謁見 *ゆうき視点
私たちのクラスは王様に謁見することになった。
さっきの場所には強い人はいなかったけど王様のそばにはきっと強い人がいると思う。
だって神官っぽい人が近衛がいるって言っていたから。
近衛と言えばだいたい国の中で個人の戦力としては最強だから、
その近衛も弱いならこの世界では個人の戦力は全く恐れなくていいということになる。
その場合怖いのは数になるが、
それもおそらく私と美鈴のみなら何とかなると思う。
分断して各個撃破していけばいいだけだ。
そういう思考をしながら私の意識は先ほど放った式神のほうに向いている。
式神と私はパスでつながっているので思考を一部共有することができる。
その思考共有を使って式神が調べていることを逐次把握している。
いくら相手が弱そうに見えてもここは相手の領域だ。油断はできない。
式神からの情報によるとこの城には今あまり人がいないそうだ。
なんでも魔族との戦いで人が出払っているらしい。
大体相手の数が分かったので今度はこちらの知識を知ることにする。
式神が見つけた図書館で引き続き情報を収集することにする。
こちらの世界の魔術は公になっている。
隠されているあちらの世界とは違う発展をしているだろう。
そうして指示を出していると扉の前で止まった。
ここはおそらく謁見の間だろう。
近衛の戦力がどれぐらいか確かめておかなければならない。
私は一応用心して自分の力の隠ぺいの段階を一段強めた。
そして扉があき謁見の間に入っていく。
近衛が1,2,3・・・10人。
一人だけほかの人とえっかくがいるからあれが団長格の人かしら?
けどこれなら別に大丈夫そうね。
私の力に気づいた人はいないようだし、
正面からこの全員を相手しろと言われても倒せる。
もっと数が増えても準備さえして問題ない。
あの団長からしてみればむしろ足手まといが増えてやりやすいかも。
王様が話しているが話半分に聞いておいて私はまた考察に戻る。
そういえば魔族っていう個体は人間より強いらしいわね。
一応注意しとこう。
っと王様の話が一覧諾したようだ。
すると私たちの担任が王様に話し出した。
「国王様、お目にかかれて光栄です。
何分こちらの礼儀作法を知らないので無礼なことがあるかもしれませんがご容赦願いたい。
「うむ、その点は構わぬ。
何か言いたいことがあれば言うがいい。」
ちなみに王様はデブだ。
頭も少し薄くなってきている。
「ありがとうございます。
それではさっそく、私たちの扱いはどうなるのでしょうか?
出来れば安全を保障してほしいのですが。」
この教師はなにを言っているのだろうか?
勇者召喚をしたって言われたのだから戦いに参加させられるに決まっているじゃないか。
そんな中で安全の保障とかあるわけないのに
「ふむ、当然の疑問だな。
じゃが一日待ってほしい。こちらとしてはこんなに召喚されるとは思ってなかったのだ。
少なくとも生活の面倒は見るがこちらにも話し合う必要がある。
まあ今日はいろいろあって疲れただろ。ゆっくり休め。」
当然、質問には答えないまま話を勝手に終わらせてしまった。
今回の謁見はなかなか収穫が多かった。
人間の戦力を確認できたし、こちらの世界の仕組みも少しわかった。
生き物を殺すと強くなるというのはおそらく蠱毒の法だろう。
私も強い式神を作るためによくやった方法だ。
それが世界規模で展開している。いや世界の仕組みとして存在している。
そこまではわかったのだが、
異世界人である私たちがこちらの人よりか強くなりやすいというのはどういうわけだろう?
ここら辺は要研究項目になる。
人間は個としてはそんな強くないのが分かったので、
あとは獣人と魔族と魔物ぐらいかな?
まだまだ分からないことは多い。
もっと情報収集の必要があるだろう。
手始めにこの城の図書館の知識の制覇からいこう。
美鈴はゲーム的思考でExp
ゆうきは魔術的思考で蠱毒の法
ふたりの考え方の差がわかります。
それと投稿はストックが切れるまでは三日ごとの予定です