お部屋で *ゆうき視点
美鈴がベッドに入って
「さあ、ゆうきこっちにきてごらん。甘えてもいいんだよ。」
言ってきた。
冗談がいつもよりかスキンシップに偏ってる。
この異世界に来てゆうきは結構なストレスを感じているのかもしれない。
私は自分の身を守るすべを持ってるけど美鈴はそのすべをもってない。
この世界ではお金もない。
まわりはクラスメイトがいるといってもそのクラスメイトも身を守るすべは持ってない。
私が身を守るすべを持ってるって言ってあげたいけど出来れば私の力はできるだけ隠しておきたい。
私たちに力がないって思ってれば向こうも油断するだろうから。
だから私にできるのは・・・
「えーっとこれはどういう状況?」
ゆうきのストレスを和らげてあげることぐらい。
頭を撫でると同時にツボを刺激していく。
確かこのツボで眠くなってくるはずだ。
それで眠くなってきたところで
「安心して私はずっと一緒にいるから。」
という。
眠くなっているところで言ったから言葉がすんなりと入ってくるはず。
これで多分美鈴のストレスはかなり緩和されたはず。
これはどっちかというと魔術というよりカウンセリングの技術だけど私はそういうことも一応勉強した。
人の心を学ぶことは魔術でも意味があるから。
美鈴がすっかり寝入ったところで体中のいろんなところのツボを押しておく。
いずれも精神的に楽になるといったものや体の体調を整えるものだ。
さてゆうきも眠ってるし私は好きに動ける。
ゆうきの精神的なフォローも終わったしあとはこの建物の周りの調査だ。
安全を確保するためには周りを知る必要がある。
ゆうきの安全の確保は式神に任せてまわりの調査に向かう。
「ゆうきさん、どうしました。」
新島先生が話しかけてくる。
「んっ散歩」
「散歩ですか。私も一緒に行きましょう。」
断りたいんだけどこういう時無口っ子キャラだと断りにくい。
ちゃんと説明しないと邪険にしたみたいになっちゃうから。
今はあまり敵を作りたくない。
愛想よくしておこう
その後建物の周りを見て回ってると先生が話しかけてきた。
「ゆうきさんはどうすることにしました?」
「何が?」
先生なんだから言葉遣いはちゃんとしてほしい。
「いえ国の言うことを聞くのかそれとも要求をしていくのかっていうのですがどうします。」
「ひより見。」
「ああそういうのもありましたね。
どっちかにしなきゃならないって思ってました。先生の頭も固いですね。」
「たぶん日和見が一番多い。」
そう人はそんなに急に決断をすることができない。
「そうなるでしょうね。
ですが国家に勝つことはできない。だから慎重に交渉をしないといけない。
それは難しいです。だから私としては国のいうことを聞いておとなしくしてほしいですね。」
「私に言われても」
「まあそうですよね。
ではそろそろ戻りますか?ご飯の時間まではまだありますが。」
「もう帰る」
もうだいたい見て回った。
あとは式神に任せればいい。
「そうですか、では帰りましょう。」
「それではご飯のときにまた会いましょう」
「ええ」
見回りは終わった。
先生がいなければもっと早く済んだのだけどまあ先生も私が迷ったりしないかとか安全のことを考えていたんでしょうからしょうがないとは言えるけど。
私の姿は結構保護欲をわかせる容姿だってのはわかってるからね。
まあそれを利用することも結構あるけど今回はいらないパターンだった。
部屋に戻るとゆうきはまだ眠ってた。
疲れてるでしょうからご飯まで寝かせといてあげましょう。




