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ep3 アマノサカホコのナンバー2

「ギルド・ピッツァ・マルゲリータ?」

「知ってる?」

「いや、聞いたことも無い」

「僕も知りません」

「少なくともトップランカーではないだろう」

「僕たちの相手じゃないですね」

 俺たちの中で今ケンカを売ってきた彼らは大した存在ではないと断定。

「おい!! 何そっちだけで喋ってんだ!!」

「ああ、悪い悪い。で、ケンカするんだっけ?」

「ああ!! ここは俺たちの縄張りだ!!」

「ふーん。じゃあやろっか?」

 腰から刀を抜き、構える。ナミとカグは見学だ。

「おいおい、1人? 5VS1で勝つつもりか~?」

「なめてんの?」

「まあいい。死にな」

 各々好きなことを言って突っ込んでくる。

「”巨大風刃”!!」

「”麻痺の牙”!!」

 風魔法、麻痺毒を含む牙攻撃。両方問題ない。麻痺や毒は自分よりレベルが低い相手の攻撃ほど効きづらい。俺のレベルはMAXの300。このレベルの麻痺ならまったく効かない。

 風刃は身のこなしだけで避ける。

「”分裂土槍”!!」

「”超絶斧撃”!!」

 物理攻撃か。こういうのは俺得意だぞ~。

「”融解”」

 刀で受け止める。すると敵の土の槍と斧の刀に触れた部分がとけ、落ちる。

「は?」

「へ?」

「い、今の……」

「最上位の技なんじゃ……?」

 ピッツァ・マルゲリータの面々の顔が絶望に染まる。

「今度はこっちから行くよー!!」

「ッ!! ”土壁”!!」

 敵の土槍を使った男が土の壁を展開する。

 それを見ていたナミとカグは、

「ダメね」

「あんなものは”融解”の前には意味をなさない」

 その言葉通り、土の壁に赤い線が入り、その線から土の壁が崩れていく。赤い線が入るのはその部分の土が溶けているからだ。

「ヒッ……!!」

 土壁を作った男の両手両足が消滅する。まあ俺が溶かしたんだけど。

「まず1人。次!!」

「え!? こ、降参!! 降参します!!」

「すみません!! 喧嘩売ってすみませんでした!!」

「ごめんなさーい!! 許して~~!!」

「あれ?」

 なんか戦意喪失させちゃったみたい。


「本当に、いつ見てもイカサマみたいな能力ね」

「すべての物体を熱で液体に変える力。スキル”炎刀”の最上位技、”絶対融解”ともなれば”絶対防御”をも相殺する攻撃力を持ちます。本当にズルすぎますね」

 ナンバー2の実力の片鱗を見て、思わずため息をつくナミとカグ。

「も、もしかしてあなたはアマノサカホコの……?」

「サブリーダー・イザナギだ」

「や、やっぱり……!!」

「序列2位のアマノサカホコ!!」

「とんでもねえ奴らにケンカ売っちまったぁ」

「た、大変申し訳ありませんでした!!」

 土下座してくるピッツァ・マルゲリータの面々。

「いや、いいよいいよ。それより魔王を討伐したギルドの会議でギリシャ、イタリア周辺はウチの支配地だから。おけ?」

「もちろんです!! もちろんですとも!!」

「君たちは別の所で支配地を作るか、俺たちの配下につくか。まあどっちかにしてくれ」

「ど、どうするよ?」

「別の所の支配って言っても俺らで何とかなるレベルなのか?」

「いや、無理だろ。これからこの世界の支配者を決める戦いをすんだろ? その中に割って入る実力はねえ」

「だろうな。なんたってあいつらはデス数0とか1のバケモンだろ?」

「じゃあ、配下になるでいい、ですか? リーダー?」

 そう今まで話をまとめていた男が土魔法の男を治療していた女の子に問う。

「ええ。異論はありません」

「お前がリーダー?」

「はい。ピッツァ・マルゲリータのリーダー、バジルです。これからギルド・ピッツァ・マルゲリータはギルド・アマノサカホコの傘下に入ります」

「だって。ナミ様!! どうする?」

「いいでしょう。アマノサカホコのリーダー・イザナミの名においてギルド・ピッツァ・マルゲリータのアマノサカホコの傘下加入を認めます」

「え!? アマノサカホコのリーダーって女だったのかよ!?」

「女だからってなめないほうがいいぞ? バケモンだからな」

「おいナギ!! 誰かバケモンだ!!」

「あ!? すみません~!」

「とにかく、これからよろしくね。ピッツァ・マルゲリータの皆さん」

 ナミがピッツァ・マルゲリータの面々に笑顔を向ける。だが怒鳴ったばかりなので逆に怖い。適応力の高そうなバジルでさえ苦笑いを浮かべていた。


《勇者・フォルドから運営ゲームマスターに申請。ゲーム内容の変更。マップに各支配地の表示。ーーー承認されました。

 ただ今からエリアの支配登録が可能となりました。ギルド、もしくはプレイヤー同士で重複した所は3対3の試合によって支配者が決まります。また初回登録できるのは隣接している3エリアまでです。それ以降は戦闘によって奪取してください。ただし、初回登録以外の土地の奪取の戦闘にはルールはありません。また、登録されなかったエリアはそのエリアの中にいた者で最もレベルが高かった者に付与されます》


「俺たちはバチカン半島エリア、イタリア半島エリア、あと一つどこか取りましょうか?」

「そうね、オーストリアエリアとか?」

「そうですね。ヨーロッパは競争率が高いようですが、我々ならその3対3の試合とやらでも負けることはないでしょうし」

「ナギもそれでいいですか?」

「いや、俺はチュニジアエリアがいいと思う」

「チュニジア?」

「どこよ? そこ」

「ここだ」

 地中海を挟んでイタリアの反対側、アフリカの北側。これは接していることになるらしい。

「その心は?」

「だからそれなぞかけのやつ!! チュニジアは比較的狭い場所ですがアフリカへの足掛かりはあった方がいいでしょう。これからアフリカを攻めようとすると船か飛行機を使わなくてはならない。それだとだいぶやりずらそうだろ? アマノサカホコがこのゲームの覇者になるならアフリカを少しでも攻めやすくした方がいいと思う」

「なるほど、一理ありますね。カグはどう思いますか?」

「一理どころではありません。序列1位の勇者フォルドの勇者ギルドがエベレストという攻めづらく、攻められにくい場所にいます。今が2位の我々が勢力を広げる最高のチャンスです。今後のことを考えてもアフリカに支配地を持っておくのは必須と言えるでしょう」

「では、最後の一か所はチュニジアエリアで決定します。いいですね?」

「「はい!!」」

 マップでイタリア半島エリア、バチカン半島エリア、チュニジアエリアを選択し、占領をクリック。

 ブーーーッ!!

「ん?」

「あれ?」

「被ったか……」

「どこが被りました?」

「……え!?」

「ッ!?」

「あー、そう来るか!!」

《重複エリア・イタリア半島エリア

 アマノサカホコ(序列2位)・所望エリア

  バチカン半島エリア・《《イタリア半島エリア》》・《《チュニジアエリア》》

 ソーラープラネット(序列7位)・所望エリア

  イベリア半島エリア・フランスエリア・《《イタリア半島エリア》》

   試合日・10月10日(土) 場所・イタリア半島エリア ローマ コロッセオ》

 

 相手は序列7位のソーラープラネット。スペインを持ってった奴らだ。あの時の約束を破ってまでイタリアを取りに来た。しかも俺たちはイタリアを取られるとそれに隣接しているチュニジアまで失うことになる。そうなれば俺たちは勢力を広げるどころか1つのエリアしか持たない弱小勢力から始めることになる。

 でも、

「俺たちに勝てる気なんですかね?」

「確かあっちはサブリーダーのジュピター以外は全滅したはずよね。こっちはトップ3が魔王戦で生き残っている。そのことはあっちも当然知ってる。その上で来るってことは……」

「相当アホ?」

「もしくはフランスとスペインに相当強いプレイヤーが残ってたとか」

「それでもアマノサカホコに対抗しうる戦力がいるとは考えずらいですね」

「まあ、明後日になればわかることです。我々はそれまでにパルテノン神殿にアマノサカホコメンバーを集めなさい」

「「了解!!」」

「ピッツァ・マルゲリータの面々はイタリア半島エリアのプレイヤーにアマノサカホコの支配地だってことを伝えて回ってください!! その上でアマノサカホコに付くかを聞いてください」

「わかりました。アマノサカホコに付くと言ったプレイヤーのギルドリーダーをパルテノン神殿に送ります」

「話が早い。よろしく頼むよ」

 

 ということでアマノサカホコはパルテノン神殿を仮の拠点にして二日後のソーラープラネットとの試合に臨む。


 









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