おはよう
目が覚めたら美少女と裸で抱き合ってた。
まあそもそも私も女だし相手もゆうきなわけだけど
そのゆうきの顔だけどちょっと近すぎないかな?
こんなに近くにあったら少し動いたらキスしちゃいそう。
とか何とはなしにゆうきの顔を眺めてたらゆうきの目が開いた。
「おはよう。」
ゆうきは目の前に顔があるのに動じずに普通にあいさつしてくる。
ちょっとそれは負けた気分。
「おはようっ」
ちょっと強くなっちゃったけどまあいいでしょう。
「ゆうきごはんの時間聞いてる?」
「七時」
携帯で確認すると
「今の時間はっと・・・
もう六時五十分だよ。急がないとっ!」
部屋を出ようとしたところで
「でちゃだめ!!」
ゆうきが大きな声で叫んだ。
ゆうきが大声で叫ぶなんて思わず体が硬直してしまった。
「どっどうしたの?」
何か緊急事態でもあったのかと思いながらゆうきに聞くと
ゆうきはため息を吐いて
「裸のまんまだよ。」
あっ
どうもゆうきのおかげで恥ずかしい思いをしなくて良かった美鈴です。
ゆうきが大声で叫ぶなんてことはめったになく、
というより授業以外で声を聞いたことがないっていう人がいるぐらいの無口っ子なので、
当然皆から心配されて事情を話さなくてはいけなくて・・・
まあ結局恥をかいた美鈴です。
ゆうきもあんな大声を出さなくてもいいのに。
いやゆうきの普段通りの声だったらドアを開けながら「何?」って聞いてただろうからあれで正解だったんだろうけどなんか釈然としない。
うん、服を目の前で干してあったのにそれをスルーして部屋から出ようとした私が悪いんだけどさあ。
寝ぼけてたんだよ!しょうがないんだよ。
私はめっぽう朝が弱くてよく壁に頭をぶつけてたぐらいだからね。
それと女子、からかってるんだとは分かるけどおんなじ部屋でどっちも裸だったていうから「百合だ」っていうのやめろ。
自分たちが服を洗うの思いつかなかったからって見苦しいぞ。
これでおんなじベッドで寝たってのがばれたらえらいことになりそうだなあ。
そうして百合って言ってくるのはもっぱら私だけってどうよ。
まあゆうきに対して百合だっていうのはなんか雰囲気的に言いずらいのはわかるけどさあ。
おんなじ部屋にいたってのに納得がいかない。
いやドキドキしてちょっと寝不足気味だけどさあ。
いやちがうよ。ほんとに違うんだって。
だから、ちがうんだってば。
とか言いながら私はしらっと席に着いた。
うん実は朝食の時間に遅れたんだよねえ。
ゆうきが大声を出したってので心配されて何とか流すことができた。(百合疑惑は余計だけど)




