毎朝の風景
ピッピッピピピピーーー!!
「はぁ~眠い」
目覚まし時計の頭に響く音で一日が始まる。
(なんで起きなきゃいけないんだよ!)
毎朝愚痴を考えながら起きてる。
最近愚痴やため息が増えてきた、若い時はその日起きるであろう事に楽しみを見つけながら起きていたものなのに。
自分の未来が現実としてみえているからだろ。
楽しみも無く、友達と呼べる人も恋人も居なく、一人で死んでいくのが見えている。
「はぁ~、行くか!」
今は春だが暑い!
下着で寝て居たのでパパッと着替え家を出る。
職場は電車で一時間くらいで着く所にある。
毎朝朝微妙に混んでる車内で吊革に体重を預け、車内を見る。
(高校生かな?イケメンだ!)
(あそこのリーマンは寝てる…)
(っお!オヤジ!朝からエロ画像かよ!窓の反射で見えてるよー)
(綺麗な女性やなー夜は彼氏とデートか?)
(っつ!混んできたな、ここから満員になるだよなー)
この電車は痴漢で有名な路線でちょくちょく痴漢騒ぎが起きている。
俺も痴漢をしてみたい。
可愛い女の子を触りたいって思うよ?
でもその後が恐い…
なので自発的にはしない。
背中に感じる女性特有の柔らかさを楽しみ感じる位は許されて欲しい…
痴漢に間違われないようにドア際で腕を組ながら目を瞑る。
ドカーン!!
雷が近場に落ちたような爆音とともに体が浮く感覚で目を開けようとするが出来ない。
(なんだ?な…に……)
考えようとしても考えられない。
意識は闇に吸いとられ…プツンと切れた。