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危機一髪


「あっ、美鈴さんおきました?」


私の目の前には巫女さんがいる。

ってゼーレか。

ということはゼーレが死んだっていうわけじゃなかったら助かったんだ。

よかった。


「もー美鈴さん部屋を出ちゃダメって言ったでしょう。あのままだったら死んでたんですよ。

 ・・・・・・・・・・もし死んでたら私ゆうきさんに殺されてたかも。」


最後の方は声がちっちゃくてあんまり聞こえなかったけど今ゆうきっていったよね。

こっちの名前はだいたい西洋風だからゆうきっていう名前の人もいない。

っていうことはゆうきってゆうきだよね。


「ねえゼーレ、ゆうきってここにいるの。」


ゆうきが旅に出てから今まで何にも連絡がなかったから心配してた。

ゆうきなら大丈夫だろうって思ったんだけどそれでも心配だ。

だからここでゆうきの安否が知れるなら有難い。


「え、・・・・・・・・・・あっ!」

だから聞いたんだけどゼーレはなんかすっごく顔色が悪くなってる。


「えーっと顔色悪いけど大丈夫?」


「うー、全然大丈夫じゃないです。

 ゆうきさんの事話したって知られたらゆうきさんに叱られちゃうかも。」


うん、この会話でゆうきとゼーレの力関係が丸わかりだね。


「聞かなかったことにしてはもらえませんか?」

うーんゼーレが叱られるっていうなら聞かないであげたいところだけどせっかくゆうきの情報に行き当たったんだから知りたい。

あっ、いいこと思いついた。


「ゼーレ、私にゆうきのこと全部話してよ。そしたらゆうきにはだまっといてあげる。」


「約束ですよ。絶対に絶対でですよ。」


うわぁ、私が仕掛けたこととはいえゼーレちょろい。

他の人にだまされないか心配になる。

今ならゆうきの名前しか出してないからばれてもそこまで叱られないだろうけどそっからさらに話したらかなり叱られるだろうに。

まあ、ゆうきにばれなかったら私からは言わないけどね。


「じゃあ話しますよ。最初に行っときますけど私が知ってることは少ないですからね。

 まずこの建物がある村ですけどこれはゆうきさんが作った村なんですよ。」


おっと最初から予想外のことが。

ゆうき、村を作るって何してるの。まだこの世界に来て一年ぐらいだよ。


「それでですね。この村の住人はだいたい訳ありです。

 例えば私は加護持ちですから神殿に所属してたんですけど、

 そこでの扱いがひどかったんでゆうきさんに助けてもらってこの村に引っ越してきたんです。」


おー、人助けだね。


「そうして村ができたんです。

 皆さん訳ありなだけあって特別な能力を持ってる人も多いんでこの村って結構豊かなんですよ。」


良い感じだね。


「とまあ私が知ってるのはこのくらいです。」


「えっ、そんだけ?

 知ってること少なすぎない。ほらもっとあるでしょいろいろと。」


「いえそれだけです。

 ああ、あと美鈴さんはゆうきさんが連れて来たんですよ。

 それでこの建物も美鈴さんのために造られたんですよ。」


ふーん、ってこの建物私のために建てたってゆうきどんだけすごいのよ。


「そういえば私廊下を結構歩いたと思うんだけどここまでの道のりってどんだけ長いのよ。」


「あーそれはですね、

 ここの廊下ってドーナツ状になってて扉とかは魔法で見えなくなってるんです。」

ここの廊下ってドーナツ状だったんだ。

つまり私は同じとこをぐるぐる回ってたんだね。

けどこの世界の建築技術ってすごいね。

私がここに来てからこの建物を建てたっていうしさらにそんな仕掛けを作れるなんて。

まあそのせいで私は死にかけたけど。


「えーっともうそろそろいいですか?

 こんなこと話したなんてゆうきさんに知れたらなんて言われるか。」


「べつに」


そこには普段通り無表情のゆうきがいた。


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