、

五人のうち一番背の低い、赤い布を左足首にまいた子がイライラしたように言う。


「もういいでしょ、黄竜。

 こいつと話してるうちに主様は大変な思いをしてるんだ。

 適当にその女を片付けようよ。」


「そういうわけにはいかないのですが、まあこれ以上は確かに時間の無駄かもしれません。

 では、そこの女の人、だまってその姫巫女たちを渡しなさい。

 私たちは武力行使も許されています。これ以上はあなたを気絶さして二人を連れて行きます。


「くっ、」

相手は五人。とてもゼーレだけで戦える数ではない。

姫巫女の二人はまだ幼く弱い。

それにそもそもゼーレ自身も戦闘に関してはからっきしだ。


「わかった、ただし私もつれて行ってもらう。」

それがゼーレの最大限の譲歩だ。

ついていったところでもしこの人たちが二人をさらおうとしてるなら、

ほとんど何もできないと思うが叫べば村の人に聞こえる。

そうすればここからは逃げられない。


「それはだめです。主様の命令でここを通っていいのは姫巫女の二人と美鈴様だけとなっております。」

ただそれも却下されたようだ。


「じゃあ駄目よ。」

ゼーレはあくまで強情に言い張った。

と、その態度に負けたのか黄竜と呼ばれてたキツネ面の人はいった。


「はあ、では仕方ありませんね。【眠れ】」

その言葉にゼーレは崩れ落ちる。

その胸元が上下してるところを見ると本当に眠ってるだけのようだ。

まあ崩れ落ちた時に頭を強めに打ってようだが。


「じゃ朱雀と白虎は二人を主様のところへ、

 玄武はそこの女を村の診療所に運んで、

 青竜は私とここの警護を。」

そうやって黄竜が指示を出してキツネ面の人たちはてきぱきと動いてく。


その様子に姫巫女の二人は戸惑っていたようだけど、

そのまま朱雀と白虎と呼ばれたキツネ面の人たちについていく。


五獣で

青竜(緑) - 朱雀(赤) - 黄竜(黄) - 白虎(白) - 玄武(黒)

というのからとりました。

青竜は首に、朱雀は左足首に、黄竜は髪に、白虎は右手首に、玄武はたすきのようにそれぞれの色の布を巻いてます



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ