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夜  *ゆうき視点

さて美鈴も寝たし私は死刑囚でも探しに行きましょうか。

記憶を読み取って常識とか読み取らなければいけないからね。

さてこの城に死刑囚はいるのかしら。

と言っても大体のあたりをつけているんだけどね。

式神からの情報で多分牢屋っていうところ見つけたし。


じゃあそこに向かいましょうか。

隠行をしてれば他人に見つからないでしょうし

私の予想では多分魔族の人なんだよね。

つまり戦争での捕虜。

けど種族館戦争だからどちらかを滅ぼすまで止まらないでしょう。

だから多分狂わせても問題ないよね。


牢屋についた。

魔族の人たちはどんな感じなんでしょう?

牢屋に入ってみる。

見張りは魔術で眠らせた。

牢屋の中の魔族は眠ってた。

まあ真夜中だから当たり前でしょうけど。

魔族の人たちは美形が多かった。

ただ角が生えてたり肌の色が明らかに人間の色と違う。

まあさっさと記憶を読み取って部屋に戻りましょう。

美鈴が夜中にトイレに起こる可能性もあるんだし。

まあ私の格好をした式神を部屋に待機させているから起きても対応はできるけどね。

私が魔術を使うときは詠唱や魔方陣はなくてもいい。

それらはあくまでも補助であって必須ではない。


そして今回使う記憶を読み取る魔術は相手の頭に触れる必要がある。

だから牢屋を順番に明けて魔族の人の頭に触って記憶を読み取っていく。

あしたの朝この中の何人かはくるっている事が国に露見するでしょう。

まあ私がやったとはばれないと思うけど。



今まで読み取った情報の中で分かったことがある。

それは今回の戦争で責任があるのは人間側だということだ。

物語の中では悪者として扱われる魔族だけどこっちの人はあくまでそういう人種であるというだけだった。

これは折を見て美鈴に言わないといけない。

美鈴は王様の説明を聞いて正義感をふくらませていたから事実を知ったらショックを受けちゃう。

それに隷属の指輪の件もあるしね。


ああ、けどこれは勇者の役目からドロンするときの説得の材料に使える。

そうして記憶を読んで言って最後にひときわ厳重に魔法でロックされている魔族を残すのみとなった。

これは今までの魔族から魔法の知識を読み取ってなければ私は引っかかっていた。

それほどまでに厳重にされているこの魔族は強いのかそれとも政治的に利用できるものなのだろう。

牢屋の魔法を説こうとしたところで


「小娘、貴様はなにをしている。」

少しびっくりした。

寝ているものとばかり思っていたし私は今隠行を使っている。

だから気配は感じないはずなんだけどこっちを見た様子はなかった。

「どうしてきづいたの?」

「こっちが質問している。」

はあ、こっちが答えるまで質問に答えてくれそうにないわね。

「記憶を読み取ってた。」

というと魔族の女の人は疑っているような顔で私のほうを見てきた。

よく見るとこの人すっごく美人。

肌は青白いけどそれさえも綺麗さに拍車をかけている。

凛々しいというような顔立ちをしていて女の人に持てそうだなあと思った。

「嘘をつくな。

 記憶を読み取るなど人間には不可能だ。

 それにもしそんなに力のある人間がいたなら、前線に送られているはずだろう。」

「本当のことだし、別に私は人間の味方もしてないんだけど。

 私の姿を見られたからには殺さないといけないし。

 じゃあ最後に言い残したことはある?」

本来なら強い人なのだろうけどおそらくあの指輪で反抗できないようにされてるんだと思う。

あれが多分王様たちの話していた隷属の指輪か。


これから記憶を読むから狂うかもしれないけど国側に私が今回のことをやったとばれるのは望ましくないから殺す。

「待て人間の味方をしてないとはどういう意味だ。

 それが本当なら頼みがある。話をきいてくれっ!」

急に大声を出して私に頼みがあるという魔族の女の人。

「静かにしてくれないかしら。

 私が人間の味方をしていないというのが本当ならここには隠れてきたということがわからないの?」

と皮肉を言うと女は私をひとにらみしたけど今度は小声で話しだした。


「頼みとは私の村を救ってほしいのだ。」

こっちが聴くといってないのに話し出す女。

まあ聞くけど。

私は目線で続きを促す。

「私はある男に恨まれていたんだ。

 昔そいつの親に襲われて殺したから。

 それで私ははめられて敵のど真ん中に放り出されてしまってこのありさまだ。」

そういって女は手かせと足枷を示す。

「それで私を恨んでたやつが言ってたんだ。

 

 お前の生まれた村も滅ぼしてやる 

 って言ってたんだ。それを私は防ぎたい。だから力を貸してくれっ!たのむ!」


「それで私にどうしてほしいの?

 それに対価は?」


「私を逃がしてくれ。そうすれば私にできることなら何でもするからっ。」


「あなたばか?こんなところから逃がしてもつかまるのがおちでしょ。

 そうね。あなたの村に危機を伝えるからあなたをもらうっていうのでどう?」

「私の村に危機をつたえる・・・・

 なら私の知り合いに魔族の中でも一目置かれている人がいる。

 その人にもつたえてはくれないか?」

「それでいいわ。

 じゃあ手紙でも書いて。それがあなたが書いたことだってわかるようにしてね。

 それをあなたの村とその人に渡してあげる。」

「わかった。」


私は牢屋の魔法を解いて中に入魔族の女の手かせを解いて紙とボールペンを渡した。

魔族の女は変わった紙と筆記用具に戸惑っていたものの手紙を書き終わり魔法で封をした。

「この二通の手紙を渡してくれ。

 その封の魔法で私が書いたものだと分かるはずだ。

 さあこれで私のことは好きにするがいい。約束は守る。」

「ええじゃあとりあえずあなたには私のものになってもらうわ。

 あなた名前は?」


「リリィ、リリィ・ナイトメアだ。」

「そう、じゃああなたには誓約をしてもらう。

 私のものになるかっていう内容のことを言うからそれに私のものになると誓うって言う、わかった?。」

「ああわかった。

 約束は守る。だからお前も守れよ」

「ええ、わかってるわ」

私は魔術でリリィを縛る。

この誓約が終わればリリィは私に反することはできなくなる。

私がいない間の美鈴の護衛役が欲しかったしちょうどいい。

今までは式神をつけてたけど力不足だからね。


「リリィ・ナイトメアに問う。

 汝はわれのものになることを誓うか。」


こういうの美鈴なら中二病って言うんだろうなあと思いながら魔術を行使する。


これでリリィが答えればリリィは私の奴隷だ。

「ああ、私はおまえのものになる。」

リリィがそう答えた時リリィの手の甲にあざができた。

「リリィ、これであなたは私のものになったのだけどその手の甲の証は消しときなさい。

 念じればできるから。」

「わかった。

 けど特にこの手の甲のあざ以外変わったところがないんだけど?」

まあ感じ取れることはそうないんだけどちゃんと成功している。


「大丈夫、ちゃんとできてるから。

 じゃああなたの自我を封じさせてもらうわ。」

「えっ自我を?

 聞いてないぞ。それは私を殺すこととほぼ同じことじゃないか!」

そう自我を封じればその人はその人でなくなる。

今回の場合はものになってるから私に従順な擬似的な人格が表に出てくと思う。

「じゃあ抵抗しないでね。」

そういうと今までどうやって逃げ出そうかと身構えて、

こっちのすきを探してたリリィが動かなくなる。








それから私はリリィをいろいろな魔術で改造していった。

夜はまだまだ長い。


リリィ・ナイトメアさんは作中で初めてフルネームが出た人だったりします。

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