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魔法2  *ゆうき視点

美鈴と散歩をした後先生にどうしたらいいか聞いていた。

飼い犬なのではという疑問が出てきたが侍女がうまくその疑問は消してくれた。

けれど侍女が犬を飼うのはやめてくれないかと言ってきた。

美鈴がせっかく飼う気でいたのにそれを遮るとは。

私は侍女の袖を引っ張って注意を引いた。

「はいなんでしょうか?」

私は内緒話をするように耳に話しかけるような体制をとる。

まあ背が足りないのでそれに気づいた侍女が屈んでくれる。


「ねえ、勇者はだれかわかった?」


侍女はなにを言いたいのかわからずに首をかしげながら、

「いいえ、まだですが。」

予想どおりこれなら


「ねえあなたは誰から飼い犬を取り上げようとしているの?

 さあ私は誰かしら?もしかすると勇者かも。

 そんな相手からたかがいち侍女が飼い犬を取り上げるの?」


「っ、わかりました。飼うのを許可しましょう。」

「ふふ、ありがとう。」

まあ要するに私がしたのは脅迫だ。

一侍女が勇者ご一行から犬を奪いそれでこちらに不興をかったらどんな罰を受けるのかと聞いたのだ。

まあいずれ出ていく城の侍女だ。別に気づかいをする必要はない。


ご飯の後は魔法の訓練だった。

魔素というのはこちらに来た時からわかっていたがそれを運用するやり方はそんなに高度なことをしてない。

一度魔素を体内に取り込み魔力という個人の色を付けて使うというやり方だった。

私なら空気中で魔素を私の色に染めることもできると思う。

そんなことをしたら目立つのでやらないけど。


美鈴は魔素をうまく感じることができないようだ。

と言ってもこちらの世界の人は一週間ぐらいは魔素の感知にかかるらしいけど。

まあそれを言ってもゆうきには慰めにしかならないよね。

他のクラスメイトもあらかた感知できるようになっちゃったし。


向井とかはちょっと荒いけど魔力の生成、つまり色づけもできるようになってるし。

せっかく精神的に上向きになってきたのにまた落ち込むようになるのもだめなので、

今回はリリィを使って助けることにする。


リリィに生成した魔力を接触して流すようにさせる。

おそらく相手に放射するより接触して直接流す方が感じやすいと思うし。

案の定美鈴は感知できるようになったっぽい。


ただちょっとおかしい。

美鈴の周りの魔力がわずかにではあるが美鈴の色に染まっているのだ。

多分今の美鈴には周りの状況が目をつぶっててもわかるはずだ。

そんなことたやすくできることじゃない。

美鈴は魔法にかなり適性があるんじゃないかとのんきに思っていたのはここまでだ。


かすかに美鈴の色がついた領域が一気に広がったのだ。

しかも美鈴はそれを広げるために自前の魔力つまり生命力とでもいうべきものを一気に使ったのだ。


たとえば空気中の魔素を水とたとえたら生命力や魔力というのは自分の色に染まった色水。

自分の支配下に置けば水は色付けされる。

ただ薄く自分の色に染めるだけなら色水を水と混ぜればいい。

但し生命力とは栄養素とはまた別の活動するのに必要なエネルギー。

それはある程度余剰分がある。

その余剰分を私は気力とよんでいる。

気力を使いさらに生命力まで使うと最悪命にかかわる。

私とかは修行でかなりその気力を増やしているけど一般人の美鈴の気力はそんなに多くない。

それをこの勢いで一気に放出すれば・・・・・


美鈴が倒れた。

魔法使いが美鈴のことを見ているけどやったことはかろうじて理解できているようだけど解決の方法を知らないようだ。

ええいつかえない。

戦争で人員不足なのはわかるけどむしろ邪魔だ。


他人の生命力を回復させるのは難しい。

いくつかの難関がある。

生命力を色水として説明したけどそれは個人によって色が違う。

他人の生命力を回復させるには自分の色を相手の色に変えて渡さなければいけない。

色を変えることは難しいけど私なら可能だ。

だけど相手の色と寸分たがわずおんなじ色にしなければならない。

ちょっと濃さが違うだけでもうだめだ。

相手の生命力と反発して余計に症状を悪化させる。


濃度が変わってはだめなので空気中の魔素と混ざり合ったものも当然だめだ。

だから粘膜接触で直接生命力を吸い取るしかないんだけど、

今の美鈴の残りの生命力が少ないので吸う量は最小限で素早く私の色を美鈴の色に変えて渡さなければいけない。

危ないけどやるしかない。


そこまで考えて私は美鈴のところに走っていく。

まずは魔法使いが邪魔なのでどくように言う。

「どいてください。」

「なんだ友達か、今私が見てる・・・・・」


「どけ」

おっと殺気がもれたかも。

まあいい。そのまま威圧を強める。

そうしたら魔法使いはおびえてどいてくれた。


そして私は美鈴に近づきまわりの魔素を押しのけるように私の気力で美鈴と私を覆った。

一応大丈夫だと思うけど少しでも可能性は上げておきたい。

そうして私は美鈴に覆いかぶさりキスをした。

粘膜接触が必要なので美鈴の唇を押し開いて舌を入れた。

美鈴の生命力をわずかに本当にわずかばかり吸い取る。

それを解析して私の気力を美鈴の色に染めて美鈴に渡していく。

初めは色が間違ってないかゆっくりと。

それで大丈夫だったので一気に渡す。


唾も一緒に美鈴の口の中にたれていくけど今はそんなことを気にしている余裕はない。

美鈴の顔色もよくなったし生命力もちゃんと満タンまで入ってる。

それを確認してから私は口を離した。

「はぁ」

今まで息をしてなかったので息がちょっと苦しい。

とりあえず美鈴の様態が安定していることを確認する。

それから私と美鈴を覆ってた私の気力を回収する。









そこまでしてから私の失策に気が付いた。

言い訳どうしよ?

今の状況を客観的にみると美鈴が倒れそれをみていた魔法使いを威圧で黙らせて友人に覆いかぶさってべろちゅーをした女の子。


うんすっごいカオス


魔法使いが解決方法を知っててもゆうきは多分魔法使いを押しのけて自分がやったでしょう。

その方が正確ですし、それに治療にはべろちゅーが必要ですから美鈴のことも考えて。

作中に描写は出てませんが魔法使いは男の人ですから。

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