表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/69

遁走  *新島先生視点

びっくりしました。

美鈴さんが倒れたと思ったら今度はそれをゆうきさんがなおしてしまいました。

こっちの世界に来てから私自身体の調子が良くなったり魔素を感じたり魔力を生成したりといろいろできるようになった私ですがゆうきさんと同じことはできそうもありません。

ゆうきさんに何をやったのかと聞いたのですが魔力を補充しただけと言ってきました。

私には美鈴さんの体内の魔力が減っていたなどわからなかったのですけど。

そもそもまだ生成の段階で私は作った魔力をまだ自由に操ることなどできません。

少し嫉妬をしてしまいちょっとお説教臭くなってしまいました。

いえ言っていること自体は正論なのですが言い方が先生としてはだめなものでした。


美鈴さんを部屋に運んだあとゆうきさんから話したいことがあると言われたので聞こうというと美鈴さんには聞かせられない話だそうです。

まだ気絶しているのですが万が一もありますので広間に行こうといったのですが誰にも聞かれたくないらしく私の部屋を指名してきました。

ゆうきさんあなたも年頃の女の子なのですからもうちょっと慎みを持ってください。

一人で男性の部屋に行こうなど襲ってくれと言わんばかりですよ。

いやしませんけど。


話の内容はびっくりするものだった。

旅に出るというのだ。

女の子の一人旅など許容できるものではありません。

しかもここは異世界なのです。何があるかわかったものではありません。

ゆうきさんの決意は固いらしくなんといってもやめそうにはありません。

しかも説明もしてくれないのかと思ったらゆうきさんが二通の手紙を取り出しました。

私あてと美鈴さんあてらしいです。

そんなことするなら直接話してくださいよと思いましたが、

今すぐに旅に出るというのです。それにゆうきさんから自分が旅に出るまで読まないでほしいと言われました。

しかも読んだ後に焼くための魔道具まで用意してあります。

これはかなり用意周到ですね。

というよりいつ用意したのだろうと思っていたらゆうきさんが別れの挨拶をしてきました。

「先生じゃあね。

 生きてたらまた会いましょう。」

ゆうきさんにしては砕けたあいさつでした。そしてかなり物騒なあいさつでした。

そうしてゆうきさんは旅に出ました。

日本でもちょっと不思議な子でしたがこちらに来てからさらに不思議になりました。




さて美鈴さんはまだ起きないでしょうし、ゆうきさんの手紙でも読みますか。

その内容はこんなものでした。


ーーーーーーーーーーーーーー

勇者奴隷化計画


召喚一日目

・宰相と密偵(メイド)の会話(謁見の直前)

 勇者を見つけ出すために宰相が密偵を派遣

 密偵は異世界人たちの様子を監視、観察 

 必要なら薬や暴力による洗脳を許可

・王様と宰相の会話(真夜中)

 条件を満たせば隷属の指輪を使って異世界人を奴隷にする

 1勇者の特定(勇者は特別性の指輪が必要)

 2隷属の指輪の数の確保(ちょっとずつ隷属していき不審に思われないように)

 3全員の魔素の感知と魔力の生成を覚えさせる(隷属の指輪を付けた後は感知を少ししにくくなり感覚が  つかめないため)

 以上を満たせば隷属の指輪を使ってくるものと推測される

・密偵と宰相の会話(王様と宰相の会話の直後)

 この時点では勇者の有力候補としては向井君と新島先生が挙げられていた。


隷属の指輪の説明

隷属の指輪は今回の勇者召喚のために作られたものである。

本来は隷属の首輪というものがありそれを小型化したものである。

隷属の指輪を作った狙いとしては国が勇者を奴隷にしたというのはマイナスイメージになるため隷属の首輪を使えなかったからである。

また隷属の首輪はこれ以上小型化が無理と言われているため指輪サイズにすれば異世界人全員がつけていても怪しまれることはない。

隷属の指輪、首輪ともに主と設定したものの命令に逆らえなくなる。

但しあくまで命令に逆らえなくなるだけであって命令されてないことはしなくいい。


対策

隷属の指輪もしくは首輪によって支配されたものは支配しているものを好むことはまずない。

なので命令されなければ動かないということが多い。

軍隊での行動でこれは致命的だ。

なので自分たちは自分で考え国のために動くと国に伝えればいい。


ただこれだけではちょっと弱い。

だから国に従わないものにのみ隷属の指輪をつけて従わせるようにと提案すればいい。

おそらくこれが一番多くの生徒を奴隷にしずにすむ方法だと思う。

そこで自由意思がなくとも生徒には生き残ってほしいからっていうのもいい。

それと戦争が終わったら隷属の指輪を外すように要求したら多分もう大丈夫。


この提案は密偵のメイドを通して伝えるといい。

伝え方は「王様に提案したいことがある。」とでも何食わぬ顔で言えばいい。

それで無理だったら隷属の首輪の有効活用の方法を思いついたとでも言えばいい。

上の策の隷属の指輪のところを隷属の首輪に置き換えて話すといい。

隷属の首輪については図書館に案内された時の自由時間で本で読んで知ったといえばいい。




ps.

この情報は押し付けたようなものだから情報代を払わなくてもいいけれど、

払ってくれるというのなら美鈴に手紙を渡して読んだ後焼くように言うのと、美鈴のそばからできるだけ犬を離さないようにっていうことと後私が返ってくるまで美鈴のことを気にかけてあげてください。



ーーーーーーーーーーーーーー


こんな情報どこから持ってきたんでしょうねえ?

どこから情報を持ってきたかはおいといて、かなり詳しいのでこれは正しいと思うほかありませんねえ。

ただ対策のところは「大を助けるために小を捨てよ」っていうことですよねえ。

けれど私にはこれ以上の策なんて思いつきませんし。

それに戦争に勝てば隷属の指輪を外すという要求は通ると思いますしね。


ゆうきさん情報代はちゃんと払うから安心してくださいね。

情報代のところの犬のところは美鈴さんの精神安定のためでしょうか?

ゆうきさんが挨拶もせずに旅に出てしまいましたからねえ



美鈴さんはかなりショックを受けるでしょうねえ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ