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わんちゃん

私は布団の中から暖かいものがなくなって目を覚ました。

「美鈴、おこしちゃった?」

どうやらゆうきが布団から出たようだ。

昨日はゆうきのほうが起きるの遅かったけど今日はゆうきのほうが早かったようだ。

「んーん大丈夫。

 けどこんなはやくに起きて何するの?」

窓の外を見てみるとまだ太陽は出始めたばっかだった。

ご飯の時間は鐘がなってからちょっとしたらだったはずだからまだまだのはずなんだけど。

こちらは時計はすごく高価で何度かなる鐘の音に合わせて生活してるらしい。


「この犬の散歩」

そうかー犬の散歩か。

朝一番で犬の散歩するのは気分がいいよね。

私は朝弱いからそんなにしなかったけどたまにするとすっごく気分がよかった。

んっ?いぬ?

いやいや犬がいるはずないじゃん。

こっちの世界に来たとき身につけてたものしか持ってこれなかったから犬は持ってこれなかったし。

エア犬かな?

ゆうきにそんな趣味があったなんて

そんなにさびしい思いをしてたんだね。

「よしよし」

とりあえずゆうきの頭を撫でてあげる。

「ねぼけてる?」

ゆうきがなんか言ってるけど寝ぼけてないよ。

「わんっ」

ゆうきがなんか言ってるけど寝ぼけてないよ。


んっ?わん?

ゆうきがそんなにかわいい事言うなんて

「ゆうきもう一回言って。」

とりあえずMy幼なじみにもう一回と要請してみる。

「あー美鈴は「わんわんっ」朝が弱かったわね。」

んっ?ゆうきの声が二重に聞こえる。

あっそうか腹話術か。器用なことするなあ。

あれ?腹話術って同時に喋れたっけ?

「ほら美鈴。」

ゆうきがそう言って何かを渡してくる。

その何かはあった高くて茶色い毛皮をもっっていた。

そして三角形の耳があって尻尾もあった。

うむ見事な中型犬ですな。


「って、いぬ!?」

「あっ起きた。」

「ゆうきこれ犬だよっ!」

「んっいぬ。」

「じゃなくてなんで犬が部屋の中にいるのってことで、この子どうしたの?」

「ひろった」


うん、ちょっと待とう情報を整理してみよう。

昨日ゆうきと一緒におんなじベッドで寝たはずだよね。

そのあと私は朝までぐっすりだったからその間にひろったってことになるけど・・・


「ゆうきっ!」

「なに?」

「女の子が一人で夜道を歩いたら駄目だよっ!

 ゆうきなんか軽いからすぐさらわれちゃうよ。今度からいくときは私にも声かけてね。」

もうゆうきは女の子としての自覚が足りなさすぎる。

ゆうきはちっちゃいからそういう目で見られないと思ってるかもしれないけどそういう趣味の人もいるんだから。

ましてやここは異世界なんだからさらわれて奴隷として売られたり・・・・・

ダメダメやっぱりゆうきは私が守らないと。

「わかった」

ゆうきは素直にうなずいた。

うんうんそれでよし。


「それで結局この子はどうしたの。」

「歩いてたのを撫でたらなつかれた。」

何その凄いスキル。私が欲しい。

「そう・・・

 じゃあしょうがないか。しょうがないよね。

 っよし、飼うと決めたら名前を決めないとね。」

何にしようかな?この名前を決める瞬間が楽しいんだよね。

そうやって首をひねって考えているとゆうきが

「名前はある」

と言ってきた。

なんだもう名前は付けたんだ。

「何て名前にしたの?

 変な名前だったら却下するからね。」

うん変な名前だったらこのワンちゃんがかわいそうだからね。

「名前はリリィ」

リリィかまあ悪くはないかな。

ってその前に女の子か確かめなきゃ。


うん、ちゃんと女の子だった。

「じゃあリリィに決定ね。

 じゃあ後で先生に相談してメイドさんに何とかしてもらうとして。

 早く散歩いこっ。時間が無くなっちゃう。」

早く、早くとゆうきをせかす。

「ゆうきそういえばリードとかないけど大丈夫かな?」

「大丈夫。リリィお手。」

「わん」

おーもう芸ができるんだ。

賢いね一晩で芸を覚えるなんてこれなら大丈夫そうだね。


その後散歩してわかったんだけどリリィは想像以上に賢いと分かった。

まるでこちらの言葉を理解しているようだった。

それに私の言うことも聞いてくれる。

ただゆうきの方をうかがうようにしてからだけど。

どうやらリリィの中では


ゆうき>私>リリィ

という位置づけらしい。

犬は集団で生活していたから自分より上の存在か下の存在かくらいづけするんだよねえ。

まあ私の言うことを聞いてくれるからいいか。


適当に散歩して部屋に帰ってきた。

「ねえゆうき

 リリィこっちの言葉を理解しているのかな?

 あまりにも賢すぎると思うんだけど。」

そうためしにメスかとリリィに聞いてみたらリリィは首を縦に振ったのだ。

偶然かと何度かほかの質問をしたけどそれにもちゃんと答えられたのだ。


「異世界だし。」

いやそれですますのもどうかと思うよ。

いやそうかもしれないんだけどね。

ゆうきは犬に

「あなたはこの人を守るんだよ。」

と話しかけていた。

それにわんちゃんは私の方を見た後「わんっ」と元気よく首を縦に振った。




やっぱりかしこすぎる気がするんだけどなあ。


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